ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

フジテレビが外部弁護士による調査を開始 第三者委員会への移行も近い?

コラム&ニュース ニュース
リンクをコピー
弁護士たちによるMTG
DALL-Eで生成

タレントの中居正広氏を巡るトラブルについて、フジテレビが昨年末から外部弁護士を交えて事実確認の調査を開始したことが明らかになった。

同局の企業広報部は「今後の調査結果を踏まえ、適切に対応する」とコメントしている。

この問題は、昨年12月26日発売の週刊文春が報じたもので、フジテレビの社員を含めた会食の予定が急遽、中居氏と女性だけの会食に変更されたことが発端とされている。その後、中居氏が女性に解決金を支払うことで合意したと伝えられているが、フジテレビはこの報道を強く否定し、公式サイトで「当該社員は会の設定に関与しておらず、当日、突然欠席した事実もない」との声明を発表した。

しかし、その詳細については説明を避けている。

一方、週刊新潮の1月9日号は、フジテレビ内部の様子についてさらに踏み込んで報じている。新年の挨拶が行われた同局のイベントスペース「フォーラム」では、編成担当役員が「社員を守る」という趣旨の挨拶を行ったものの、若手局員からは冷ややかな視線が向けられていたという。

また、問題となった会食について、ある幹部が「中居と女性は付き合っている」と周囲に言いふらしていたことも指摘されている。

外部調査から第三者委員会への移行か

フジテレビは現段階で外部弁護士に事実確認を依頼しているが、今後、第三者委員会の設置に移行する可能性が高いとみられる。その理由として、外部弁護士による調査よりも、第三者委員会の方が公平性と客観性がより強調され、社会的信頼の回復に資する点が挙げられる。

さらに、フジテレビの第2位株主であるアクティビストファンドのダルトンも、同局に対し第三者委員会の設置を強く要求していることが判明している。こうした株主からの圧力も、第三者委員会設置の動きに拍車をかける要因となっている。

ダルトンとはどういったモノ言う株主なのかはこちら

第三者委員会の役割とは?

第三者委員会とは、不祥事の原因究明や再発防止策の検討を目的に、外部の専門家によって構成される独立した調査機関だ。企業不祥事対応のスタンダードとして、昨今多くの企業で導入が進んでいる。

弁護士や公認会計士、学識経験者などが委員に選ばれることが多く、内部の利害関係者を排除することで調査の中立性と客観性を確保するメリットがある。一方で、経営陣が協力的でなければ調査が十分に進まず、最終報告書が的外れになるリスクもある。実際の運用には数千万円から数億円と多額の費用がかかるため、企業にとってはコスト面の負担も課題だ。

ちなみに、こうした第三者委員会の運営費用は、すべて企業が負担することになる。そのため、調査内容や期間に応じて金銭的な限界が生じるケースも少なくない。特に、デジタル機器の解析や電子データの追跡を行う「デジタルフォレンジック」などの手法を用いる場合は、専門的な技術と時間を要し、莫大な費用が発生することがあるようだ。デジタルフォレンジックの費用は、1案件につき500万円以上かかるケースもあり、データ復元やサーバ解析などが必要になる場合は、さらに高額になるとされる。

過去には日本大学が、理事長による所得税法違反事件を受けて第三者委員会を設置した例がある。同委員会は3人の弁護士で構成され、14人の弁護士と3人の公認会計士が補助者として関与した。最終的には詳細な報告書が公表され、再発防止策が提言された。

フジテレビの社内風土に問題?

話をフジテレビに戻すが、局内部からは、今回のトラブルに対する上層部の対応に不満の声が漏れているようだ。同局の港浩一社長は1月10日、全社員に「社員を守る温かい会社でありたい」とのメールを送ったが、若手社員の多くは冷ややかに受け止めているということが新潮の報道で伝えられている。「社長が守りたいのは、一部の幹部やアナウンサーではないか」との見方もあるようだ。

こうした背景には、フジテレビの「企業風土」が影響しているとの指摘もある。編成局の幹部が過去に女子アナや女性局員をタレントに“アテンド”していた問題も取り沙汰されており、今回のトラブルが単なる個人間の問題ではなく、同局の構造的な課題を浮き彫りにしている可能性がある。

第三者委員会の設置はフジテレビの信頼回復につながるか?

フジテレビが外部の第三者を交えた調査を進める背景には、信頼回復への意識がある。しかし、週刊新潮の報道によれば、社内には依然として「時代錯誤」との批判も根強い。

第三者委員会の設置は、不祥事の再発防止に向けた企業の真摯な姿勢を示すものとされるが、調査が不十分であれば逆に批判を招く恐れもある。フジテレビがどのような最終報告を出し、再発防止策を打ち出すかが、今後の同局の信頼回復の鍵を握っている。

【フジテレビのその他の報道はこちら】

Tags

ライター:

ライターアイコン

寒天 かんたろう

> このライターの記事一覧

ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

関連記事

タグ