
農林水産省は10月15日から28日までの2週間、環境省、消費者庁と連携し、「サステナウィーク2025」を全国で実施する。持続可能な生産と消費を推進する「あふの環(わ)2030プロジェクト」の一環として展開されるこの取り組みは、今年で6回目。サステナブルな商品や活動を身近に感じる“推し”として、消費者の共感を育てることを狙う。
「みえるらべる」で“選べるサステナブル”
期間中、全国の小売店やWebショップでは、「みえるらべる」のついた農産物の販売が行われる。このラベルは、温室効果ガス削減や生物多様性保全などの環境貢献度を星の数で示す仕組みで、「見て選べる」消費を促すものだ。消費者は「#みえるらべる」「#サステナウィーク」を付けてSNSで発信でき、公式アカウントからのリポストも予定されている。
多彩な企業・団体が参画
今年の参加企業・団体は217社にのぼる。開示資料によると、オイシックス・ラ・大地株式会社が「Oisixサステナクイズ」を実施し、株式会社折兼ホールディングスが「SDGsキッズスタートアドベンチャー」を開催。さらに、NPO法人北九州・魚部は「亀川オンセンゴマツボ荘」で地域のアップサイクル事業を展開するなど、地域密着型の活動も目立つ。
そのほか、日本航空株式会社が「規格外野菜を使用した凸凹スープ」を提供し、明治ホールディングス株式会社が「オーガニック牛乳~循環型農業の推進~」を紹介するなど、各業界の大手も参画。食品、飲料、流通、農業、観光といった多様な分野から“サステナブル”の輪が広がっている。
消費行動を“応援文化”に
今回のテーマ「サステナブルが推しになる」には、環境配慮を“我慢”ではなく“応援”として楽しむ文化を根づかせたいという狙いがある。環境省は「見た目重視より持続性重視」とのメッセージを掲げ、消費者が商品選択を通じて生産者を応援する行動を後押しする。
SNSを通じた共創型の発信も特徴で、あふの環プロジェクトの公式Instagramでは参加企業の取り組みを随時紹介。プロジェクト担当者は「誰もが気軽にサステナブルを“自分ごと化”できる機会にしたい」としている。
国際発信へ広がる動き
また、同プロジェクトの「サステナアワード2025」では、国内外に発信する優秀動画を募集中。受賞作品は国際会議の場でも紹介される予定で、日本の食と環境をつなぐ活動を世界に広める意図がある。
サステナウィークは、消費行動の変化を通じて「持続可能な社会を支えるファンづくり」を目指す。環境省は「この2週間が、未来のための選択を考えるきっかけになれば」としている。