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錦町農産加工株式会社

https://nishiki-no-konnyaku.com/

〒740-0723山口県岩国市錦町府谷131

100年企業・錦町農産加工株式会社に理想の「峠の茶屋」を見る

ステークホルダーVOICE 地域社会
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「錦町農産加工株式会社は、松下幸之助さんが言う『峠の茶屋』のような存在です」。

1905年に山口県岩国市錦町で創業し、同地で100年以上の歴史を持つ錦町農産加工株式会社について、株式会社サンボレ代表取締役社長の小田修久さんはそう語ります。錦町農産加工の代表取締役の廣兼一昭さんは、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)の大久保秀夫会長(代表理事)に学び、現在はPICC広島支部設立準備委員会の委員長として奮闘しています。広島支部でともに活動するサンボレ小田さんに、錦町農産加工さんとはどのような存在なのか、理想の「峠の茶屋」の意味するものとは何かを伺いました。

過疎の町から挑戦し続ける、そのエネルギーに感嘆

―錦町農産加工株式会社の廣兼さんは、PICCに出会い、社会性や公益性という観点をより強く持って会社を運営するようになったと語っています。PICCで志を同じくする小田さんの目には、錦町農産加工株式会社と廣兼さんはどのように映っているのでしょうか。

廣兼さんから勉強させていただいていることはたくさんありますが、まず、会社のある岩国市錦町という場所を強みに変えているところがすごいと思います。崖がギリギリに迫る道を通ってたどり着く山奥で、時代があそこだけ違っているような場所。そこで事業展開しながら情報を発信し、同時に錦町という過疎の町を盛り上げる。相当なエネルギーがないとできないことで、私には絶対無理だと思います。まず、そのバイタリティに感嘆します。

錦町農産加工株式会社のホームページ

―緑と清流に恵まれたすばらしい所ですが、たしかに事業を営むことに関してはハンディがあると思います。

その中で、伝統のこんにゃくだけではなく、天然水という土地の資源に着目してミネラルウォーターの事業に取り組んでいるほか、株式会社ピュアラインを立ち上げ、道の駅の運営もなされています。本当にすごいことですよね。

会社で働く方たちは地域の人で、廣兼さんが子どもの頃から働いていたという年配の方もいらっしゃいます。同じ場所で同じような顔ぶれが集まっていると、フレンドリーであるとともに職場の空気がよどんでしまいがちですが、そうならないよう廣兼さんはきちんと目配りし、空気を浄化し続けている。さらに新しいチャレンジも行う。それは、流動性がある都会で会社を経営するよりもよっぽどしんどいのではと思います。それが立派だと思うことのひとつです。

錦町農産加工株式会社の記事はこちらからも読むことができます!

地域の人や訪れた人の笑顔がつながっていく「峠の茶屋」

―公益資本主義は、社員とその家族・お客さま・取引先・地域社会など、ステークホルダー全体への貢献を重視します。廣兼さんは、PICCに学んだことで、「公益性」の意義を徐々に理解することができ、「自分のできる範囲で、できる限りの貢献をしようという意識になった」と語っています。

100年以上にわたって地域の産業を守り、雇用を作りながらさまざまなステークホルダーに貢献する錦町農産加工さんは、PICCが重視する「100年企業」をまさに体現している存在だと思います。公益資本主義を学ぶ同志として尊敬と共感を持っていますが、同時に廣兼さんの人間性も魅力です。

地方の経営者には大人物の名前を出して自分を大きく見せようとしたり、表面的に取り繕ったりしている人も少なくないですが、廣兼さんはそういうところがなく、仕事にも人にも大変な誠実な方で、好奇心も豊かです。そこに人間味を感じますし、惹かれます。

20代の頃に会社を引き継ぐ決意をしてから現在まで、大変なことはたくさんあったと思います。そういうことをすべて飲み込んで事業を発展させ、自分の代で終えるのではなく、次につなげようとされている。息子さんが継ぎたいと思えるほどにするまでがんばってきて、魅力を作り出し続けています。

―錦町農産加工さんが作り出す魅力とはどういうものでしょうか。

人の笑顔が集まる場所であることですね、お金や経済性ではなく。地域の人や訪れた人の笑顔がつながっていく、そういう経営をされています。

私の場合ですが、18歳の時に自動車屋になりたいと思い、どんな商売人になりたいのかを考え始めました。社会に出て働き、起業し、現在に至るまで、さまざまな本を読んだり、人の考えを聞いたりしましたが、仕事に対しての覚悟であり、今も商売の原理原則だと考えているのが「峠の茶屋」です。

「峠の茶屋」は松下幸之助の本で知りましたが、あのお店に行けばお茶が飲める、あそこに行けば一休みできるという場所のことで、自分が営む自動車屋は人々が行き交う中で通過点になるようなそういう存在にしたいと思い、目標を定めました。廣兼さんの会社は、「峠の茶屋」のイメージそのもので、すごい山道をたどっていくのだけど、そこに行けばごはんが食べられる、温かいもてなしと人との出会いがあります。そういう光景が思い浮かぶ場所を継続している廣兼さんは、私の経営者人生に大きな影響を与えてくれています。

―最後に、錦町農産加工さんと廣兼社長への想いを伺わせてください。

田舎だからと卑屈にならずに武器にする、これまで廣兼さんのようなリーダーに出会ったことはありません。錦町に向かう道は、岩国から島根の城下町につながっていく、たくさんの旅人が通ってきた道だと思います。そこを通って廣兼さんを訪ねると、清流で釣った鮎と流しそうめん、猪の肉で歓待してくれるのですが、どれもびっくりするほどおいしくて、ロッジもおしゃれできれい。心をつくしたもてなしに、廣兼さんの地元への想いが感じられ、それにも感激します。これからも廣兼さんに学ばせていただき、公益資本主義の理想を同じくする者同士としてもよいおつきあいをお願いしたいですね。

株式会社サンボレ代表取締役社長 小田修久さん(画像提供:株式会社サンボレ)

<プロフィール>
小田修久
株式会社サンボレ代表取締役社長

<企業概要>
株式会社サンボレ
https://sanbole.com/
設立:2006年
所在地:〒731-5141 広島県広島市佐伯区千同2丁目14−11
電話番号:082-943-5577

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