若者や企業の海外進出を支援しているグローバルパートナーズ株式会社は、国内屈指の「グローバル・セールス&マーケティング・カンパニー」として走り続けている企業です。
社内で活躍する多様なグローバル人材は「新たな価値の創造・提供」を目指し、世界に目を向けたビジネスを展開しています。
そんな社員たちが働く現場の先頭に立つのは、トライ&エラーを繰り返しながら数々の新規事業を軌道に乗せてきた若きリーダーです。
今回はグローバルパートナーズ株式会社の取締役、皆藤康治さんにお話を伺いました。
山本社長の誘いを受け、副統轄(GM)の肩書から一般社員へ
30代で取締役に上り詰めましたが、入社後の歩みは順風満帆だったのですか。
皆藤
山本康二社長に「鍛えてやる」と誘われ、副統轄(GM)の肩書があった光通信から一般社員として入社したのは2013年7月。
太陽光発電所の設置促進事業の法人営業を担当したのですが、全く売れませんでした。BtoBビジネスのノウハウなど全く知らなかったのに、「自分ならできる」と勘違いしていたわけです。
山本社長には「今のままで歳を取ったら、背中を丸めて歩く落ちぶれたサラリーマンになるぞ」とまで言われ、大きな挫折を味わいました。
ただ、そこで自分の考え方を180度変えることができたのが大きかったですね。
今度は投資家への個人営業で太陽光の事業に携わることになり、売電利益を細かくシミュレーションしたオリジナルの資料を作成して営業に回るようになりました。
山本社長が最も大切にしている「顧客目線」に徹した結果、個人で達成した粗利2000万円(取引高4億円)。
当時は、高収入を得ている社員の得意客がたくさんいたゴールドマン・サックス証券によく出入りしていましたよ。
セブ島、ドバイで事業を立ち上げ
皆藤
ところが、まだまだ挫折は続きます。
その後はフィリピンのセブ島、アラブ首長国連邦のドバイでの事業やYouTube動画の活用を絡めたSEO対策事業の立ち上げを任されたものの、なかなかうまくいかないことも本当に多かったですね。
日本企業の海外進出を支援したドバイ事業では現地に赴任し、菓子や化粧品、家具、畳、さらにはジオラマ、プリントシール機(プリクラ)と何でも売り込んだのですが、自分たちのマーケティング能力の低さを痛感しました。
ドバイ事業で一番記憶に残っているのは太陽光投資事業の立ち上げです。1000億のファンド組成で7億円損失を出しました。
そうした中、別の事業を考え直そうと立ち上げたのが、YouTube動画の活用を絡めたSEO対策事業です。
YouTubeの事業はうまく軌道にのることができ、続け様に新たな事業としてamazonプリントオンデマンド事業を立ち上げも行いました。
この1年間で、スタートアップの新規上場(IPO)を目指している若い経営者にぴったりついていくビジネスを展開しようという考えにたどり着きました。
会社を辞める必要性を感じない
さまざまな事業の立ち上げを任され、相当なプレッシャーもあったかと思います。会社を辞めようと考えたことはなかったのですか。
皆藤
ありませんでしたね。苦労はしましたが、それを楽しんでいたと思います。
山本社長の下でさまざまな事業に挑戦させてもらい、「自分たちが売り上げをつくらなければ」という思いで仕事に打ち込んできました。
逆に言えば、自分が立ち上げたビジネスがどんなにうまくいったとしても、会社を辞めて起業しようとは思いませんね。
なぜなら、グローバルパートナーズ(GP)は一人ひとりの社員がイントレプレナー(社内起業家)として能動的に働くことを求めている企業だから。わざわざ独立する必要など感じません。
もしも会社を辞めることがあるとしたら、信じてついてきた山本社長が自分と全く違うビジョンを掲げたときくらいではないかと思います。
社長を絶対的に崇拝、究極の「イエスマン」
なるほど。ご自身にとって、山本社長はどんな存在でしょうか。
皆藤
ビジネスについて右も左も分からない自分をかわいがってくれた「オヤジ」のような存在です。
本当によく面倒を見てもらい、仕事についていろいろなことを教わりました。だから、自分は山本社長を絶対的に崇拝しています。いわば究極の「イエスマン」ですよね。
ただ、なんでも「イエスマン」というわけではありません。yesがあるからチャンスを掴むことができると思っており、今後もそのスタンスは変わらないようにしていこうと思っています!
イエスを仮に言ってなかったら、多くの挑戦はできなかったと思いますし、こんな苦労もしなかったと思います。
最近は、いわゆる「Z世代」と呼ばれる若者や女性の社員が増えたこともあり、昔の山本社長を知る人は「丸くなった」と感じるかもしれません。
でも、「約束した数字を達成できなければ、多くのステークホルダーに迷惑が掛かってしまう」という山本社長の考え方は変わっていない。
丸くなったように見えるのは時代ごとの価値観に合わせて振る舞っているだけで、仕事に対する鋭さや厳しさの本質は何も変わっていないと思います。
自分たちで売り上げをつくろうとする仲間を増やす
山本社長の右腕として、GPが乗り越えるべき課題をどのように分析していますか。
皆藤
わが社は毎年、社員のスポーツ大会を開催しています。
それぞれのチームは一致団結し、競技のルールや戦略、メンバーの強みと弱みを理解・共有している。ライバルチームの様子も観察しながら戦っているのが印象的です。
でも、会社の仕事となると、なぜかそれができていない。
損益計算書や貸借対照表、会社法などのルールはもちろん、刻一刻と移り変わるマーケットや競合他社の状況を知らずして「自分は今、どう動くべきか」を考えられるはずもありません。
「仕事をさせられている」という感覚のままでイントレプレナーになどなれないのは当然だと思います。
これまでは山本社長のトップダウンについていけるかどうかが重要でしたが、これからは自分たちで売り上げをつくろうとする仲間を増やしたいですね。
組織に足りない部分はみんなで協力して補い、互いの能力を高め合える会社にしたいと考えています。
将来はIPOを目指したい
皆藤
5ヶ年計画でGPを100億円企業に成長させることです。それを達成できれば、年収1億円も叶えられるでしょう。
「100億円企業」というのは山本社長に指示されたのではなく、自分たちが言い出したことです。常に新しい事業を模索しながら、差別化できる商材をつくっていきたいと思います。
「100億円企業」になるためなら、ドバイでもアフリカでも、南米でも、どこに赴任しても構いません。どんな手段にもチャレンジするつもりです。
もちろん、ドバイ事業に重点を置くのは「ヒト・モノ・カネ」がそろわなければ困難ですが、グローバル事業は国内でもできます。
目標を達成した後のことはイメージしていないものの、やはりIPOは目指したいですね。ビジネスマンとして真価を問われるのはこれからだと思っているので、まだまだゆっくり寝てはいられません。
◎プロフィール
皆藤康治
グローバルパートナーズ株式会社 取締役。
ノリと勢いの営業で株式会社光通信でGM職まで昇りつめる。その後、600名以上の経営者を輩出してきたグローバルパートナーズ株式会社の山本社長と出会い、肩書も年収も捨て、ゼロから真の営業を学ぶために一般社員として入社。その後ドバイ、セブでの事業や動画を活用したSEO対策を経て取締役に就任。現在はamazonプリントオンデマンド事業、オウンドメディア開発、スタートアップ支援事業を立ち上げ中。