
「捨てればゴミ、売れば在庫、考えれば資源」。アパレル業界が抱える構造的課題に対し、メルローズは「消費者の思考」を介在させる独自の回答を導き出した。同社が仕掛ける循環型ファッションの最前線に迫る。
新宿ルミネ「エシカーニバル」連動。サステナブルな循環型ファッションの最前線
株式会社メルローズは、2026年1月10日からルミネ新宿にて、サステナブル活動の一環である「MELROSE THINK_LUMINE ethicarnival」を開催する。このポップアップは、単なる衣類の販売イベントではない。
会場では、アップサイクル素材を用いたバッグや、絶滅危惧種を守る雑貨など、厳選されたエシカルブランドが集結する。さらに、自社製品の回収による「GREEN PROJECT」や、通常は市場に出ない規格外品・サンプル品を販売する「Revalue Market」を展開。同社が2026年の戦略として掲げる「循環型ファッション」の具体像を、一般消費者に体験させる重要なタッチポイントとなっている。
自社利益を超えた「エシカル・プラットフォーム」。他社ブランドとの共創がもたらす独自性
他社のアパレル企業と決定的に異なるのは、自社ブランドの訴求よりも「サステナブルな視点の提供」を最優先している点だ。
今回のポップアップでは、ウガンダの自立支援を行う「RICCI EVERYDAY」や、青森のりんごの搾りかすを活用する「Adam」など、外部の志あるブランドを積極的に紹介している。一企業が自社のブランド枠に閉じこもるのではなく、エシカルな志を共有するブランドを繋ぐ「プラットフォーム」として機能することで、一社では成し得ない大きな社会的インパクトを創出しているのだ。
「考えるたび、世界は変わる。」に込められた、消費を文化に変える経営哲学
メルローズがタグラインに掲げる「考えるたび、世界は変わる。」という言葉には、ファッションを単なる「モノの消費」から「思想の選択」へと昇華させたいという哲学が込められている。
「なぜ、この製品はこの素材で作られているのか」。現場で生まれる一つひとつの問いが、消費者のライフスタイルを変え、ひいては社会構造を変える原動力になると同社は説く。代表の田中雅人氏が主導するこの「思考のプロセス」を重視する姿勢は、目先の売上至上主義とは一線を画す、極めて抑制的で知的なブランディングといえる。
ビジネスパーソンが学ぶべき「再定義(リバリュー)」による価値創造の要諦
メルローズの取り組みから学ぶべきは、負の資産を価値へと転換する「再定義」の力である。通常、アパレル業界において規格外品やサンプル品は「ロス」として処理される。しかし、同社はそれを「Revalue(再評価)」と名付け、ストーリーを付加することで新たな顧客価値へと変換した。
「課題を隠すのではなく、解決プロセスを付加価値として提示する」。この透明性の高いビジネスモデルは、ESG投資が加速し、企業の誠実さが問われる現代において、業界を問わず応用可能なサステナブル経営の指針となるはずだ。



