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【SDGs】バナナペーパーのECサイトが誕生 高速オフセットが仕掛ける「体験型」サステナブル経営の神髄

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【SDGs】バナナペーパーのECサイトが誕生。高速オフセットが仕掛ける「体験型」サステナブル経営の神髄
提供:株式会社 高速オフセット

「紙の可能性を再定義し、持続可能な社会の架け橋となる」。高速オフセットが展開する「KAMIKEN」プロジェクトは、単なる環境配慮型素材の提供に留まらず、消費者が能動的に関わる「体験」の提供へと舵を切った。

 

独自のサステナブル紙専門ECサイトが切り拓く、小ロット・高付加価値市場

株式会社高速オフセットは、環境配慮型素材を用いたオリジナルグッズを販売する「KAMIKEN SUSTAINABLE GOODS SHOP」を新たに開設した。

主力製品は、アフリカ・ザンビア産のバナナ繊維を活用した「バナナペーパー(One Planet Paper®)」を用いた2026年版カレンダーやワークショップキットだ。これまで、本格的なサステナブル印刷製品の導入は、コストやロットの面から大手企業に限定されがちであった。しかし同社は、10セット単位などの小口パッケージをECサイトで展開。企業のみならず、SDGs教育に注力する教育機関や自治体にとっても、実効性の高いアイテムを直接調達できるプラットフォームを構築した。

消費者を「共創」に巻き込む、カスタマイズ性と二次利用の設計思想

同社の取り組みが他社のノベルティ事業と決定的に異なるのは、ユーザーが「自分事」として関与できる設計の深さにある。

例えば、主力商品の「バナナペーパー2026カレンダー」は、あらかじめ用意された複数の絵柄からユーザーが好みの12枚を選んで注文する形式だ。さらに、卓上タイプは使用後に「コースター」へと姿を変え、壁掛けタイプは「メモ帳」として再利用できる二次利用の工夫が施されている。

単に環境に優しい素材を選ぶだけでなく、消費者が手にした後のストーリーまでをデザインする。この「捨てない工夫」と「選ぶ楽しみ」の融合こそが、同社の追求する独自の差別化戦略といえるだろう。

ザンビアの雇用を守り、教室へ学びを届ける「紙」という媒介

 

このプロジェクトの背景には、紙を単なる消耗品ではなく、地球規模の課題解決を繋ぐ「媒介」と捉える哲学が存在する。

バナナペーパーは、ザンビアで廃棄されていたバナナの茎を原料とし、現地の雇用創出や野生動物保護に直結する。同社は2024年に現地視察を行い、生産現場の熱量を直接プロダクトへと反映させてきた。「ワクワクする紙製品で、持続可能な世界をつくる」というスローガンは、消費者の喜びと現地の自立支援を両立させる強い意志の表れだ。

特に教育機関向けに「ノートづくりワークショップキット」を用意した点は示唆に富む。島田智代表は、以前の対話で「紙に触れる体験を通じて、遠い国の暮らしを想像してほしい」と語った。教育の場にサステナブルな実体験を持ち込むことで、次世代の意識変容を促す。それこそが、同社が目指す長期的な社会貢献の姿である。

抽象的な「SDGs」を「手触り感」あるビジネスへと昇華させる編集力

高速オフセットの事例は、環境配慮を「コスト」や「義務」として捉える段階を過ぎた企業の、次なる指針を示している。

ビジネスパーソンがここから学ぶべきは、抽象的な「SDGs」という概念を、いかにして「顧客の満足」や「参加の喜び」という具体的価値に変換するかという編集力である。素材のストーリーを可視化し、ユーザーに選択肢を与え、使用後の用途まで提案する。この一連の顧客体験の設計こそが、競合他社との圧倒的な差別化要因となっている。

伝統的な印刷業から「持続可能な社会の媒介者」へと進化した同社の姿勢は、あらゆる業界において、既存のアセットを再定義するための重要な示唆を与えてくれる。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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