ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

貸金庫で現金保管禁止へ 全国銀行協会がルール見直し 貸金庫窃盗事件を契機に

コラム&ニュース ニュース
リンクをコピー
貸金庫のイメージ
DALL-Eで作成

全国銀行協会は、貸金庫に現金を保管することを禁止する方針を固めた。三菱UFJ銀行での窃盗事件を受けた対応で、マネーロンダリング対策の一環として今月中にも規定を改定する。

 

貸金庫に現金預けられず 全銀協が規定を改定へ

全国銀行協会(全銀協)は、加盟行向けの貸金庫利用に関する指針を見直し、現金の保管を禁止する方針を決定した。6月中にも正式に発表される見通しで、貸金庫で現金を預かる慣行に終止符が打たれることになる。

この措置は、三菱UFJ銀行の元行員による貸金庫内の現金盗難事件など、一連の不祥事を受けた対応だ。全銀協は、銀行が貸金庫サービスを運用する際の参考とする「貸金庫規定ひな型」を改訂し、現金は格納物として認めない旨を明記する。

金融庁も指針で後押し マネロン対策が背景に

今回の改定は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化も大きな背景にある。金融庁は2024年3月に発表した監督指針案で、現金や高額宝飾品など資金洗浄リスクの高い物品を貸金庫に預け入れることを禁じるよう、各行に促していた。

さらに、金融庁は2025年5月30日、監督指針の改正を正式に公表。改正内容には「現金などマネロンリスクが高い物品は預からないよう求める」との文言が盛り込まれた。

貸金庫の特性が犯罪の温床に

 

貸金庫は顧客のプライバシーを保護する仕組み上、銀行側の職員でも中身を確認できない構造となっている。このため、盗難や不正が発覚しにくく、実際に三菱UFJ銀行やみずほ銀行でも、行員が顧客の資産を不正に持ち出す事件が確認されている。

こうした事案を受け、三菱UFJ銀行では2025年5月から、新規契約者に対して現金を預けないよう方針を明示している。

全国の銀行に影響広がる見込み

今回の全銀協の決定により、メガバンクや地方銀行を含む多くの金融機関が、現金の保管禁止を明確にルール化する動きが広がるとみられる。現在、多くの銀行では貸金庫の利用約款に現金の取り扱いについて明確な記載がなく、運用は各行の判断に任されていた。全銀協の改訂により、今後は一律に「現金は貸金庫で保管不可」となる可能性が高い。

消費者はどう対応すべきか

今回の改定により、貸金庫に現金を保管していた顧客は、他の保管方法への移行を余儀なくされる。一般家庭用の耐火金庫や、より高度なセキュリティを持つ保管サービスの利用など、選択肢を再検討する必要がある。特に高額の現金を長期で保管していたケースでは、資金の運用や管理方法についても見直すきっかけとなりそうだ。

Tags

ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

関連記事

タグ