
横浜発のクラフトチョコレート専門店「バニラビーンズ みなとみらい本店」が、環境に配慮した「食べられるスプーン」を導入する。フードロス削減につながる取り組みとして注目される。
サステナブルスプーン導入の背景と目的
チョコレートデザイン株式会社が運営する「バニラビーンズ みなとみらい本店」は、2025年3月20日より「バニラビーンズ ソフトクリーム」の販売を再開する。これに伴い、従来のプラスチック製スプーンに代わる、食べられる「サステナブルスプーン」を導入することを発表した。
このスプーンは、チョコレートの製造過程で生じる副産物のココアパウダーを配合して作られており、クッキーのような食感を持つ。環境負荷の低減を目的としており、フードロスやゴミの削減に寄与する。
他社と差別化するバニラビーンズの独自戦略
同社は、「食べられるスプーン」の導入にあたり、株式会社勤労食と協力し、食用スプーン「PACOON(パクーン)」の技術を活用した。ソフトクリームに適した形状と耐水性を備え、最後まで美味しく食べられる仕様となっている。
さらに、同社はこれまでも「カカオハスクの森のタンブラー」や「カカオハスクのお香」など、チョコレート製造の副産物を活用した商品を開発しており、サステナブルな取り組みを積極的に推進している。
環境と社会に配慮した経営哲学
「バニラビーンズ」は、「チョコレートで、つながろう。」をブランドメッセージに掲げ、フェアトレードチョコレートの使用やカカオ生産地への支援活動を続けている。2007年からフェアトレードチョコレートを採用し、ガーナに小中一貫校を建設するなど、社会貢献活動にも積極的だ。
また、エクアドル共和国でのカカオの植樹活動や栽培支援プロジェクトも推進しており、環境問題と社会問題の双方に取り組む姿勢がうかがえる。
バニラビーンズから学ぶサステナブル経営
「バニラビーンズ」の取り組みは、食品業界におけるサステナビリティの重要性を示している。食の製造工程で発生する副産物を無駄にせず、新たな価値を生み出すアップサイクルの発想は、多くの企業にとって参考になるだろう。
また、環境への配慮だけでなく、カカオ生産者や地域社会への貢献を重視する姿勢は、企業活動が社会全体とどのように結びつくかを考えるうえで重要な視点を提供する。