ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

炊飯ロスを価値に変える 象印が挑む「ごはんのアップサイクル」

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
炊飯ロスを価値に変える 象印が挑む「ごはんのアップサイクル」
提供:象印マホービン株式会社

炊飯ジャーの開発過程で繰り返される炊飯試験。技術研鑽の裏側で生じる余剰米という「宿命的な課題」を、象印マホービンはクラフトビールという新たな価値へと昇華させた。

 

象印の新戦略「ゾウのマイ」|炊飯ロスを救うクラフトビール誕生

象印マホービン株式会社は、炊飯ジャーの開発過程で生じる余剰米を原料としたクラフトビール「ゾウのマイ」を2026年3月に発売する。同社は「おいしさ」を追求するために日々膨大な数の炊飯試験を繰り返すが、そこで生じる食べきれないごはんの処理が長年の課題となっていた。今回、日本初の地ビール醸造所として知られるエチゴビールとタッグを組み、お米由来のすっきりとした味わいの「ゴールデンエール」として商品化に成功した。単なる廃棄削減に留まらない、食卓に楽しみを添える新たな価値提案へと舵を切っている。

堆肥化を超えた価値創造|他社と一線を画すアップサイクル術

同社の取り組みが際立っているのは、廃棄物を肥料にするリサイクルに満足せず、市場価値を高める「アップサイクル」を徹底している点にある。一般的に食品ロス対策はコスト負担となりやすいが、象印は自社に醸造設備を持たないからこそ、エチゴビールのような専門業者と柔軟に手を組むことで、高品質なプロダクトを迅速に投入する「共創型モデル」を確立した。2021年以降、除菌ウェットティッシュや甘味料など、多様な出口戦略を次々と具現化してきた実績は、単なる環境配慮を超えた、多角的なブランド戦略の成功を物語っている。

「もったいない」を哲学へ|象印が守り抜くメーカーの矜持

 

このプロジェクトの根底にあるのは、創業以来培ってきた「お米への敬意」と、持続可能な社会を目指す経営哲学がある。同社の関係者は、炊飯ジャーの進化のために炊かれたごはんは自らの情熱の証であり、それを無駄にすることは技術研鑽を否定することに近いと述べる。開発現場で生じる「痛み」を放置せず、誠実に向き合う姿勢が、このプロジェクトを突き動かした。従来の「作って売る」リニア型モデルから、製品を作る過程の副産物にまで責任を持つサーキュラーエコノミーの体現者へと変貌を遂げようとしている。

ビジネスパーソンが学ぶべき「資源再定義」の視点

象印の事例は、既存のビジネスプロセスに眠る「見落とされた資産」の活用法を提示している。自社にとっては「ゴミ」や「副産物」であっても、視点を変え、他社の技術を掛け合わせれば、強力なブランドストーリーを持つ商品になり得る。また、自前主義に固執せず、理念を共有できる外部パートナーを巻き込むことで、既存事業の枠を超えた新規事業が加速する。「ゾウのマイ」という名には、象が舞い上がるほどのおいしさという意味が込められているが、その裏には、技術追求の影で生じるロスを喜びへと変換しようとする、メーカーとしての強い矜持が流れている。

Tags

ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

関連記事

タグ

To Top