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法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

株式会社アメディア

https://www.amedia.co.jp/index.html

東京都練馬区豊玉上1-15-6 第10秋山ビル1階

目が見えなくても安心して歩ける、ナビレク・バリアフリーマップ

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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株式会社アメディア 代表 望月 優さん(画像提供:アメディア)

街で目の不自由な方を見かけて声を掛けようかと迷ったことはありませんか?そうした優しさと思いやりは誰かの日常を明るくする力があり、「ナビレク・バリアフリーマップ」は全国の必要としている方へ支援の手を差し伸べています。

アメディアでは、2019年から「ナビレク・バリアフリーマップ」を配備する活動を開始し、SDGs期限の2030年までに日本全国どこにでも視覚障害者が一人で行ける環境作りを目指しています。

目が見えなくても歩ける理由

目が見えない人が、どのように目的地まで歩いているかご存じでしょうか?実は、目が見えない人は、目的地までの地図を暗記して歩いています。そして歩いている最中、覚えている地図と、今自分がいる場所のイメージが合わなくなると、「道に迷ったな」と思います。

でも実際は、自分が知っている場所と10メートルしか離れていないこともあります。見えないから、10メートルの違いでも迷ってしまうのです。

駅で声を掛けたとき、エレベーターやエスカレーターに案内しようとする方が多いのですが、本人が階段で行きたいと言ったなら、階段に案内する必要があります。それは、体が楽か大変かではなく、自分の知っている経路で歩きたいからなのです。

本人の希望とは異なる経路で道案内をしてしまうことで、あなたと別れた後、目の不自由な人は道が判らなくなってしまいます。

道を暗記する方法

目の不自由な人は、最初は誰かと一緒に歩いて道を覚えます。1度だけでは覚えられないことが多いので、何度か人と歩きます。1度だけのうろ覚えでも、人に尋ねながら歩いていく、勇気のある人もいます。目的地が個人宅の場合には、そのお宅に電話して、行き方を詳細に尋ねてメモして出かけることもあります。

いずれにしても、街を歩いている視覚障害者は、自分が覚えているメンタルマップに沿って歩いているため、メンタル上の地図が崩れると、迷った状態になります。

暗記する方法を提供する地図

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「ナビレク」使用風景(画像提供:アメディア)

そこで、目の不自由な方々が道を暗記するのに役立つようにと作られたサービスが「ナビレク・バリアフリーマップ」です。アメディアナビ広場に公開されている言葉で表現したバリアフリーマップ地図で、2023年10月現在、日本全国で4300経路以上の地図が公開されています。

目の不自由な人は、この地図を音声出力できるウェブブラウザまたは、スマホ用アプリ「ナビレク」と「ナビレクLite」のいずれかを使って音声で聞いて、暗記することができます。

また、iOS用アプリ「ナビレク」と、Android用アプリ「ナビレクLite」は、ルートを覚えるための音声再生機能だけでなく、ナビレク・バリアフリーマップを使ったGPSに連動した道案内もサポートしています。

向かう方向にスマホを向けると振動する機能があり、振動をフォローする方法を使うと、方向を間違えることなく目的地にたどり着くことができます。また、経路上にいることを示す効果音が定期的に鳴る機能もあり、これらを理解して使えば、「近くにいるのに迷った」という状態はなくなります。

システムを開発するアメディア

株式会社アメディアは、2016年9月にナビレクの前身である「ナビレコ」をアップストアに公開しました。その後、2018年12月にバリアフリーマップ作成ソフト「ナビエディット」を開発し、バリアフリーマップ公開サイト「アメディア・ナビ広場」を立ち上げて、現在の形を確立しました。

システム構成は次の通りです。
1. 目の見える人がナビレク・バリアフリーマップ作成ソフト「ナビエディット」でマップを作成します。
2. 作成後、公開サイト「アメディア・ナビ広場」にアップロードします。
3. マップ利用者が「ナビレク」または「ナビレク Lite」を使って、必要なバリアフリーマップをダウンロードします。
4. 利用者は、再生で地図を確認し、案内でナビゲーションを受けることができます。

現在、利用者の大半は視覚障害者ですが、アメディアでは、目の見える人でも、スマホの画面に集中することなく、周囲の景色を楽しみながら歩けるツールとして利用価値があると考えています。
公開のバリアフリーマップの利用は、これまですべて無料で実施しています。バリアフリーマップ作成ソフト「ナビエディット」も、無料で公開しており、アメディアのスタッフとともに、高校生や大学生を中心とした多くの若いボランティアの皆さんも公開マップの作成に大きく貢献しています。
また、アメディアでは、「ナビレク・バリアフリーマップ作成セミナー」を定期的に実施して、作成ボランティアを要請しています。

個人用マップのニーズ

目の不自由な方の場合、自宅を起点とした地図を求めるケースも多々あります。就職が決まったときの通勤経路や、入学が決まったときの通学経路、引っ越し直後に最寄りの駅やバス停から自宅までの経路などです。
しかし、個人の自宅から出発する経路や個人宅に戻る経路は、公開サイトで広く一般に公開するわけには行きません。そこで、アメディアでは、個人向けのナビレク・バリアフリーマップ作成サービスで有料の非公開マップとして、注文者に直接提供しています。

個別避難計画と避難所までの地図

昨今、災害時に備えて自宅から避難所までの経路マップを参考にして、事前の備えとして避難所まで行く練習をしておくといったニーズが上がっています。各自治体には、災害時に支援を必要とする人達の「個別避難計画」を作成する努力義務があり、多くの自治体で取り組みを始めています。

個別避難計画では、当然のことながら、避難所に行くための地図があることが前提となっています。しかし、視覚障害者には、本人が理解できる地図が提供されません。そこでアメディアでは、自宅から避難所までの個人向けナビレク・バリアフリーマップを視覚障害者の個別避難計画の一部に組み込んで頂くべく、各自治体と、視覚障害者コミュニティーの両方に対してその必要性をお伝えする活動を始めました。

さらに、バリアフリーマップが言葉で表現している経路を触って判る浮き出しの点図で表す技術も確立しています。視覚障害者は、事前に避難所まで行く練習を本人が納得いくまで繰り返さない限り、一人で避難所に移動することはできません。繰り返し歩行練習するツールとして、ナビレクとナビレク・バリアフリーマップ、そしてその点図の組み合わせは最強です。

災害時には、支援者として決められた人が自宅まで迎えに来てくれることにはなっていますが、支援者とて同じ災害を被っている人であり、来られないこともあり得ます。そんなとき、自分一人で行くという選択肢があるとないとでは大変な違いです。

また、途中まで行けるのなら、支援者と場所を決めて落ち合うことも可能になります。そのため、ナビレク・バリアフリーマップを視覚障害者用の避難マップとして作成することも、一つの大きな社会貢献と位置づけています。

公開マップの収入源

公開のバリアフリーマップは、利用者には無料で使える形を当初から継続しています。視覚障害者にとっては、ナビレク・バリアフリーマップが公開の電子的道路の役割を果たしているからです。このシステムを継続するために、各マップページに広告表示枠を設け、「SDGsパートナー」として協賛を求めています。
また、公的期間に対しては、公費でのナビレク・バリアフリーマップの作成・配備を促しています。

今後の展望

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ナビレク バリアフリーマップ(画像提供:アメディア)

アメディアでは、2019年からナビレク・バリアフリーマップを配備する活動を開始し、視覚障害者からの具体的なリクエストに応じることを軸にして、現在までに日本全国で4300以上のマップを配備してきました。
また、「バリアフリーエリア」のサンプルとして、練馬・桜台・新桜台・氷川台地域、中野駅・高円寺駅・新高円寺駅・新中野駅地域、吉祥寺・武蔵野地域には、ナビレクマップを集中的に配備しています。
現在、「バリアフリーエリア」開拓を支援して頂けるSDGsパートナーを募集しています。現時点の配備のスピードでは2030年までの全国配備が間に合いませんので、今後は、視覚障害者自身も関与できる方法を取り入れて、より効率的な仕組みを開発して、必要度の高い順からマップの配備を促進します。

◎会社概要
会社名:株式会社アメディア
URL:https://www.amedia.co.jp/
https://navirec.amedia.co.jp/
代表者:望月 優 (もちづき ゆう)
設立:1989年2月
資本金:7800万円
従業員数:15名
事業内容
音声読書機の開発・販売
バリアフリーマップ作成・配備

◎執筆者プロフィール
望月 優
1958年静岡生まれ。幼少時に失明。
1987年に国立職業リハビリテーションセンター電子計算機課に入所。コンピュータープログラミングを学ぶ。
1989年2月、株式会社アメディアを設立し、視覚障害者へのパソコンやソフトウェアの販売事業を開始。
2003年に音声拡大読書機「よむべえ」を開発。現在も会社の主力製品。
2016年に歩行支援ナビアプリ発売。
2022年にソーシャルファーム事業所を設立し、歩行支援アプリで使うバリアフリーマップ配備事業を開始。
ほか、社会活動として、東京中小企業家同友会で障害者雇用促進活動に参加。

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