
FIXERと藤田医科大学は14日、愛知県の春日井市民病院に生成AI(人口知能)サービスのシステムを提供すると発表した。両社の合弁会社であるメディカルAIソリューションズ(東京・港)が春日井市民病院と業務委託契約を結んだ。入院患者さんの病歴や、入院時の身体・検査の所見や入院中に受けた医療内容についてまとめた「退院サマリー」を生成AIで自動作成する。
両社は今回の業務委託を皮切りに、全国の医療機関でAIを活用した文書作成業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を進める。
提供するシステムの名称は「GaiXer(ガイザー) Medical Agent」。電子カルテに表示された「サマリー生成」ボタンをクリックするだけで入院患者の基本情報・診療記録などから必要なデータを抽出。数秒で退院時サマリーの下書きを作成することができる。システム導入前は医師らが入院患者の日々の経過記録情報から要約した文章を手作業で作成しており、1つの文書当たり10~15分の時間がかかっていた。
FIXERはシステムについて「医師の働き方改革につながり、新たに生み出された時間を患者の診療やコミュニケーション、医療研究などにあてることができる」と指摘。「先行導入された藤田医科大学(IBM社製電子カルテ)に続き、主要な電子カルテ(富士通社製電子カルテ)との互換性が実証されたことで、全国の医療機関における様々な文書作成業務のDXを推進する」としている。