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メタボ健診後の初診料誤請求 国費2億円が過大支払いに

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特定健康診査(いわゆるメタボ健診)後の診療において、本来は請求できないはずの初診料や再診料が誤って請求され、国費2億円が過大に支払われていたことが判明した。会計検査院の調査で明らかになったもので、全国の医療機関の約9割が誤請求を行っていた。厚生労働省は事態を重く見て、医療機関に対し返還と再発防止策の徹底を求めている。この問題の背景と今後の対策について詳しく解説する。

 

メタボ健診後の初診料誤請求が発覚

メタボリックシンドロームの予防を目的とした「特定健康診査」(以下、メタボ健診)に関連する診療報酬の誤請求問題が会計検査院の調査で明らかになった。調査によると、2022年10月に請求された医療費の一部を調べた結果、対象となった104の医療機関のうち94機関、つまり約9割が健診後に本来は請求できない初診料を誤って算定していた。

加えて、全国1万4659の医療機関のうち7399機関が、同様に再診料も誤って請求していたことが判明した。これにより、2022年度だけで約2億円の国費が過大に支払われた可能性がある。

健診後の初診料誤請求の仕組み

メタボ健診は、全国健康保険協会(協会けんぽ)や企業の健康保険組合などが、40歳以上75歳未満の被保険者を対象に実施する健康診査である。目的は、メタボリックシンドローム予備軍の早期発見と治療の促進だ。受診者が健診を通じて疾患が見つかり、同じ医療機関で治療を始める場合、医療機関は初診料を請求できないと定められている。

その理由は、メタボ健診の問診内容が通常の初診時の診療行為と重複するためだ。厚生労働省は「重複による二重請求を避けるための措置」と説明している。

会計検査院の調査結果

会計検査院の調査によると、調査対象の18道府県の医療機関において、以下の事実が明らかになった。

  • 調査対象104医療機関のうち、94機関(約9割)が誤って初診料を請求
  • 全国の医療機関1万4659のうち、7399機関(約半数)が再診料を誤請求
  • 2022年度の国費で約2億円が過大支払いに

この調査では、診療報酬データなどからミスの可能性が高い医療機関を抽出したため、実際には誤請求の割合はさらに広がる可能性があると会計検査院は指摘している。

誤請求が与えた影響

初診料は1回あたり2880円で、患者が3割負担の場合、実際に受診した人は864円、保険者である国民健康保険や健康保険組合は2016円の負担となる。つまり、誤請求が行われた場合、患者や保険者が余計な医療費を負担させられた計算になる。

こうした積み重ねが、2022年度だけで2億円規模の過大支払いに膨れ上がったのだ。

厚生労働省の対応と今後の見通し

厚生労働省は、今回の問題を重く受け止め、「不適切な請求が再び起こらないよう、医療機関と保険者に対して更なる周知徹底を行う」とし、次の対応を取ると発表した。

  • 医療機関に対して過大請求分の返還を求める
  • 2023年12月に事務連絡を発出し、再診料も算定できないことを周知徹底
  • 全国の医療機関および保険者に対し、初診料や再診料の請求ルールの再確認を指示

まとめ

メタボ健診後の初診料や再診料の誤請求問題は、患者の負担だけでなく、国費2億円規模の過大支払いにまで発展した深刻な問題である。厚生労働省が再発防止に向けた対策を講じているが、そもそも診察院側はこの事実を理解していたのだろうか?疑問はあるが、貴重な国費がどのような流れになっているのかを改めて精査し、国としても国費の使い道に関しての透明性のある改めての開示を求めたい次第だ。

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ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

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