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気候変動アクション大賞・市民エネルギーちば株式会社の取り組み【SDGs関連ニュース】

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電球の中に芽 フリー画像
Pexelsより

環境省の「気候変動アクション環境大臣表彰」から「先進導入・積極実践部門」の緩和・適応分野で大賞を受賞した、市民エネルギーちば株式会社を取り上げます。

「環境負荷最小の再エネ【ソーラーシェアリング】と有機農業の融合による地域再生」と題した取り組みは、再エネ・有機農業・雇用・人口減少をシームレスにとらえた新しい地域モデルです。

気候変動アクション大賞だけでなく「サステナアワード2020 環境省環境経済課長賞」「COOL CHOICE LEADERS AWARD 2018」など、多くの賞を受賞しています。

市民エネルギーちば株式会社の取り組み

市民エネルギーちば株式会社は「自然に学びながら世の中にできるだけ環境負荷の小さいエネルギーを供給する…。」をテーマに、千葉県内の環境や自然エネルギーに関わる複数の団体有志によって設立された法人です。ソーラーシェアリングと市民発電所設立に特化しています。活動で得た利益は、出資者個人へではなく、自然エネルギーを中心とした環境活動に還流。2015年2月からは、ソーラーシェアリングにより地域再生を促すために、地権者から農地を借りて耕作を始めています。

耕作放棄地を活用し、太陽光発電と農産物栽培を同時に行う

農業における高齢化に伴い、管理されなくなった「耕作放棄地」が問題となっています。そんな中、市民エネルギーちばが匝瑳(そうさ)市で行っている「ソーラーシェアリング」は、営農型太陽光発電ともいわれます。耕作放棄地の頭上に細長いソーラーパネルを並べて発電。太陽光発電を行いつつ、パネルの隙間から差し込む日の光で作物も育てる仕掛けです。農薬や化学肥料を使わず、土地を耕さない不耕起栽培(刈り取った後のわら等をそのまま残して耕さずに土壌に住む生物のえさとして活用する方法)を行っています。

これまでは刈り取った後の稲わらなどは撤去した後に耕運機などで畑を耕す農法が主流でした。しかしこれからの農業の持続可能性を考え、耕さないことで農作業の労力や電力を減らせて、土壌を豊かにできる不耕起栽培が見直されてきているのです。農機具に使用する電力は、BDF(バイオディーゼル燃料)や太陽光発電による電力を使用しています。

農業から始まる取り組みに、移住者たちも集い活性化するコミュニティ

同社は、有機農業に取り組む若手農家グループによる「Three little birds(スリー・リトル・バーズ)合同会社」と連携。畑では大豆や小豆、麦が作られ、コーヒーやみそ、クラフトビールなどの商品化にも取り組んでいます。訪問者が増えたことで、古民家をリノベーションした民泊やエコツアーなどの6次産業化も行われ、移住者による企業「Re」も生まれるなど、多くの新規住人を受け入れ雇用が創出されてきました。

市民エネルギーちばがソーラーシェアリングで栽培した作物は、毎年収穫祭が行われ、視察や見学に多くの人々が訪れるようになりました。人が訪れる地域では経済効果が生まれます。素晴らしいのは、これらの活動が事業者の利益を目的としたものではなく、農村経営全体からの視点をもとにした地域振興のインフラ事業として行われていることです。

本活動は、未来世代をも巻き込んだ広義の意味での「ステークホルダー」を見据えた活動と言えるでしょう。 今後の展望としては、エリア内だけでなく匝瑳市全体として通常時も含めた地域内再エネ電力網を構築。食料自給率100%を目指しているそうです。

全国に波及する地域モデルの構築が評価され、今回の気候変動アクション大賞につながりました。

【参照】
気候変動アクション環境大臣表彰 令和3年度受賞者紹介
市民エネルギーちば株式会社

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