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免疫力を高める乳酸菌?グリコの「GCL1815株」が示した最新データ

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免疫力を高める乳酸菌

江崎グリコは17日、独自に発見した乳酸菌「GCL1815株」が風邪の自覚症状を軽減する効果を持つ可能性があるとする研究成果を発表した。大阪市で開かれた発表会で明らかにしたもので、同菌株の継続的な摂取が免疫機能を高めることが期待されるという。グリコは今春にもGCL1815株を活用した菓子などの発売を計画している。

 

ヒト試験で症状軽減を確認

発表によると、グリコは2023年1月から3月にかけてヒト試験を実施し、その成果をまとめた論文がこのほど栄養学の国際学術誌「Nutrients」に掲載された。試験では健康な成人を対象に、GCL1815株を継続的に摂取するグループと、摂取しないグループに分け、風邪に関する自覚症状を聞き取った。

その結果、GCL1815株を摂取したグループでは、摂取しなかったグループに比べて、風邪の自覚症状を訴えた日数が減少した。また、熱っぽさや疲労感、鼻水といった具体的な症状の頻度も低下していた。さらに、免疫をつかさどる「樹状細胞」の活性度を示す数値も向上していたという。

 

いまさら聞けない 乳酸菌が体に良い理由

乳酸菌は腸内環境を整える善玉菌の一種で、免疫機能の向上や消化機能の改善、病原菌の抑制など、さまざまな健康効果が期待される。特に、乳酸菌の継続摂取により腸内の善玉菌が増え、免疫細胞が活性化されることが知られている。

腸は体内の約7割の免疫細胞が集まる重要な器官であり、乳酸菌を摂取することで、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やマクロファージが活性化され、ウイルスや病原菌に対する抵抗力が高まるとされる。また、乳酸菌はアレルギー症状の軽減、ストレスの軽減、生活習慣病のリスク低減など、幅広い健康効果を持つことが研究によって明らかになっている。

今回のGCL1815株も、免疫をつかさどる「樹状細胞」を活性化することが報告されており、風邪予防だけでなく、免疫機能全般の向上が期待される。

 

【豆知識】乳酸菌を手軽に摂る方法

乳酸菌は日常生活の中で簡単に摂取できる。以下の方法を参考に、手軽に乳酸菌を取り入れることができる。

・ヨーグルトや乳酸菌飲料は最も手軽な方法の一つである。種類によって含まれる乳酸菌が異なるため、自分に合ったものを選ぶとよい。 ・発酵食品(味噌、漬物、納豆など)には乳酸菌が豊富に含まれている。ただし、市販の漬物の中には発酵していないものもあるため、成分表示を確認することが重要である。 ・ナチュラルチーズは乳酸菌を含むが、プロセスチーズは加熱処理によって菌が死滅していることが多い。 ・乳酸菌入りの菓子やサプリメントを活用するのも有効な手段である。特に忙しい人にとっては、簡単に取り入れやすい方法といえる。 ・乳酸菌の働きを助ける食物繊維と一緒に摂ると、より効果的に腸内環境を整えることができる。バナナやオートミール、わかめなどと組み合わせるのが理想的である。

 

免疫機能向上による風邪予防の可能性

グリコは今回の研究成果について、「GCL1815株の継続摂取が健康な成人の免疫機能を高め、風邪の予防につながる可能性を示している」と評価。また、「今後も免疫細胞への作用や感染症予防効果の検証を進めていく」との方針を示した。

同社はこれまでも乳酸菌を活用した健康食品の開発に取り組んできた。今回のGCL1815株を活用した商品は、一般消費者向けの菓子類として展開する予定で、免疫機能を意識した市場への参入を強化するとみられる。

今後、免疫機能をサポートする食品としての乳酸菌研究が一層進展することが期待される。

 

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ライター:

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SHOEHORN くつべらマン

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児童養護施設の職員。特に中学~新卒年齢の若者の生活・医療・福祉・自立支援に従事している。勤務時間外では、様々な職業の方へ取材活動を実施しており、大人になる若者たちへ情報を提供している。

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