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着物リメイクを「循環型ビジネス」へ やまとが挑む余り布の資産化

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着物リメイクを「循環型ビジネス」へ やまとが挑む余り布の資産化
提供:株式会社やまと

きものの仕立てで必ず発生する「余り布」を、単なる端切れではなく、顧客の思い出を紡ぐ「資産」へと変換する。株式会社やまとの取り組みは、伝統工芸と現代の環境意識を接続する、ビジネスパーソンが注目すべき循環型モデルの先行事例である。

 

着物リメイクの常識を変える「あまり布小物」サービス、100種類超へ拡充の背景

きもの専門店「株式会社やまと」は、2026年1月8日より、仕立て時に生じる余り布を小物へと加工するサービスを大幅リニューアルする。

今回の目玉は、25種類の新メニュー追加による100種類以上のラインナップ化だ。注目すべきは、カスタマイズの自由度を飛躍的に高めた点にある。180通りの組み合わせが可能なカスタムバッグや、江戸の粋を再現した「根付こもの入れ」など、顧客の現代的なライフスタイルに即したラインナップを揃えた。この施策は、単なる在庫活用ではなく、顧客体験(CX)の深化を狙った戦略的リニューアルといえる。

「端切れの規格化」で実現する、高付加価値アップサイクルと量産性の両立

やまとの独自性は、属人的になりがちな「リメイク」という工程を、高度にシステム化した点にある。

他社のリメイクサービスが「一点ものの手仕事」に依存し、納期や品質にばらつきが生じやすいのに対し、同社は反物幅を基準とした「加工の規格化」を徹底している。「反物の四角い形をそのまま活かし、裁断ゴミを最小限に抑える」という設計思想は、今回の新作「シュシュ」にも色濃く反映されている。わずか十数センチの布地から、日常使い可能な高付加価値商品を安定供給できる体制は、アパレル業界におけるアップサイクルの最適解の一つだろう。

「もったいない」をブランド価値へ。「-tsugi-」に込められた再生の哲学

 

この取り組みの根底には、きものを「消費財」ではなく「継承資産」と捉える同社独自の哲学がある。

新メニューの草履に冠された「-tsugi-(つぎ)」という名称には、金継ぎのように「欠けた部分に新たな命を吹き込み、次へとつなぐ」という想いが込められている。「仕立ての過程で生まれる余り布も、きものの物語の一部です」と同社が語るように、製造工程で発生するロスを、顧客との長期的なエンゲージメントを築くための「接点」へと転換させている。これは、SDGsが叫ばれる以前から50年以上にわたり培ってきた、同社のサステナブルな精神の具現化に他ならない。

現代ビジネスが学ぶべき、既存リソースを「死蔵」させない出口戦略

株式会社やまとの事例から学べるのは、既存のビジネスプロセスから副次的に生まれるリソースを、いかに収益源とファン作りに昇華させるかという視点だ。

多くの企業が新規顧客の獲得に奔走する中で、同社は「仕立てた後の顧客」が抱える「端切れを捨てられない」という潜在的な悩みに着目し、100通りもの選択肢(出口)を用意した。「余りものを活用する」という後ろ向きな発想ではなく、それを「最も欲される形」へとデザインし直す。この徹底したマーケットインの姿勢と、伝統を現代の文脈で再定義する編集力こそが、停滞する市場を打破する鍵となる。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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