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家庭の廃油で街を灯す「中百舌鳥イルミ2025」始動 商店街が挑む循環型エネルギーと地域再生

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家庭の廃油で街を灯す「中百舌鳥イルミ2025」始動 商店街が挑む循環型エネルギーと地域再生
提供:百舌鳥駅前通商店街振興組合

家庭の天ぷら油を回収し、バイオ燃料でイルミネーションを灯す試みが中百舌鳥で始まる。商店街が自ら循環型エネルギーを導入し、地域交流と環境配慮を両立させる新たな街づくりの一歩を踏み出した。

 

中百舌鳥で始まる循環型イルミネーションの全貌

中百舌鳥駅前通商店街振興組合が主催する「廃油でつくる光のレシピ 中百舌鳥イルミネーション2025」が、11月25日に点灯式を迎える。会場は堺市北区の中百舌鳥町5丁・デイリーカナート中百舌鳥店付近で、期間中は毎日17時から23時まで灯りがともる。

同組合によると、家庭や飲食店から回収した使用済み油を活用し、協力企業の植田油脂株式会社がバイオ燃料へと変換。生成した燃料で発電し、商店街のイルミネーションを灯す仕組みだ。住民が持ち寄る油が街の灯りへと変わる“地域参加型エネルギーモデル”が、中百舌鳥で本格的に動き始めた。

廃油を資源に変える独自の“地域循環スキーム”

家庭の廃油で街を灯す「中百舌鳥イルミ2025」始動 商店街が挑む循環型エネルギーと地域再生

この取り組みの独自性は、単なる廃油リサイクルを超え、商店街全体を巻き込んだ循環システムをつくっている点にある。使用済み油の回収は商店街が担い、バイオ燃料化を植田油脂が担い、イルミネーション設備は隣街の深井ファンが協力。複数の地域プレイヤーが連携して、持続可能な地域循環を実現している。

11月9日に開催された「なかもず商店街フェス2025」では、雨のなかでも多くの住民が廃油を持ち寄り、石けんづくりワークショップもにぎわった。廃油が“捨てるもの”から“地域を照らす資源”へと変わる過程を、住民が直接体験できる機会になった。

背景にあるのは“地域のつながりの希薄化”

 

商店街と住民の接点が減りつつあるという危機感が、今回の企画の原動力だ。中百舌鳥駅前通商店街振興組合は、デジタル化や生活スタイルの変化で交流機会が失われ、商店街の存在意義そのものが揺らいでいる現状を指摘する。

副理事の杉野原佑治氏は、「街の温度は人のつながりから生まれる」と語る。目黒川みんなのイルミネーションの事例に感銘を受け、廃油による光をコミュニティの象徴とする本プロジェクトを企画。住民の“参加”を軸にした再生モデルとして、商店街の役割を再定義しようとしている。

地域経済に残る“学び”――参加型エネルギーが街を変える

中百舌鳥の事例は、地域再生において“参加型”を取り入れる重要性を示している。住民が持ち寄った資源が可視化され、その光をともに見上げる体験が地域の一体感をつくる。商店街は単なる購買の場ではなく、街の関係性を育てるハブへと変わりつつある。

2026年春には、本物の力士と触れ合える「スプリングフェスタ」も予定されている。環境配慮型の取り組みと地域イベントを組み合わせ、商店街のにぎわい創出とコミュニティづくりを両輪で進める方針だ。

小さな油が街を照らし、人と人をつなぐ光へと変わる。今回のイルミネーションは、地域経済の未来に向けた静かな挑戦となる。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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