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東芝、33年ぶりに「総合研究所」復活!研究開発を強化で事業化を加速

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東芝、33年ぶりに「総合研究所」復活
DALL-Eで作成

東芝は2025年4月1日、研究開発部門を統合し「総合研究所」を設立する。33年ぶりに復活するこの組織は、グループ全体の技術戦略を推進し、AIや量子コンピュータ、デジタル技術の強化を図る狙いがある。これまで分散していた研究開発機能を集約することで、技術革新のスピードを上げ、事業化を加速する考えだ。

東芝「総合研究所」復活へ

東芝は2025年4月1日付で、新たに「総合研究所」を設立すると発表した。研究開発部門を統合し、グループ全体の技術戦略を強化することが目的だ。現在、東芝は「東芝再興計画」のもと、経営再建と事業強化を進めており、研究開発の集約によってイノベーションの創出を加速させる狙いがある。

なぜ「総合研究所」は一度廃止されたのか?

東芝の「総合研究所」は1969年に設立され、長年にわたり数々の革新技術を生み出してきた。しかし、1992年にこの研究所は廃止された。当時、日本経済はバブル崩壊後の影響を受け、東芝も経営環境の変化に対応するため、より事業に直結した研究開発体制への移行を決断した。これにより、「総合研究所」は廃止され、各事業部門が独自の研究開発を行う「コーポレートラボ」と「ワークスラボ」に分割されることとなった。

しかし、この分散型の研究体制は基礎研究と事業化の連携不足を引き起こし、技術の実用化スピードが低下するという課題を生んだ。今回の「総合研究所」復活は、これらの課題を解決し、研究開発の統合によって技術革新と事業化を加速させるための戦略的な決断である。

「総合研究所」の組織体制とは?

「総合研究所」には、以下の7つの研究開発・技術センターが設置される。
これにより、基礎研究から実用化までの一貫した体制を構築し、研究成果をより迅速に事業化できる環境を整える。

東芝、33年ぶりに「総合研究所」復活
東芝より

1. エネルギーシステムR&Dセンター – エネルギー関連技術の開発
2. インフラシステムR&Dセンター – 社会インフラ技術の強化
3. 先端デバイスR&Dセンター – 半導体・デバイス技術の研究
4. AIデジタルR&Dセンター – AI技術とデジタル分野の開発
5. デジタルイノベーション技術センター – デジタル技術の応用とDX推進
6. 生産技術センター – 製造プロセスの改善と最適化
7. マテリアルズ&フロンティア研究センター – 量子コンピュータなど新技術の開発

    東芝が目指す未来の技術

    東芝は、「カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現」「誰もが享受できるインフラの構築」「繋がるデータ社会の形成」の3つを重点領域として掲げている。「総合研究所」はこれらの目標を達成するための技術基盤となる。

    特に、AIや量子技術、デジタル技術の分野では、競争が激化している。東芝は「AIデジタルR&Dセンター」や「マテリアルズ&フロンティア研究センター」を設立し、これらの技術の開発を加速させることが狙いだ。

    また、2024年1月に開所した研究開発棟「イノベーション・パレット」を活用し、社外との共創活動も強化する計画だ。これにより、パートナー企業との連携を強化し、より革新的な技術開発を実現する。

    事業化を加速させる狙い

    これまで、東芝の研究開発組織は基礎研究・応用研究・製品開発と分かれていたため、各部門間の連携不足が指摘されていた。「総合研究所」では、これらの壁を取り払い、横断的な研究を推進する。

    例えば、AI技術の開発だけでなく、その応用分野としてエネルギーシステムやインフラ技術と組み合わせることで、新たな事業機会を創出することが可能になる。また、脱炭素化に向けた技術開発を加速し、持続可能な社会の実現にも貢献する方針だ。

    東芝の成長戦略と今後の展望

    「総合研究所」の設立は、東芝の中期経営計画「東芝再興計画」の一環として進められている。経営再建を進める中で、研究開発の強化は企業価値向上の鍵となる。

    研究成果の事業化スピードを上げることで、新規事業の創出や市場競争力の向上が期待される。また、技術人材の育成にも注力し、未来の技術革新を支える人材基盤を強化する。

    東芝は今後も「人と、地球の、明日のために。」という企業理念のもと、技術の力で社会課題の解決に挑戦し続ける方針だ。「総合研究所」の設立が、同社の未来を大きく変える転機となるか、注目が集まる。

    【参照】東芝グループの研究開発部門を統合し「総合研究所」を設立(東芝)

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    ライター:

    新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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