
元モーニング娘。のメンバーでタレントの辻希美さん(37)が、第5子を妊娠したことを発表し、多くの祝福の声が寄せられている。辻さんは4日、自身のインスタグラムで「皆様沢山の温かいコメントありがとうございます」と感謝の意を表明した。夫で俳優の杉浦太陽さん(43)も、SNSで喜びを共有している。
3~4年の不妊治療を経ての妊娠
辻さんと杉浦さんは2007年に結婚し、これまでに4人の子供を育ててきた。今回の第5子は、3~4年にわたる不妊治療を経ての待望の妊娠であり、「凄くうれしい」と語っている。しかし、ひどい悪阻により寝たきりの状態が続き、食事が喉を通らず体重が3キロ減少したことも明かしている。
日本では2022年4月から不妊治療の保険適用が拡大され、体外受精や顕微授精などが対象となった。これにより、従来50万円以上かかるケースもあった体外受精の自己負担額が15万円程度に軽減された。しかし、保険適用には年齢制限があり、治療開始時の女性の年齢が43歳未満であることが条件となっている。また、体外受精と顕微授精の移植回数には制限があり、40歳未満では1子ごとに6回まで、40~43歳未満では3回までと決められている。これを超える場合は全額自己負担となるため、経済的負担は依然として大きいのが現状だ。
この発表を受け、SNSでは「私も不妊治療を頑張ろうと思えた」「子育ての楽しさを伝えてくれる辻ちゃんは、少子化対策のヒーロー」といった声が多く寄せられている。一方で、「5人の子育ては大変そう」といった現実的な声も上がっている。
国民に希望を与えるニュースに
辻さんの妊娠発表は、少子化が深刻化する日本社会において、多くの人々に希望を与えるニュースとなった。不妊治療を経て新たな命を授かることができたという事実は、不妊に悩む人々にとって励みとなり、また、子育ての喜びを発信し続ける辻さんの姿勢は、育児のポジティブな側面を社会に伝える重要な役割を果たしている。
現在、日本では子育て支援策の整備が進められているものの、依然として課題が山積している。育休制度の充実や無料の育児相談窓口の拡充、柔軟な働き方の導入、経済的支援の強化などが求められている。海外の成功事例を参考にしながら、日本独自の子育て支援策を構築することが急務だ。
海外の先進的な子育て支援策
海外には、日本が参考にすべき子育て支援策が多数存在する。ノルウェーでは、父親と母親の両方が育児休暇制度を利用でき、育休期間中も賃金の80~100%が補償される。多くの親が赤ちゃんが1歳になるまではこの制度を利用し、自宅で育児を行うことが可能となっている。また、1歳以降は親の就労状況に関係なくすべての子供が保育園に通える制度が整っており、育児による親の社会的孤立を防ぐ仕組みも設けられている。
フィンランドでは「ネウボラ」と呼ばれる育児支援センターが各自治体に設けられ、妊娠から子供が6歳になるまでの間、無料でサポートを受けられる。保健師や助産師、ソーシャルワーカーなどが連携し、妊婦健診や小児健診、育児相談を提供し、子育てに関するあらゆる悩みに対応できる体制を整えている。
イギリスでは、親が子供の学校のスケジュールに合わせて働くことができる「タームタイムワーク」という制度が存在する。これにより、長期休暇の際には親も休みを取ることができ、家庭での時間を大切にしながら働くことが可能となっている。
ハンガリーでは、3人目の出産で住宅購入補助やローン返済免除、4人目の出産で生涯所得税ゼロといった経済的支援策が導入されている。これにより、家族の経済的負担を軽減し、子供を持ちやすい環境が整えられている。
韓国では、自治体ごとに大規模な出産支援金制度が設けられている。例えば、仁川市では、子供が生まれると18歳までに合計1億ウォン(約1100万円)が支給される制度を導入しており、企業によっては、社員の子供1人につき1億ウォンを支給するなど、官民が連携して少子化対策に取り組んでいる。
日本の子育て支援の未来
辻さんの妊娠発表をきっかけに、日本の子育て支援策について再考する必要があるだろう。海外の成功事例から学び、より多くの家庭が安心して子供を育てられる社会を構築することが求められる。政府が具体的な施策を講じ、家族を支える環境を整備することで、少子化問題の改善に寄与できる可能性がある。
辻さんの妊娠を祝う声とともに、日本の子育て環境がより良いものとなることを願う声も多く聞かれる。無事に出産を迎え、健やかな子育てを続けられることを期待したい。