
「製品が安全であることは当然、その背景にある環境や労働者の尊厳まで守られてこそ真の価値がある」という信念。日本で初めて寝具の国際オーガニック認証を取得した株式会社ハートの歩みは、日本のサステナブル製造業の先駆といえる。
第58回大川家具新春展に出展|オーガニック寝具ブランド「SaFo(サフォ)」の挑戦
家具・インテリア業界のトレンドを占う「第58回大川家具新春展」(2026年1月14日〜15日)に、高知県の寝具メーカー、株式会社ハートが出展する。今回の展示会では、同社の代名詞であるオーガニックコットン寝具に加え、最新のサステナブル素材を用いた製品や、製造過程の端材を活かしたアップサイクル製品もお披露目される予定だ。SDGsへの対応を急ぐ小売店やホテル業界のバイヤーにとって、日本発の「真にエシカルな寝具」を直接体感できる貴重な機会となるだろう。
なぜ「SaFo」は選ばれるのか?他社と一線を画す「GOTS認証20年」の信頼性
同社が市場で圧倒的な優位性を持つ理由は、国際オーガニック繊維基準「GOTS(Global Organic Textile Standard)」の維持にある。多くの「オーガニック風」製品が市場に溢れる中、同社は2009年に日本初の認証取得以来、毎年厳しい更新審査をクリアし続けてきた。原料の栽培環境から製造工程における有害化学物質の排除、さらには労働環境の適正化に至るまで、全プロセスの透明性を担保。この徹底したトレーサビリティこそが、偽りのないサステナビリティを求める現代の消費者の信頼を勝ち得ている。
高知の自社工場が守り抜く「職人の技術」と「環境負荷低減」の両立
ものづくりの拠点は、豊かな自然に囲まれた高知県の山中に位置する。ここでは、デジタルな管理と職人の五感が融合した独自の製造スタイルが貫かれている。「その日の気温や湿度、天候によって、天然素材の特性は刻一刻と変わります。私たちはそれを見極め、細かく調整しながら仕上げていくのです」と現場の職人は語る。特筆すべきは、製造時の消費電力をモニタリングし、環境負荷を最小限に抑える工場の運営体制だ。単に自然素材を使うだけでなく、製造プロセスそのものが地球環境の一部であるという哲学が、製品の一針一針に宿っている。
株式会社ハートの歩みから学ぶ「パーパス経営」の本質
ハートの事例は、一時の流行に流されない「パーパス(存在意義)経営」の重要性を提示している。「オーガニックは、環境や人を守り、世界をより良くする手段である」という明確な信念。それが、20年という歳月をかけてブランドの強固な付加価値へと昇華した。製品の機能だけでなく、背景にある物語が重視される時代において、同社の歩みは、持続可能なビジネスモデルを模索するすべての企業にとって、極めて示唆に富むものである。グリーンウォッシュが厳しく指弾される現代において、同社の実直な姿勢は、すべての製造業が参照すべき指針となるだろう。



