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松竹、BS放送事業から撤退へ 広告収入低迷で存続困難に

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松竹、BS放送事業から撤退へ 広告収入低迷で存続困難に
DALL-Eで作成

松竹は2月27日、BS放送事業からの撤退を発表した。2022年に開局した「BS松竹東急」は認知度や視聴率が向上していたものの、広告収入が計画を下回り、事業継続が困難と判断した。今後の撤退に伴う影響が注目される。

 

松竹、BS放送事業からの撤退を決定

松竹は2020年に東急と共同で「BS松竹東急」を設立し、2022年3月に放送を開始した。開局当初は、映画やドラマ、歌舞伎、落語などを24時間無料で視聴できるという点で注目を集め、一定の視聴率を獲得していた。しかし、広告収入が当初の計画を大きく下回り、収益基盤の安定化が課題となっていた。

近年、BS放送業界全体で広告収入の減少が続いており、特に無料放送に依存するチャンネルでは経営の持続が厳しくなっている。松竹はこの状況を踏まえ、運営の継続が困難と判断し、撤退を決定した。松竹は撤退に伴う費用を適切な範囲で負担するとしており、BS松竹東急の今後の運営方針については関係各社と協議を進める方針である。

また、2025年2月期の業績予想への影響についても現在精査中であり、詳細が決まり次第、公表するとしている。

BS松竹東急で放送されていた人気番組

BS松竹東急では、ドラマ、歌舞伎、落語、スポーツなど多岐にわたるジャンルの番組が放送されていた。ドラマでは「大河ドラマ おんな城主 直虎」「花衣夢衣」「その時がきた」「6時のミステリー 京都・琵琶湖・神戸・大阪へ魅惑のトラベルミステリー」「うちの会社の小さい先輩の話」「アイドル失格」などが人気を集めた。また、歌舞伎や演劇、落語のジャンルでは、「松竹新喜劇 村は祭りで大騒ぎ」「歌舞伎傑作選 馬盗人、梶原平三誉石切」「サタデー歌舞伎特等席 元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」「特選落語 桂雀々 植木屋娘、いたりきたり」「特選落語 古今亭菊之丞 替り目、不動坊」などが視聴者に親しまれていた。

BS放送事業の厳しい経営環境

 

近年、視聴者の視聴習慣が多様化し、広告市場も変化する中で、BS放送事業は収益を確保するのが難しくなっていた。特に、広告収入に依存する無料放送局は、地上波やネット配信との競争激化の影響を受け、経営の持続が難しくなっている。BS松竹東急も例外ではなく、開局当初の期待に反して広告収入が低迷し、松竹グループとして事業継続が厳しくなった。

また、BS松竹東急は映画やドラマ、伝統芸能などを無料放送するコンセプトでスタートしたが、運営には多額の資金が必要だった。松竹ブロードキャスティングを通じて増資を繰り返し、他企業の出資を受け入れる形で運営を続けてきたが、最終的には投資損失が積み重なり、撤退を余儀なくされた。

松竹の撤退に対する視聴者の反応

松竹の撤退発表を受け、SNSでは賛否の意見が飛び交っている。「無料放送のビジネスモデルが厳しくなる中、撤退は妥当な判断」といった肯定的な意見がある一方で、「映画や伝統芸能を無料で楽しめる貴重なチャンネルだったので残念」「地上波にはない魅力があったのに」と惜しむ声も少なくない。

また、「BS事業から撤退するなら、今後は配信事業に力を入れるべきでは?」という意見もあり、松竹の次の動向に注目が集まっている。

松竹の撤退が示すメディア業界の変化

松竹の撤退により、BS放送事業の競争環境はさらに変化すると考えられる。すでに各BS局では広告収入の減少が問題視されており、今後は収益モデルの見直しや、ネット配信との融合が求められる可能性が高い。

松竹自身も、衛星放送から撤退したことで、新たなメディア戦略を模索することが予想される。近年、映像コンテンツの視聴はネット配信が主流になりつつあり、松竹も自社コンテンツを活用したデジタル展開を加速させる可能性がある。

松竹のBS放送事業撤退は、一企業の経営判断にとどまらず、日本のメディア業界全体における放送と配信の転換点を象徴する出来事となるかもしれない。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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