5大商社と呼ばれる三井物産・三菱商事・住友商事・丸紅の中でも、非資源や生活消費関連に強みを持つ伊藤忠商事は、「三方よし」の企業理念のもと、人的資本経営でも注目されている企業です。
今回は、そんな伊藤忠商事の特徴やSDGsへの取り組みについてご紹介します。
大手企業のSDGsへの取り組みの参考とし、自社にも活かしたい方は、ぜひチェックしてみてください。この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
5大商社と呼ばれる三井物産・三菱商事・住友商事・丸紅の中でも、非資源や生活消費関連に強みを持つ伊藤忠商事は、「三方よし」の企業理念のもと、人的資本経営でも注目されている企業です。
今回は、そんな伊藤忠商事の特徴やSDGsへの取り組みについてご紹介します。
大手企業のSDGsへの取り組みの参考とし、自社にも活かしたい方は、ぜひチェックしてみてください。この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
まずは、伊藤忠商事の会社の特徴について3つのポイントに絞ってお伝えしたいと思います。
伊藤忠商事が私たちの生活に深く関わっている企業だということ、そして、消費者ニーズを起点としたビジネス変革を行なっている企業だということを理解できるはずです。
伊藤忠商事は、売り手よし・買い手よし・世間よしの『三方よし』を企業理念として掲げ、これを三方よし資本主義と呼んでいます。
事業が売り手と買い手だけでなく、世間にとっても良いものであるという考え方は、事業を通して地球環境や人類の生活を持続可能なものにする取り組みであるSDGsにつながっています。
実際に、伊藤忠商事では相反する関係であるとされる「経済価値」と「環境・社会価値」のどちらかに偏るのではなく、事業を通して両方を拡大させていくことを基本姿勢としている素晴らしい企業です。
また、成長戦略としてはマーケットインによる事業変革にも注力しています。
売り手を起点とするプロダクトアウトではなく、買い手のニーズを起点とするマーケットインの考えを大切にすることで、お客様目線で新しいビジネスやサービスを構築し売り手の利益に偏ることのないビジネス創出を大切にしています。
「商売は菩薩の業、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの」
現在の伊藤忠商事の商売に対する姿勢は、創業者である伊藤忠兵衛が残した上記の商売道が今でも引き継がれている証拠だと言えます。
生活消費関連に強みを持つ伊藤忠商事では、実際に私たちが生活の中で目にする様々な商品やサービスを取り扱っています。
特に、FamilyMart(ファミリーマート)は有名な企業の一つですが、FamilyMart以外にも様々な商品やサービスを展開しています。
(参照元:伊藤忠商事|みん就LIVE)
上記は一部ではありますが、ほとんどが一度は目にしたことのある企業やブランドばかりではないでしょうか。
伊藤忠商事は、これらの企業をグループ会社化し自社のもつ経営ノウハウを活かして縮小したビジネスの変革を行なっています。
例えば、メルセデス・ベンツで有名なYANASEでは、2017年にグループ会社化以来、ハンズオン経営によって、顧客ニーズに対応したビジネスモデルの変革に注力しています。
実際の取り組みとしては、投資基準の改訂やEXIT基準を導入することで、不採算店舗の統廃合や新規ブランドの取り扱いを開始。
その結果、連結純利益は2017年のグループ会社化した時点と比較して約3倍まで上がっています。
では、ここからは伊藤忠商事のSDGsへの取り組みについて解説していきます。
生活消費関連に強い伊藤忠商事の強みは、SDGsへの取り組みにも表れています。
生活者に寄り添ったSDGsへの取り組みを参考にしてみてください。
KIDS PARKは、次世代を担う子どもたちにSDGsを伝えるための取り組みです。
子どもたちは無料で施設を利用でき、遊んで・触れて・感じながらSDGsを学ぶことができます。施設内には次のようなエリアが設けられています。
施設名 | 内容 |
ヒラメキオーシャン | 自分で作った海の生き物がスクリーンに映るとともに、海中のゴミが消えるようになっている |
キコエルフォレスト | 動物のシルエットが描かれた壁の前に立つと、動物の鳴き声が聞こえる仕組み。多種多様な動物の存在や豊かな自然を体験できる施設 |
ステナイアトリエ | 廃材アート体験を楽しむことができる施設。さまざまな廃材を自由に使ってオリジナルな作品を作れる。廃材を再利用するという体験を得ることが可能 |
ナナイロスカイ | ボールプールで遊ぶことができる。ボールプールの壁に設置された色分けされたカゴにボールを入れると虹ができる仕組みになっている。分別することでより良い未来になることが体験できる施設 |
Books & Toys | SDGsの考え方に通ずる絵本やおもちゃが用意されている |
同業者である他の総合商社と比較して、人々の生活に近い川下(消費者)の部分を重要視する伊藤忠商事らしいSDGsの取り組みだと言えます。
ITOCHU SDGs STUDIO DOMEは、SDGsがテーマのアート・インスタレーションを展開する施設です。
DOME内では、アーティストやクリエイターとSDGs関連企業・団体がコラボレートした、SDGsを体験できる作品が展示されています。
記念すべき第一弾は循環型プロジェクトとして「ロスを生まない花の楽しみ方」を提案する内容に。
一部ロスフラワーを使用したフラワーオブジェを公開し、花業界のフラワーロス問題やフラワーロスを生まない取り組みを提案しています。
また、参加者には「来場者プレゼントキャンペーン」を実施し、フラワーオブジェのイルミネーションを撮影しInstagramに投稿するとプレゼントがもらえるなど、現在の流行に則った参加したくなるような取り組みも特徴的です。
ネットやYouTubeなどで総合商社のSDGsへの取り組みについて検索すると、大々的に取り上げられるのはサーキュラーエコノミーやCO2削減・洋上風力発電など大規模な取り組みが多い印象です。
そのような中で、花業界という人々の生活に大きく関わる分野に対するサステナビリティの公開・Instagramによる参加者へのプレゼントなど、一般の生活者にとって身近で関わりやすいイベントを開催しているのは、伊藤忠商事らしい取り組みと言えます。
「ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE」は、ITOCHU SDGs STUDIOの放送されるラジオタイトルです。
このラジオでは「私たちの生活、未来のために。あしたからすぐ行動できる」身近なアクションのきっかけ作り」をテーマに、ナビゲーターのSHELLYさんをはじめゲストに芸能人やアスリート、専門家などを招いて、エピソードトークやSDGsに関する話題などを取り上げています。
芸能人やアスリートなどをナビゲーターやゲストとして迎えることで、多くの人がSDGsに興味を持ちやすくなり、SDGsの広まりに大きく貢献しています。
これまでには、土屋アンナさん・藤原詩織さん・武井壮さん・高橋メアリージュンさんなどさまざまなゲストが登場しており、過去の放送はSPINEAサイトでいつでも視聴することが可能です。
それぞれ好きな芸能人やタレント・アスリートの放送を聞くことで、楽しみながらSDGsについての知識を身に付けられたり、今すぐできるアクションを知ることができます。
他の総合商社においてもSDGsへの取り組みは行われていますが、このように生活者に馴染む形でSDGsに関する情報発信を行なっているのは、伊藤忠商事の特徴的な取り組みです。
cokiは、法人のサステナビリティをステークホルダーの声で可視化するメディアです。
「社会の公器」を体現する企業を増やし、サステナブル社会を実現することをミッションとし、企業や法人のSX支援をしています。
ステークホルダーの個別インタビューをおこない、サステナビリティの観点から企業価値を高める情報発信をおこなったり、想いを同じくする会員の企業・団体・個人との交流を可能にするビジネスコミュニティをご提供しています。
cokiを通じて、 自社のSXをはじめてみたい方は、ぜひ下記の無料相談フォームより、お申し込みください。
<編集:水戸 湊>
ライター:
Webライター。Webサイトを10年以上運営。ブログ記事・コラム記事・メルマガ・LINEステップ配信文など、これまでに1000記事以上を執筆。現在は、企業HPに掲載するコラム記事の執筆を中心に活動中。プライベートでは、大好きなコーヒーを中心にサステナブルなライフスタイルを実践。自分の好きなことを活かして、地球・自然・人の役に立てるよう日々活動している。運営サイト:https://ethica-life.com/