
「お客さまの笑顔のために」というミッションを掲げるLIXIL Advanced Showroom(以下、LAS)。
誰かを笑顔にするためには、まずは自分たちが笑顔でなければならない。そんな考えにもとづき、社員たちも笑顔ではたらき続けられる会社作りを追求している。
変化の激しい今、業界において求められる持続可能なはたらき方とは。代表取締役の鈴木浩之氏に伺った。
ショールームコーディネーターという仕事の価値
新たなテクノロジーが次々と世に現れ、社会も日々変わっていく現代、あらゆる業界において変化が求められている。
その中でLASは積極的に最先端の技術や新しい仕組みを取り入れ、お客さまの満足度、そして社員のはたらきやすさの向上を追求してきた。
しかし、これからますます変化やテクノロジーの進化や台頭は進み、今からは想像できないような社会になっていくだろう。
LAS、そしてショールームはどのように変化していくのだろうか。鈴木氏は、「人」が担うショールームの価値は揺るがないと語る。
「家は人生で最も大きな買い物だと言われます。実際、私たちが扱っているのは少なくとも数十万〜数百万円単位の商品。そんな大きな買い物だからこそ、ショールームで実物を見て説明や提案を受け、納得して選ぶというプロセスがとても大切です。ショールームコーディネーターという“人”を介するからこそ、大きな価値のある仕事なのです」(鈴木氏)
近年ネットショッピングでは、ユーザーの好みをAIが分析しておすすめ商品を表示することが一般的になっている。
しかし、AIなどのテクノロジーは、ショールームコーディネーターの仕事を取って代わることはできないと鈴木氏は考えている。
ショールームコーディネーターの役割は、テクノロジーのそれとは本質的に異なっているのだ。
ただ、そうした「人」によるサービスの価値を守るためには”安売りしないこと”が条件だという。そして、その実現のために必要なのが、デジタルを使いこなしてマルチタスクをこなせる人財育成だ。
多くの業界が採用に対して課題を抱えている今、LASも例外ではない。少数精鋭でお客さまのニーズにこたえながら、人ならではの価値を発揮できなければならないのだ。

社員のはたらき方に「本気」で向き合う
では、社員一人一人が自らの価値を発揮できる環境を作るためにはどうしたらよいのだろうか。
活躍できる環境は人だけでなく、地域や文化によっても異なる。だからこそ、画一的な制度ではなく、個別の事情に対応できる柔軟性が必要だ。
「どれだけ適応力を高め、多様なはたらき方に対応できる環境を作れるかが重要です。そのためには、社員の声に真剣に向き合う必要があります。口先だけの『改革』では意味がありません。そして同時に、時代や人に合わせて会社の変化に対応できる人財の育成も非常に重要です」(鈴木氏)
LASでは、コロナ禍より前にオンライン会議ツールの導入やカタログのデジタル化に取り掛かっている。また、現在はAIの活用を進めるなど、その時々の最先端のテクノロジーはすぐさま導入してきた。
さらに、ワークサポート休暇、時間単位有給休暇、早出勤制度など、社員の声を聞きながら必要とされている制度も次々と作ってきた。
変化が求められている時代とはいえ、ある程度の規模の組織となれば一朝一夕で変化することは容易ではない。
しかし、LASは非常に速いスピードで変化をし続けているのだ。それは、社員が活躍できる場を本気で整える姿勢があるからこそだろう。
とはいえ、すべての課題が解決されているわけではない。
ショールーム業務の特性上、土日出勤を避けられないため、家庭の事情で退職を選ばざるを得ない社員もいる。こうした現実に対しても、鈴木氏は真正面から向き合う覚悟を持っている。

人×テクノロジー。ショールームに求められること
こうして変化し続けるLASだが、鈴木氏はショールームが今後どのように変化していると見ているのだろうか。
「ショールームにおいては、来館による対面の体験の重要性がむしろ高まっていくと考えています。これからも、実物を見たいというニーズがゼロになることはないでしょう。非対面のオンラインでいろいろなことが完結していくようになっていくからこそ、ショールームに実際に足を運ぶというたった1回の体験が、さらに大切なものになるのです」(鈴木氏)
ただし、単純に「対面」の質を高めるだけでは不十分だと鈴木氏は語る。これからは人手不足が加速する時代。
そんな中で質の高い接客を維持するためには、デジタルやAIといったテクノロジーを取り入れ、オンラインと融合していくことが必須だという。
人にしかできない仕事の価値を高めながら、テクノロジーによって体験の価値を補完するのだ。
「私たちにしかできないのは、ヒアリングによってお客さまが気づいていないニーズを引き出し、新しい価値を提案すること。そこにこそ、私たちの使命があると思います」(鈴木氏)
社員との出会いに感謝し、幸せにはたらける会社を目指して
最後に、今後の展望について鈴木氏は次のように語った。
「『ワークライフバランス』という言葉はよく使われますが、私としてはバランスを取ってほしいというより、ワークもライフも全力で充実していて、どちらも笑顔でいられる人生を送ってほしい。仕事は人生の多くの時間を占めますから、仕事が幸せであることが、人生や日々の暮らしの幸せにもつながってほしいと思います。そして、数ある会社の中からLASを選んでくれた社員たちに『この選択は正しかった』と思ってもらえるよう、これからも挑戦を続けていきます」(鈴木氏)
取材を終えて:インタビュアーの所感
お客さま、社員の笑顔を追求するLAS。そのためには何が必要で、今できることは何かを常に考え、迷うことなく次々と挑戦している。
その中で社員たちにも変化や挑戦の文化が醸成されており、経営層、マネージャー、そして各ショールームのコーディネーターまで、はたらきやすい会社をみんなで作っていくという意識が浸透しているのだ。
これが、目まぐるしく変わる時代の中で“生き残る”のではなく、“成長し続ける”会社の一つのあり方なのだろう。これから3年、5年、10年…もっと先の未来、LASはどんな会社になっているのだろうか。
◎会社情報
会社名:株式会社 LIXIL Advanced Showroom
本社所在地:〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー7階
代表者:代表取締役社長 鈴木 浩之
設立日:2013年9月20日
資本金:1億円
事業内容:ショールーム施設等の運営管理