万博開幕初日、夢洲駅に混雑の波

4月13日、大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開幕した。10月13日までの184日間で、158の国と地域が参加する世界的イベントが本格的にスタートした。
朝から多くの来場者が訪れた万博会場では、インフラの課題も浮かび上がった。主要アクセスルートである大阪メトロ中央線夢洲駅では、トイレの数が限られており、女性用個室7室、オールジェンダー用6室という状況に、多くの人が行列を作った。駅員が「地上のトイレもございます」と誘導する場面も見られた。
大阪府吹田市から訪れた50代女性は、「お父ちゃんを待たせてたからヒヤヒヤした」と苦笑い。駅周辺では大阪府警が「立ち止まらないでください」とハンドマイクで呼びかけ、混雑緩和を図った。
住友館「UNKNOWN FOREST」で体験する“いのちの物語”
一方、注目を集めるのは住友グループが手掛ける「住友館」。テーマは「UNKNOWN FOREST 誰も知らない、いのちの物語」。来場者はランタンを片手に森の中を自由に巡り、動植物や菌類、木々の一生など、人間が普段見過ごしている“いのち”と出会う体験が用意されている。
森の奥では、森を支え続けた「マザーツリー」の最期を描くパフォーミングシアターも展開。風や霧、音響、映像が融合するダイナミックな演出で、来場者を圧倒する。
植林体験や未来の共創プロジェクトも展開
住友館では、未来の森づくりを体験する「植林体験」も実施。万博期間中に約1万本の苗木が用意され、来場者は実際に苗木を植えることで、未来の森をつくる活動に参加できる。植えられた苗木は、住友館の建築に伴い伐採した跡地などに植えられ、次世代へと継承される。
また、生成AIを活用した参加型共創プロジェクト「ミライのタネ」では、住友グループの技術や取り組みを基に、世界中の人々が未来へのアイデアを生み出す取り組みを行っている。
オフィシャルグッズやバーチャル体験も充実
住友館内には「UNKNOWN FOREST SHOP」が設置され、住友の森の木々を活用した商品やオリジナルグッズを販売。また、住友グループの約400年にわたる歴史と未来への挑戦をデジタル空間で体感できる「バーチャル住友館」も提供され、PCやスマートフォンからも楽しむことができる。
観光クロスオーバーサミットやミャクミャク絵本特装版も登場

観光業界では、民間パビリオンとして「観光クロスオーバーサミット2025」が開催され、スタートアップや学生、自治体、観光事業者などが観光の未来を議論する。
また、大日本印刷(DNP)は、万博公式キャラクター「ミャクミャク」を主人公にした絵本『ミャクミャク ある日のおはなし』特装版をオフィシャルストア限定で発売。ペーパースタンド付きフォトフレームが特典として付属し、来場者の思い出づくりをサポートする。