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日本山村硝子、尼崎市全小学校でペットボトルキャップ回収を開始 地域と創る「水平リサイクル」の新潮流

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日本山村硝子、尼崎市全小学校でペットボトルキャップ回収を開始 地域と創る「水平リサイクル」の新潮流
提供:日本山村硝子株式会社

プラスチック資源の循環を加速させる鍵は、地域社会の結節点である「小学校」にあった。日本山村硝子が尼崎市と連携して進めるキャップ回収は、単なる美化活動ではない。製品設計から再利用までを統合し、素材を価値ある資源へと回帰させる「高度な循環型経済」の社会実装である。

 

日本山村硝子が尼崎市と連携。全41校の小学校へキャップ回収BOX設置を完了

兵庫県尼崎市に本社を構える日本山村硝子株式会社は、市当局と足並みを揃え、市内全41校の小学校へのペットボトルキャップ回収BOXの設置を完了させた。同社は2025年10月より市のごみ減量政策担当と共同で本プロジェクトを推進。これまでも市民まつりなどのイベントを通じて啓発活動を重ねてきたが、今回の全校設置により、地域に根ざした日常的な回収インフラがいよいよ完成したことになる。ここで回収されるキャップは、同社が主導するプラスチックリサイクルプロジェクト「RIN」を通じて、再びキャップや新たな価値を持つ製品へと再生される仕組みだ。

他社のリサイクル活動と何が違うのか。日本山村硝子が描く「水平リサイクル」の独自性

本取り組みの特筆すべき点は、同社が国内最大手のガラスびんメーカーでありながら、その知見をプラスチックの「出口戦略」へ転換している点にある。一般的なリサイクル活動の多くは、回収した素材を安価なパレットやベンチへ加工する、いわゆる「ダウンサイクル」に留まりがちだ。しかし、同社のプロジェクト「RIN」は、製品設計の段階から関与することで、再び同等の価値を持つ製品へと戻す「水平リサイクル」を明確に志向している。単なる啓発活動に終執せず、教育現場という次世代の生活動線に回収拠点を組み込んだことは、自治体との深い信頼関係と、物流網を熟知した専門企業の設計が結実した結果と言える。

びんtoびんの哲学をプラスチックへ。プロジェクト「RIN」が目指す循環型社会の理想

 

この活動の根底を支えているのは、同社が長年培ってきた「びんtoびん」という、素材を無限に循環させ続ける思想である。回収して溶かせば再び新品の容器へと生まれ変わるガラスびんの知恵を、現代の喫緊の課題であるプラスチックにも適用できないか。この問いこそがプロジェクト「RIN」の出発点となった。同社は、単なる廃棄物処理としてのリサイクルではなく、回収から再生、再利用に至る一連の流れをデザインし直すことを掲げている。「キャップをごみではなく資源として定義し直す」という関係者の言葉通り、小学校を拠点とすることで、資源循環が日常の当たり前となる社会の実現を真摯に見据えている。

サステナブル経営の先進事例。日本山村硝子の取り組みからビジネスパーソンが学ぶべき視点

日本山村硝子の足跡から学ぶべきは、自社の本業で培ったコアコンピタンスを、異領域の課題解決へと接続させる柔軟な知見の活用である。まず注目すべきは、製造という「動脈」の視点だけでなく、回収という「静脈」の物流を自治体と共にデザインした点だ。ESG投資への関心が加速する昨今、次世代への教育を事業プロセスに直接組み込む手法は、長期的なブランド価値の向上と、質の高い資源確保を両立させる合理的な戦略といえる。さらに、自社完結にこだわらず、地域の公的機関と深く繋がることで、参入障壁の高い「地域インフラとしてのリサイクル」を確立した意義は大きい。一企業の枠を越え、都市そのものを巨大な循環の環と捉える視点こそが、真のサーキュラーエコノミーを実現するための力強い一歩となる。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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