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ナイガイが惚れたBioworksの次世代繊維PlaXの衝撃

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ナイガイが惚れたBioworksの次世代繊維PlaXの衝撃
提供:Bioworks株式会社

「毎日履くものだからこそ、妥協はしたくない」——。そんな老舗メーカーの執念が、京都発のスタートアップが放つ「魔法の繊維」を引き寄せた。靴下大手のナイガイが、Bioworksの開発した植物由来繊維「PlaX(プラックス)」を初めて採用したのだ。一見、どこにでもある新作発表。だがその裏には、アパレル業界がひた隠しにしてきた「消耗品のジレンマ」を打破する、極めて野心的な革命が秘められていた。

 

老舗靴下メーカーが挑む素材革命の全貌

日本人の足元を支え続けてきたナイガイが、自社の看板ライン「みんなのくつした」に新たな一投を投じた。同社の最新作に採用されたのは、石油を一切使わず、サトウキビから作られた次世代繊維「PlaX」。これが単なる「エコなおまけ」ではないことは、そのスペックを見れば明らかだ。

これまで、激しい摩擦にさらされる靴下には、石油由来のポリエステルやナイロンを混ぜるのが「常識」だった。しかし、これらは製造時に大量のCO2を排出し、使い古されればゴミとなって地球を汚す。特に靴下は衣料品の中でも寿命が短く、リサイクルも極めて難しい。

この逃れられない「負の連鎖」を断ち切るために、ナイガイは創業100年を超えるプライドをかけ、素材そのもののアップデートという大勝負に出たのである。

既存の合成繊維を凌駕する植物由来のポテンシャル

提供:Bioworks株式会社

なぜ、数あるエコ素材の中でPlaXだったのか。その答えは、消費者が最も敏感に反応する「機能」にあった。PlaXのベースとなるポリ乳酸には、素材そのものに強力な抗菌・防臭効果が備わっている。後付けの薬剤ではなく、繊維の「体質」そのものが雑菌を寄せ付けないのだ。

足の蒸れや臭いに悩む現代人にとって、これほど心強い味方はない。さらに驚くべきは、その製造工程だ。従来のポリエステルに比べ、CO2排出量を最大70%も削減し、綿(コットン)に比べて水の使用量を9割以上もカットするという。

環境に優しいのは当たり前。その上で、石油由来素材を凌駕する「清潔さ」を手に入れた。この圧倒的な優位性こそが、ナイガイの心を動かした決定打だったのである。

資源を循環させるというマテリアルクリエイションの哲学

 

Bioworksを率いる坂本孝治氏は、単なる素材メーカーの枠に収まるつもりはない。彼らの視線は、製品が捨てられた「その後」に向けられている。PlaXの真骨頂は、一度製品として世に出た後でも、化学的に分解して再び「新品の原料」に戻せるケミカルリサイクルとの相性の良さにある。

これまでのリサイクルは、繰り返すたびに品質が落ちる「ダウンサイクル」が主流だった。しかし、Bioworksが描くのは、靴下が再び靴下に生まれ変わる、永遠のループだ。「つくる喜びと、着る豊かさが続く生態系を」——。

この京都発の哲学は、大量生産・大量廃棄に慣れきったファッション業界の構造を、根底から覆す可能性を秘めている。

消耗品の未来を変えるグリーン・イノベーションの教訓

我々はこの提携から、一つの真理を学ぶことになる。それは「我慢して環境を守る時代は終わった」ということだ。履き心地が良いから選ぶ。清潔だから選ぶ。その結果として地球が守られる。そんな「欲張りなサステナビリティ」こそが、市場を動かす原動力となるのだ。

伝統にあぐらをかかず、新技術への投資を惜しまなかったナイガイ。そして、素材の力で世界を塗り替えようとするBioworks。両者のタッグは、停滞する日本の製造業が進むべき「光り輝く道しるべ」となるに違いない。次にあなたが手に取る一足が、地球の未来を救う。そんな時代が、もうすぐそこまで来ている。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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