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墨田の老舗が挑む「飴色に育つ」再生革財布の革新

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墨田の老舗が挑む「飴色に育つ」再生革財布の革新
提供:株式会社 駒屋

「素材の寿命をどこで区切るか」という問いに対し、東京・墨田の老舗、株式会社駒屋は独自の答えを出した。端材を再生したドイツ製素材を職人の技で「育てる愉しみ」へと昇華させた、同社のサステナブルな取り組みを追う。

 

ドイツの先進素材と墨田の職人技が融合した再生革財布の誕生

東京・墨田区に拠点を置く老舗革財布メーカー、株式会社駒屋が、現代の環境意識に応える新たなプロダクトを世に送り出した。2026年1月15日、革の端材を再利用したアップサイクル素材シリーズ「Charmes」から、新作2型をリリースしたのである。今回発表されたL字ファスナー長財布と三つ折り財布の主役は、ドイツで開発されたボンデッドレザーファイバだ。製造工程で生じる革の端材を繊維状にし、再びシート状に加工したこの素材は、資源を循環させる持続可能なものづくりの象徴として、感度の高いビジネスパーソンから注目を集めている。

再生革の常識を覆す経年変化の魅力と飴色に育つ独自価値

本取り組みが従来のサステナブル製品と一線を画すのは、再生素材でありながら経年変化を徹底的に追求した点にある。一般的に加工工程の多い再生素材は表情が均一になりがちだが、駒屋のシャルムシリーズは、使い込むほどに表面に自然な艶が宿り、美しい飴色へと変化していく。代表取締役の須藤文雄氏は、この素材の可能性について、再生素材だからといって使い捨ての簡易的なものにはしたくなかったと静かに語る。むしろ、本革以上に時間をかけて自分だけの一品に育てていく愉しみを感じてほしかったのだという。素材由来の色ムラやロットぶれを欠点とせず、世界に一つだけの個性として価値を転換するこの不完全さの肯定こそが、他社には真似できない同社独自のブランド体験となっている。

墨田の地場産業に受け継がれる「もったいない」精神と職人哲学

 

このプロジェクトの背景には、日本有数の革の集積地である墨田区で長年培われてきた、素材を慈しみ無駄にしないという職人文化が深く流れている。駒屋にとって、サステナビリティとは単なる表面的な流行ではない。命の副産物である革を扱う立場として、たとえ数ミリの端材であってもその可能性を最後まで引き出すことは、地場産業を守り続けてきた老舗としての責任感から生まれる必然的な哲学だ。ドイツの高度なリサイクル技術と、墨田の職人が持つ繊細な仕立ての技が交差することで、環境負荷の低減と、高品質なプロダクトとしての品格が高度に両立されている。

未活用の資源を資産に変える編集力とビジネスにおける価値の再定義

株式会社駒屋の事例から、我々ビジネスパーソンが学ぶべきは未活用資産の再定義である。かつて廃棄物とされていた端材を、あえてエイジングが楽しめる希少素材として再構成し、ストーリー性の高い商品へと昇華させたマイナスをプラスに変える編集力は、多くの産業で応用が可能だろう。また、製品のピークを販売時ではなく使用数年後に設定することで、顧客と共に時間を育む関係性を構築している点も見逃せない。効率化が加速する社会において、あえて時間をかけて育てるという価値を提示する駒屋の挑戦は、これからの循環型経済における、一つの完成されたビジネスモデルを示唆している。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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