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くら寿司とKURAおさかなファームが挑む水産業の未来 AIスマート養殖と「お寿司で学ぶSDGs」教育

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「お寿司で学ぶSDGs」教育の様子(くら寿司株式会社より提供、以下同)

日本の魚食文化が静かなる岐路に立たされている。水産庁の予測によれば、日本の漁業従事者は50年後に約7万人にまで減少するという。気候変動による海水温上昇も重なり、かつて当たり前だった水産資源の確保は年々困難さを増している。この危機に対し、国内有数の回転寿司チェーンであるくら寿司株式会社が、事業の枠を超えた次世代への投資を加速させている。

 

「孫の代まで」を見据えたKURAおさかなファームの挑戦

くら寿司のこうした一連の取り組みの根底には「孫の代まで日本の魚を身近に食べられるようにしたい」という同社社長の強い危機感と思いがあるという。2010年からSDGsにつながる「天然魚プロジェクト」を開始しているが、近年とりわけ注目されるのが、テクノロジーを駆使した持続可能な水産業へのアプローチだ。

同社の子会社であるKURAおさかなファーム株式会社は、国際基準を満たしたオーガニック水産物として日本初の認証を取得した「オーガニックはまち」の生産・卸売を手がけている。さらに、漁業現場の慢性的な人手不足と過酷な労働環境という課題に対し、AIやIoT技術を導入したスマート養殖による委託養殖を展開。生産者や漁業協同組合と連携することで、労働効率の改善と新たな収益機会の提供を実現し、持続可能な水産業のモデルケースを構築している。

 

1万人超が受講した「お寿司で学ぶSDGs」

テクノロジーによる生産体制の革新と並行して、同社が注力しているのが次世代を担う子どもたちへの教育啓発活動だ。
同社は全国の小学生を対象に、「お寿司で学ぶSDGs」と題した出張授業を実施している。

出前授業に参加する児童たち

回転寿司という身近な題材から入り、水産業や食をめぐる社会課題について子どもたちと一緒に考えるという画期的なプログラムである。授業の中では、水産業の現状だけでなく、自社が実践する網にかかった魚を丸ごと買い取る「一船買い」や、規格外の低利用魚の活用、不可食部を魚の飼料の一部にして育てる「さかな100%プロジェクト」といった具体例が紹介される。

一船買いの様子

2022年から本格始動したこの出張授業は、過去4年間で全国200を超える小学校で開催され、すでに1万人以上の児童が受講したという。直近では岩手県盛岡市の小学校でも実施されるなど、その啓発の輪は着実に全国へと広がっている。

 

消費企業から「未来を創る」企業への転換

単に安価で美味しい寿司を提供するだけでなく、海という資源の持続可能性にまで責任を持つ。未来の消費者である子どもたちに、食の背景にある課題を知ってもらい、自ら行動するきっかけを提供する。

くら寿司株式会社とKURAおさかなファーム株式会社によるこれらの多角的な取り組みは、一外食企業が直面するサプライチェーンの危機管理という側面を超え、日本の水産業全体の構造転換を促す一助となっている。AIを活用したスマート養殖から地道な教育活動まで、次世代へ向けた同社の投資は、同じく資源の枯渇や後継者不足に悩む多くの一次産業関係者にとっても、1つの希望の光となるはずだ。

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ライター:

Webライターとして活動。主にエンタメ系、サステナビリティ関連の記事などを扱っています。

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