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大塚実業株式会社

https://www.ohtsuka-jitsugyo.com/

〒326-0338 栃木県足利市福居町1745-1

お客様のニーズに応える新技術を共同開発、50年を超える共創のパートナー

ステークホルダーVOICE 取引先
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原糸製造会社B社のHP
創業120年の繊維ロープ・原糸製造会社B社のHP

大塚実業株式会社(以下、大塚実業)と50年以上の取引のある老舗製糸・ロープメーカーB社は、ロープの生産量全国シェア4割以上を占める愛知県・蒲郡市で、120年以上にわたりロープを製造し続けている。

漁業用ロープの生産から創業した同社は、時代の変遷とともに新分野を開拓し、ロープの原料である原糸の製造も手掛けるように。

近年は、ロープ以外の用途に使われる糸の製造に注力し、モノフィラメントの総合メーカーとしての地位を確立した。

大塚実業が手がけるフィルターに合った素材の共同開発や、発注から出荷までの過程で、常々「親身に相談にのってくれる」と感謝を口にするB社代表取締役M社長と営業担当Uさんに、両社の関係性と今後の展望について伺った

創業120年超、老舗ロープメーカー長寿の秘訣

はじめに御社の事業概要をお聞かせいただけますか?

M社長

全国シェアの4割以上を占めるロープの産地・愛知県蒲郡(がまごおり)市で、1900年の創業以来120年以上にわたり繊維ロープを製造してきました。

水産、船舶、建設、物流、農業、レジャーと、様々な用途のロープを製造しております。昭和30年代頃からは、自社で「モノフィラメント原糸(げんし)」の製造も開始しました。

自社で製造するロープの原料用に原糸を作ったことを機に、原糸の開発研究に取り組み、今ではフィルターを製造される大塚実業さんをはじめ、農業ネット、陸上ネットなどを製造される
製網メーカーさんにも原糸を販売しています。

モノフィラメント原糸の持つ強さ、しなやかさ、真円性、透明性を追究してきた結果、モノフィラメント原糸の総合メーカーとしても信頼していただけるようになりました。

ロープの製造事業・加工事業、原糸を製造する紡糸製造事業以外にも、医療機器組立や多種多様のワイヤーハーネス加工を行う電子事業部もあります。

ここでは、蒲郡市内にある眼科の医療機器メーカーの外注業務を主に行っております。

ロープ製造会社がひしめく蒲郡市で、120年にわたり存続し、発展してこられた理由は、どこにあるのでしょうか?

M社長

創業当初は大手の下請けの仕事を受注していましたが、自社でも販売するようになり、生産を拡大していきました。当初は専ら、漁業者が使用する水産用のロープを製造していました。

ところが時代とともに漁業が衰退してくるにつれ、水産用だけでなく、陸上の建設資材用ロープ、輸送用ロープなど、幅広い分野の様々な用途のロープを製造するようになりました。

さらには、ロープの原料になる
原糸の製造も開始し、ポリエチレンやポリプロピレン製の原糸を同業者のロープメーカーや製網メーカーさん、大塚実業さんのようなフィルターメーカーさんなどに販売するようになりました。

このように、時代の流れとともに新たな分野や製品を切り拓いてきたことが、120年続けてこられた要因だと自負しています。

雇用創出や地球環境保護に関する活動など、ステークホルダーに対する企業の責任も意識的に実践されています。具体的な取り組みをいくつかお聞かせください。

M社長

弊社では、パートタイムも含め、18歳から75歳までの従業員を幅広く採用しています。ロープの加工工程は、一部機械化しているものの、人の手に依る部分が大きいです。

幸い蒲郡市は漁業の街ということもあり、元漁師でロープの加工に習熟した方々がたくさんいらっしゃいます。適材適所で、地域の属性を生かし、様々な年齢の方々が、それぞれの能力を発揮して働いておられます。

また、当社の事業活動が
地球環境に与える影響を的確に捉えたうえで、グリーン調達の推進、環境への負荷を低減した環境配慮型製品の開発・製造、設備の省電力化やこまめな電力切断などの取り組みを進めています。

1997年からは、ペットボトルの再生糸生産も開始し、PETボトルリサイクル推奨マークを取得しました。

社会貢献活動に関しては、大塚実業の大塚雅之代表取締役社長が海外で取り組まれている様々な活動にも刺激を受けています。

当社はベトナムに協力工場があり、そちらに赴くことも多いので、海外事情の情報交換をすることもありますね。

オリジナル製品を共同開発、環境変化を乗り越える共創関係を支えるもの

オーダーメイドのモノフィラメント原糸を製造
オーダーメイドのモノフィラメント原糸を製造

大塚実業さんとは、お客様・取引先という関係性を超えたところでも情報交換されているのですね。それでは、大塚実業の代表取締役社長大塚雅之さんからお預かりしたメッセージをご紹介します。

大塚実業株式会社代表取締役社長大塚雅之さんからB社さんへ

  • 大塚実業株式会社さん
  • B社M社長

B社さんは糸の供給をしてもらっている取引先です。先代の時代から非常に長くお付き合いいただいています。

オーダーメイドの
原糸の開発だけでなく、在庫からの供給も含めて納期に関しても柔軟に対応してくださいますので非常に感謝しています。

また、ここ数年、社長さまと海外の情報など含めて色々なお話ができているので、弊社が次の一手を考える際の助けにもなってくださっています。


困った時に親身に対応してくださり、共に意見交換しながら開発することができる。すごく相談しやすい存在です!

このようなメッセージをいただいております。

M社長

お客様である大塚実業さんからこのように評価していただいて、本当にありがたく思います。大塚実業さんは、1973年に創業されて、当社とは創業当初から50年近くお付き合いいただいております。

M社長
M社長
M社長

当社のモノフィラメント原糸は、汎用品はほとんどありません。お客様と一緒になってオリジナルの原糸製造を行います。

大塚実業さんも、それぞれの用途やお客様に合わせたオーダーメイドのフィルターを得意とされています。ですから、それらのフィルターに合う素材や性質の原糸を、打ち合わせしながら協力して開発・製造させていただいております。

大塚実業の石原さんからも、メッセージをいただいています。

大塚実業株式会社石原さんからB社さんへ

  • 石原さん
  • B社営業担当Uさん

B社さんはとても親身に相談にのってくださいます。新製品開発の相談をすると様々なアイデアを出してくれます。

また、営業担当のUさんは、明るく気さくな方で、遠方からの移動もいとわず打ち合わせに来てくださるのでフットワークも軽く、すごく助かっています。

営業担当のUさん、メッセージをお聞きして、どうお感じになられましたか?

営業担当U

本当に、このようなお言葉をいただいてありがたいです。「フットワークも軽く」と言っていただきましたが、石原さんも毎回打ち合わせに時間を割いてくださって、親身に相談にのってくださいます。大塚実業さんとの長い歴史の中で、私も一担当として従事せていただき光栄です。

営業担当Uさん
営業担当Uさん
営業担当U

時代とともに弊社の製造状況も変化していますので、ときにはこちらからお願いしなくてはならないことも出てきますが、そのような要望事項を相談させていただくと、石原さんは真摯に耳を傾けてくださり、できる限り叶えようとしてくださいます。

お客様の立場で一方的にという姿勢ではなく、取引先である弊社の要望も受け取ってくださるので、私としても大変仕事がしやすく、ありがたく感じております。

相互にできること、できないこと、いろいろとありますが、都度コミュニケーションをとりながらすり合わせをさせていただいております。

ご注文いただいてから出荷まで、少なくとも週に1回、多い時期は2日に1回くらいのペースで、お電話やFAXでやりとりしています。

また、石原さんのほうで適時にとりまとめて早めに発注してくださいますので、弊社としても仕事の組み立てがしやすく、大変助かっています。

石原さんからは、「商品開発に悩んでいるようなとき、相談したい相手としてぱっと浮かぶのが営業担当Uさん。いろいろなアイデアを一緒に考えてくださるので、助かっています。お人柄もあると思うのですが、勉強もされているのでしょう」とのお言葉もお預かりしています。

Uさんが、顧客との向き合い方で意識されていることはありますか?

営業担当U

嬉しいお言葉をありがとうございます。

私は実は、モノフィラメントに携わってそう長いわけではありません。ですから、まだまだ勉強中といったところです。

逆に、石原さんから用途をお聞きして、調べたり上司に相談したりする過程で私自身も知識を深めることができ、本当に成長させていただいています。

大塚実業さん向けに
製造させて頂いている原糸は、品目も多く、種類も多いです。それぞれの原糸ごとに悩みや課題が出てくるのだと思います。

石原さんからそういったお悩みをご相談いただくごとに、私も一緒に考えてレベルアップすることができています。

用途をお聞きすると、いつもフランクに教えてくださるので、そのようなところから想像できるアイデアも多々あります。本当にありがたい存在です。

オンリーワンの技術力の可能性を最大限に引き出してくれる唯一の存在

それでは、M社長にとって大塚実業さんはどのような存在なのでしょう?

M社長

弊社は冒頭でお話したモノフィラメント原糸を大塚実業様にご提供しています。モノフィラメント原糸とは、化学繊維のフィラメント1本から成る原料用の糸のこと。

モノフィラメントメーカーは全国に何社かありますが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルの4種類のモノフィラメントを製造しているのは弊社を含め、希少な存在だと自負しております。

大塚実業さんは、これら4種類のモノフィラメントを全て使ってくださる唯一の大変貴重なお客様です。

また、大塚社長は、本業はさることながら、世界中で困っている子どもたちを支援するボランティア活動にも積極的に取り組んでおられます。

足利の新工場を見学する中で、海外における支援活動の写真を拝見して、社会貢献されている姿勢が人として素晴らしいと感じました。

海外の状況などについて情報交換させていただく中でも、そのような活動のお話を聞かせていただいて、感心しております。

新たなマーケットの共創へ、今後の課題と展望

創業120年超の歴史と絆が未来を紡ぐ
創業120年超の歴史と絆が未来を紡ぐ

最後に、今後大塚実業さんとの関係をどのように発展させていきたいとお考えですか?

営業担当U

今後とも密なコミュニケーションを継続していきたいです。時節柄、往来が難しい面はありますが、引き続きこまめにやりとりさせていただければと思います。

ご多忙なスケジュールの合間をぬって私に時間をさいてくださることが、大変ありがたたく、感謝しております。大塚実業様を通じ会社として、また個人としても、さらにレベルアップしてマーケット開拓に協働したいと思っております。

M社長

大塚実業さんは、2020年に足利に新工場を竣工され、今後生産を増やしていかれることでしょう。我々としても、注力事業である原糸の販売を増やしていきたいと考えています。

モノフィラメントの生産能力には、まだまだ余力があります。現状は先ほどご紹介した4種類の素材で生産しておりますが、これまで以上に大塚実業さんと協力して、新たな素材も開発していければと思います。

原糸
はあくまで原料であり、完成品を製造されるお客様と一緒になって原糸を開発できることは、大変心強いことです。

これからも、共に原糸を開発し、新しいフィルター生産に使用いただいて、お互いの生産量や販売量をアップしていければと期待しています。

ますます協働関係を深めていかれることと思います。本日はありがとうございました。

◎企業概要
創業:1900年(明治33年)6月1日
設立:1947年(昭和22年)7月31日
資本金:7,000万円
従業員数:115名(パート含む)
事業内容:繊維ロープ、モノフィラメント(紡糸)、電子機器の製造販売

ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

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