
6月12日午後、インド西部グジャラート州アーメダバードで、エア・インディアが運航するロンドン・ガトウィック空港行きのボーイング787型機が離陸直後に墜落した。航空当局によれば、乗客乗員は244人。現場では激しい火災が発生し、黒煙が上がる中、救助活動が続いている。日本人の搭乗有無は確認中で、在ムンバイ日本総領事館がエア・インディアと連携して情報を収集中だ。
ロンドン行きエア・インディア171便が離陸5分後に墜落
墜落したのはアーメダバード発ロンドン行きのエア・インディア171便(ボーイング787-8型機)。現地時間13時38分に離陸後、わずか5分で人口密集地域「メガニ・ナガル」に墜落したと、インド民間航空局長のファイズ・アーメド・キドワイ氏が明らかにした。
地元テレビ局の映像には、住宅地に広がる残骸と炎、消火にあたる消防隊の様子が映されている。住民からは「爆発音が2回聞こえた。家が揺れた」との証言も出ている。
搭乗者はインド人169人、英国人53人 邦人確認中
エア・インディアの発表によれば、搭乗者の国籍はインド人169人、英国人53人、ポルトガル人7人、カナダ人1人。在ムンバイ日本総領事館は、「日本人の搭乗があったかは確認中」としたうえで、「現時点で邦人被害の報告は入っていない」とコメントしている。
SNSでも衝撃と祈り広がる「インドの空に何が起きたのか」
X(旧Twitter)上では事故を受けて、「ドリームライナーが現実に悪夢となった日」「乗客家族の無事を祈る」など、世界中から悲しみと懸念の声が広がっている。
- 「ロンドン行き…自分の家族も出張予定だった。震える」
- 「787が墜落?そんなことあり得るのか?」
- 「この時代にこれだけの事故…航空業界の再点検が必要だ」
- 「エア・インディアって大丈夫なのか…」
インド在住の投稿者は「墜落地点は住宅街。巻き込まれた住民が心配」と現地の不安な空気を伝えている。
ボーイング787初の墜落事故、各国が対応へ
今回の事故は、ボーイング787型機として初の墜落事故であり、米ボーイング社も「重大事象として調査中」と発表。機体は2009年に初導入されたもので、現在世界で1000機以上が運用されている。
英国のキア・スターマー首相は、「痛ましい出来事であり、インド当局と連携して対応する」と表明し、被害者支援のための特別対応を進める考えを示した。
エア・インディア「全力で家族支援」 緊急窓口も設置
エア・インディアのナタラジャン・チャンドラセカラン会長は、「最優先は被害者とその家族への支援。すでに専用の緊急センターと支援チームを設置した」と明らかにした。事故発生直後から、現地では軍や医療機関も動員され、迅速な救援体制が敷かれている。
過去の大規模事故との比較
今回の事故は、2020年に南インドで発生したボーイング737の滑走路逸脱事故(死者21人)以来の大規模航空事故とされる。また、インド最悪の航空事故は1996年に起きたサウジアラビア航空機とカザフスタン航空機の空中衝突事故(死者349人)である。