「サステナビリティレポートって何?」
「どのように作ればいいの?」
本記事では、このような疑問や悩みにお答えします。
近年のESG投資への関心の高まりに伴い、企業に対してサステナビリティ情報の開示を求める声が増えています。
サステナビリティレポートは、ステークホルダーに企業のサステナビリティへの取り組みを伝える重要なものです。
ですが、作成手順ごとの注意事項を把握しないまま作成してしまうと、制作者の意図が伝わらず意味のないものになりかねません。
そこで、本記事では以下の内容について解説していきます。
・サステナビリティレポートとは何か
・サステナビリティレポートの作成方法
・国内企業のサステナビリティレポート事例
サステナビリティレポートとは何か、他の報告書との違いを理解した上で、ステークホルダーに製作者の意図を正しく伝えるポイントもあわせて紹介します!
ぜひ、本記事を参考に、サステナビリティレポートの作成にお役立てください。
サステナビリティレポートとは
サステナビリティレポートとは、持続可能な社会を実現するために行っている企業の取り組みをまとめて紹介する書類です。
内容や構成は企業ごとに異なりますが、サステナビリティレポートの作成に適したガイドライン(GRIスタンダードなど)に基づいて情報の開示を行います。
サステナビリティレポートに作成義務はありませんが、「ステークホルダーに対して、現在行っている活動などを報告して、将来の企業が目指す方向を明確に提示できる」というメリットから作成する企業が増加しています。
他のSDGs関連のレポートとの違い
サステナビリティ関連の資料にはさまざまなものがあります。
作成する目的によって、他の報告書やレポートが適している場合もあるでしょう。
ここでは、代表的な「統合報告書」「CSRレポート」「ESGレポート」の違いを解説します。
統合報告書との違い
統合報告書とは、自社の「財務情報(貸借対照表、損益計算書など)」と「非財務情報(ESG情報、中長期経営戦略など)」を統合して、株主・投資家・ステークホルダーに対して情報開示するレポートです。
「財務情報を含んでいる」という点で大きく異なります。
サステナビリティレポートには、財務情報を含まないことがほとんどです。
総合的な投資判断をするための資料にもなるため、サステナビリティレポートとは発信する目的や使用される用途も違います。
統合報告書については、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
CSRレポートとの違い
CSRレポートとは、企業の社会的責任における取り組みをまとめた書類です。
大きく異なるのは「作成するときの視点」です。
サステナビリティレポートは、社会から見た企業の取り組みを報告するものであるのに対し、CSRレポートでは、企業側からの視点で成果を報告しています。
どちらの目線で企業活動を報告したいのかによって、使い分けるといいでしょう。
ESGレポートとの違い
ESGレポートとは、企業における「Enviroment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)」に関連した情報をまとめた書類です。
サステナビリティレポートと近しいものではありますが、「焦点を当てる分野の広さ」という点で異なります。
サステナビリティレポートでは、ESGの分野に限らず、さまざまな視点からサステナビリティ面での企業の取り組みを伝えます。
レポートでどの部分に言及したいのかを判断してから、どちらを作成するか決めるとよいでしょう。
ただし、サステナビリティレポートをESGの視点から記載しているものも多いため、同様のものとして述べられている場合もあります。
サステナビリティレポートを作成する手順
サステナビリティレポートの手順を飛ばして作ると、形だけのものとなり製作者の意図が伝わらないものになる可能性があります。
手順をしっかりと踏み、ステークホルダーの満足度が高められるレポートの作成をすることが重要です。
作成手順1:目的・目標を設定する
まずは、作成する目的や目標を設定しましょう。
目的や目標が曖昧なまま進めてしまうと、「企業として伝えたいことが伝わらなかった」「ステークホルダーから不満が集まり、反対に離れていってしまった」といった作成する意味がなくなる事態になりかねません。
以下のような作成の参考になる情報を集め、サステナビリティレポートをどのような目的・目標をもったものにするか決定しましょう。
- 何を伝えたいのか(メインテーマは何か)
- どのような人が対象になるのか
- どのようなデータが求められているのか
- 見た人にどう思われたいのか
このような目安があることで、自社のサステナビリティレポートにとってどのような情報が必要か判断できます。
また、途中でメインテーマが変わりそうになってしまった場合でも、伝えたい内容がブレることなく進められます。
作成手順2:公開までのスケジュールを立てる
目標や目的の設定が完了した後は、中間地点などで細かく区切りながら公開までのスケジュールを立てる必要があります。
スケジュールなしでレポートの作成に移ると、どの時点までに何を終わらせるのかが定まらず、作成の見通しが立たない可能性が高いです。
さらに、スケジュールを立てることで、必要な人員・予算を算出しやすくなります。
また、スケジュールには余裕を持たせておくことも重要です。
レポート作成にかかる期間は半年程度とされていますが、集めるデータの量や記載する項目の数によっては、それ以上の期間が必要な場合もあります。
多くの企業のサステナビリティレポートが、株主総会が行われる6月ごろ、または、上半期が終了した7〜9月に公開されます。
特に公開時期にこだわりがない場合であれば、6月〜9月の間に公開できるように逆算してスケジューリングしておくと良いでしょう。
作成手順3:ガイドラインを元に必要なデータを収集する
目的・目標と公開までのスケジュールが決定したら、サステナビリティレポートに必要なデータをガイドラインに沿って集めましょう。
以下のようなガイドラインが基準となります。
GRIスタンダード | GRIが提供する、組織が社会などに与える影響を報告し、サステナビリティへの貢献度合いを説明するための基準です。 多くの企業でサステナビリティレポートを作成する際に使用されています。 |
環境報告ガイドライン | 環境省が提供している、経営戦略の中で環境課題への取り組みを報告するときのガイドラインです。 「本文」「詳細解説」「参考資料」の3つで構成されており、自社のレポートに合わせてどのガイドラインを使用するか選べます。 |
社会的責任に関する手引き | 国際標準化機構が提供している、持続可能な開発に貢献することを目的とした社会的責任に関して定めたガイドラインです。 企業の規模の大小、民間・公的・非営利などを問わず、幅広い組織において基準となるように作成されています。 |
1つのガイドラインだけでなく、複数のガイドラインを併用して使う場合もあります。
また、ガイドラインに記載されている内容のみでは、企業としてステークホルダーに伝えたい内容が網羅できない可能性もあるでしょう。
そのため、自社のアピールポイントに関連したデータも集めておく必要があります。
作成手順4:サステナビリティレポートを作成・発行し、社内外に発信する
サステナビリティレポートの発行にあたって、第三者保証を受けることでレポートとしての信頼度が増し、ステークホルダーからの評価を高める可能性があります。
ただし、第三者保証を受けることは義務でないため、企業の判断に任せられています。
また、発行した後に、従業員の意識の変化や投資家の動向といった、ステークホルダーからの反響を確認することも重要です。
「どのような点が高く評価されたのか」または「どのような点が不足しており思った反応が得られなかったのか」といった分析を行えるので、次回のレポート作成時に役立てられます。
国内企業のサステナビリティレポート作成例5選
サステナビリティレポートを作成する際には、すでに他の企業が発行しているものが参考になります。
自社のサステナビリティレポート作成の前に、どのような形で発表しているのか確認しましょう。
1.ファーストリテイリング
「ユニクロ」や「GU」などを運営するファーストリテイリングは、公式サイトにおいてサステナビリティレポートを公開しています。
サステナビリティのある社会を実現する活動が取り上げられており、服を用いて日本だけでなく世界全体に影響を与えていく姿勢が伺えます。
データを用いた情報だけでなく、話題の人物とのインタビューなども盛り込んでおり、独自性のある内容になっています。
2.ダイキングループ
ダイキングループでは、2022年版までWebサイトと冊子で分けていましたが、2023年度からはPDF形式に統合しました。
統合報告書の内容を補完するレポートとなっており、ESGに関する情報について詳細に記述しています。
中長期目的に対する現状の実績が載せられており、現実と理想のギャップが一目見て伝わる形になっています。
3.日本マクドナルド
日本マクドナルドも持続可能な社会に向けた取り組みをサステナビリティレポートとして公表しています。
2020年までCSRレポートとしていましたが、2021年分より「サステナビリティレポート」と名称変更されました。
1つのテーマごとに1ページで簡潔に記載されています。
4.富士フイルムホールディングス
富士フイルムホールディングスは、2030年に向けた中長期目標「SVP2030」を掲げています。
この目標を達成するために年度ごとの目標を設定しており、サステナビリティレポートでは実績とともに達成度合いを確認できます。
投資家だけでなく従業員などの幅広いステークホルダーにとって、それぞれの貢献が目に見える形になっており、報告形式に悩んでいる方の参考にもなるでしょう。
5.サントリーグループ
サントリーは、企業理念として「水と生きる」を掲げています。その理念が伝わるように、環境に関する分野の紹介から開始されており、写真とともに水に関わる活動が多数伝えられています。
「目標とその進捗→具体的な取り組みの特集」という順番で記載されているため、達成するためにどのような対策を行ったのかが明確です。
サステナビリティレポートの作成支援サービスについて
昨今の流れとして、ステークホルダーに対し企業の経営に関する発信が求められるようになってきています。
サステナビリティレポートに関しても、上場企業だけでなくさまざまな企業で作成する必要が出てくると予想されます。
しかし、中には作成までの道筋が見えずお悩みの方もいるでしょう。
弊社では、お客様に代わりサステナビリティレポートを作成するサービスを提供しています。
作成のみに限らず、メディアでのPRも可能です。「情報発信に自信がない」「企業としての認知度に不安がある」といった場合でも安心して依頼いただけます。
まとめ
本記事では、サステナビリティレポートの概要、作成方法、他企業の作成事例を解説しました。
読み進めることで、サステナビリティレポートの重要性とともに、作成までのステップが理解できたのではないでしょうか。
サステナビリティレポートを通じて、ステークホルダーが求める情報を届け、満足度を高めていきましょう。本記事がサステナビリティレポートに興味を持つきっかけになれば幸いです。
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