エドウインと明治が異業種タッグ
ジーンズブランドのエドウインと菓子メーカーの明治は10月18日、共同開発したジーンズとデニムジャケットを発売する。原料には、チョコレートの製造過程で発生するカカオの種皮「カカオハスク」をアップサイクルした糸を使用。
アパレル業界と食品業界の垣根を越えた異色のコラボレーションは、サステナビリティと新たな素材開発への関心の高まりを背景に実現した。
サステナビリティと新規事業創出
近年、アパレル業界では環境負荷低減のため、素材の調達から製造、廃棄までのプロセス全体で環境に配慮した取り組みが求められている。一方、食品業界でも、食品ロス削減や廃棄物の有効活用などが課題となっている。
両社の連携は、こうした社会的な要請に応えつつ、新たなビジネスチャンスを創出する取り組みとして注目される。エドウインは、国内生産にこだわり高品質なジーンズを提供してきたが、今回の連携により、素材の革新と更なる環境負荷低減を同時に実現する。明治は、これまで廃棄されていたカカオハスクを有効活用することで、新たな付加価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指す。
廃棄物から生まれた新たなデニム素材
カカオハスクは、チョコレートの風味や食感を損なうため、従来は大部分が焼却処理されていた。しかし、近年は栄養価の高さや香ばしい香りが注目され、お茶やお菓子の材料として活用されるケースも増えている。
今回のジーンズとデニムジャケットでは、カカオハスクを粉末状にし、和紙とブレンドした糸を緯糸に使用。一般的なデニム生地よりも軽く、ドライなはき心地とシャイニーな質感が特徴だ。セルビッジ(生地の端)には、明治ミルクチョコレートをイメージした茶色と金色を採用。遊び心も感じさせるデザインに仕上げた。
両社の想いが融合
エドウインの担当者は、「今回のコラボレーションは、両社の強みを生かし、サステナビリティと品質を両立させた商品開発を実現する絶好の機会となった」とコメント。明治の担当者も、「カカオハスクの新たな可能性を拓くことで、食品の枠を超えた価値創造を目指していきたい」と語った。
今後の展開に期待
両社は今後、今回の取り組みで得られた知見を生かし、さらなる新商品開発や異業種連携の可能性を探っていくとしている。カカオの香りが漂うジーンズが、新たなファッションの潮流を生み出すかもしれない。