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鈴木馨祐法相が法務省の全職員に崎陽軒の月餅を配布 公職選挙法違反の疑いで波紋広がる

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鈴木法相の月餅配布が公職選挙法違反の可能性?

横浜月餅
崎陽軒HPより 月餅

鈴木馨祐法務大臣が法務省職員に崎陽軒の月餅を配布したことで、公職選挙法違反の疑いが浮上している。週刊現代の報道を受け、政界や法務省内で波紋が広がっている。

1月下旬、霞が関の法務省では「大臣が菓子を配っただけで問題になるのか?」という職員の困惑の声が相次いだ。配布された月餅は3個入りの特注品で、法務省庁舎のイラストが描かれていた。法務省関係者は「政治家が金品を贈るリスクは周知の事実だが、まさか大臣から配られるとは思わなかった」と戸惑いを隠せない。

鈴木法相は昨年の総選挙で小選挙区では落選し、比例復活で当選。南関東ブロックの議員として活動しており、法務省内に選挙区内の職員がいれば公職選挙法に抵触する可能性がある。

公職選挙法では、政治家が選挙区内の有権者に金品を贈ることを禁じている。今回のケースが「寄付」に該当するかどうかが論点となるが、鈴木法相は「職員全体への慰労・激励の趣旨で差し入れた」と説明し、違法性についての見解は示さなかった。

公職選挙法の適用は厳しすぎる?

公職選挙法に関する違反事例は過去にもあった。2014年には、松島みどり元法相が選挙区内で「うちわ」を配布し、公職選挙法違反で辞任に追い込まれた。しかし、今回のケースでは選挙民ではなく省庁の職員が対象であり、適用範囲の解釈が問われている。

一方で、政治とカネの問題がより深刻な形で放置されているのも事実だ。外国勢力によるSNSを利用した世論誘導や、大規模な企業献金など、本来取り締まるべき問題が手つかずのまま放置されている。こうした状況の中で、大臣の菓子折りを問題視することが果たして適切なのか、疑問の声も多い。

SNSの反応と識者の見解

今回の問題について、SNSでは賛否両論が飛び交っている。

Xでは、「これくらいのことで法相が批判されるのはおかしい」「こんなことよりもっと大きな政治資金の問題を追及すべきだ」といった擁護の声がある一方、「公職選挙法のルールを守るのは当然」「大臣が自覚を持って行動すべきだ」との批判的な意見も見られる。

ある識者は、「公職選挙法の適用が厳格すぎる一方で、実際に取り締まるべき大規模な選挙資金の問題が放置されている現状は問題だ。今回の件をきっかけに、法律の適用範囲を見直す議論が進むことが望ましい」と指摘する。

全体として言えるのは、メディアはこうした小さな問題ばかりを大きく報道する傾向があるが、それによって本来の政治的な課題が見えにくくなっていることだろう。組織のトップが働く社員に差し入れすることまで問題になってしまうのだとすると、そんな人情味のない法律自体がおかしい。メディアとして重箱の隅をつつくような姿勢は自戒も込めて反省しなければと思う。

崎陽軒の歴史と横浜名物「月餅」

ところで、問題の発端となった月餅は、横浜を代表する老舗・崎陽軒の製品とのこと。崎陽軒は1908年に創業し、横浜駅構内で駅弁販売を開始した老舗企業。現在ではシウマイ弁当を筆頭に、中華料理店やイタリア料理店の経営も行っている。

特に有名なのが「シウマイ弁当」。1928年に開発されたシウマイは、干しホタテ貝柱のうまみを活かした独自のレシピで、冷めてもおいしく食べられることから人気を博している。さらに、崎陽軒の「ひょうちゃん」醤油入れも長年愛され続ける名物の一つだ。

今回配布された「月餅」もまた、そんな崎陽軒の人気商品である。月餅は中国の伝統的な焼き菓子で、中秋節に家族で食べる風習がある。崎陽軒の月餅は、日本人の好みに合わせたこしあんや栗あん、蓮の実あんなど豊富な種類を取り揃えている。

月餅の起源とその魅力

月餅の歴史は古く、中国では中秋節のお供え物として誕生した。中秋節は、一年で最も月が美しく見える時期に、家族の円満を願う行事だ。満月の形にちなんで丸い形の月餅が作られ、家族で分け合って食べることで、一族の繁栄と幸せを祈る。

月餅にはさまざまな種類があり、広式月餅、京式月餅、潮式月餅など地方ごとに異なる味わいが楽しめる。特に崎陽軒の月餅は、伝統を受け継ぎながらも日本人の味覚に合うようアレンジされており、多くのファンに親しまれている。

公職選挙法の見直しと報道のあり方

今回の問題は、公職選挙法の適用範囲の曖昧さを浮き彫りにした。政治家による金品の配布には慎重さが求められるものの、職場での菓子折りまで規制する必要があるのか、改めて議論するべきではないだろうか。

また、メディアの報道姿勢も問われる。政治資金の大規模な不正を追及することは重要だが、比較的小さな問題ばかりがクローズアップされる現状に、読者のメディア不信が加速する懸念もある。本質的な問題に焦点を当て、国民の利益に直結する議論を促す報道が求められている。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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