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因果分析AIで食品ロスを解明 老舗「お菓子の日高」とLogianが挑むDXの正体

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因果分析AIで食品ロスを解明 老舗「お菓子の日高」とLogianが挑むDXの正体
提供:Logian株式会社

「職人の経験と勘」というブラックボックスに、データサイエンスの光を当てる。宮崎の老舗菓子店と九州大学らが挑むのは、単なる予測を超えた「売れる理由」の解明だ。地方から始まる、伝統と先端技術が融合したDXの神髄を追う。

 

因果分析AIで食品ロスを最小化。Logian×お菓子の日高×九州大学の産学連携プロジェクト

データサイエンスのスタートアップであるLogian株式会社は、宮崎県の老舗菓子店「お菓子の日高」、九州大学、宮崎大学との四者による共同研究を開始した。

本プロジェクトの核心は、消費期限の短い生菓子の「商品廃棄ロス最小化」にある。これまで熟練スタッフの経験則に頼っていた製造現場に、最先端の「因果分析AI」を導入。精緻な需要予測モデルを構築することで、原材料高騰に苦しむ製菓業界の収益性向上と、深刻な社会課題である食品ロスの削減を同時に達成することを目指している。

相関関係ではなく「因果関係」を解明。従来型需要予測AIとの決定的な違いとは

本取り組みが、既存の需要予測システムと一線を画す点は、データの表面的な動きを追う「相関関係」ではなく、事象の根拠を突き止める「因果関係」に焦点を当てている点だ。

従来のAIは「気温が高い日は売れる」といった相関性から予測を立てるが、これでは「なぜ売れたのか」という確信が持てず、現場は不安から過剰に製造してしまう傾向があった。対してLogianが提供する因果分析は、気温、給料日、周辺イベントといった多層的な要因のうち、どれが真の決定打なのかを学術的に特定する。「暑いから売れるはずだ」という思い込みを排し、「この要因があるから、明日はこれ以上作ってはいけない」という科学的なブレーキをかける。この「根拠ある抑制」こそが、従来のDXには欠けていた現場への説得力と実効性をもたらしている。

職人を「製造数の悩み」から解放する。データサイエンスが守る伝統とクリエイティビティ

 

このプロジェクトの根底には、テクノロジーによる職人技能の「疎外」ではなく、むしろ「解放」を目指すという明確な哲学がある。老舗の現場において、毎日の製造数を決める判断は極めて精神的負荷の高い作業だ。外れれば廃棄の山を築き、少なければ機会損失を招く。この重責をデータサイエンスが肩代わりすることで、職人は「どれだけ作るか」という苦悩から解き放たれ、「いかに美味しいものを作るか」という本来のクリエイティブな仕事に集中できる環境が整う。

Logian代表の納富崇氏が九州大学大学院に身を置き、アカデミアと実業界のハブとして動いている点も象徴的だ。大学の純粋な知見を、地方の老舗という最も手触り感のある現場へ実装する。そこには、デジタルを「効率化の道具」としてだけでなく、「文化を守るための盾」として活用する視座がある。

地方企業のSDGsとDXの最適解。Logianの共同研究から学ぶ「持続可能な経営」のヒント

Logianとお菓子の日高の取り組みは、地方の中小企業がどのようにDXと向き合うべきか、重要な示唆を与えてくれる。

まず第一に、ブラックボックス化したAIを押し付けるのではなく、現場が納得できる「理由」を提示することで、組織の自発的な行動変容を促している点が挙げられる。また、最新技術を導入しながらも、最終的な目的を「職人の創造性の担保」に置くことで、伝統文化との摩擦を最小限に抑え、共生の道を見出していることも見逃せない。そして、原材料高騰と食品ロスという世界共通の課題に対し、地方の個別解を汎用的なモデルへと昇華させようとする姿勢は、地方創生の新たなロールモデルと言えるだろう。

丹精込めて作られた菓子を「捨てない」仕組みを作る。その数学的な挑戦は、持続可能な社会の実現に向けた、最も具体的かつ誠実な一歩である。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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