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台湾のサーバー室に置かれる「乖乖」とは?“食べてはいけないお菓子”が日本で話題に

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kuaikuaitw 公式instagramより

台湾で広く知られるスナック菓子「乖乖(グァイグァイ)」が、日本のSNSでにわかに注目を集めている。サーバーやパソコン、工場設備のそばに置くと機械が安定して動くとされる独特の慣習が広まると、ネット上では「かわいい話で終わらない」「現場の人ほど気持ちがわかる」といった反応が相次いだ。単なる異文化ネタではなく、止まっては困る機械を前にした人間の切実さまで映し出したことで、この話題は強く拡散した。

 

「乖乖」はただのお菓子ではない

「乖乖」は台湾で親しまれているスナック菓子で、会社のサーバーやパソコン、工場の機械のそばに置かれ、「機械が正常に動作しますように」「不具合が起きませんように」と願いを託される存在である。名称の「乖乖」には「いい子」「おとなしい子」といった意味合いがあり、機械にも“おとなしく、きちんと働いてほしい”という感覚が重ねられている。さらに、機械のそばに置くのは緑色のパッケージとされ、色にまで独自のルールがあることが、この文化の奥行きを物語る。

半導体大国・台湾で生き続けるから面白い

この話が小ネタで終わらないのは、舞台が台湾だからである。神戸新聞NEXTは、半導体関連の工場でも乖乖がお供えされていることが多いと伝えている。Taipei Timesも、研究機関、病院、企業など幅広い現場でこの文化が見られると報じ、台湾初の国産衛星「フォルモサット5」の打ち上げ準備でも乖乖が置かれていたと紹介した。最先端の半導体や精密機器を支える現場に、こうした縁起担ぎが今なお残っている。このギャップが、人を惹きつける。

TSMCまで絡むと、一気に“ただのネタ”ではなくなる

Rti台湾国際放送によると、TSMCとコラボした限定版の乖乖が販売され、ネット上で転売価格が跳ね上がったこともあった。世界の半導体供給を握るTSMCの名がここに重なることで、「機械を守るお菓子」という話は一気に象徴性を帯びる。つまり乖乖は、台湾の人々にとって単なるスナックではなく、技術と不安と願掛けが交差する現場の記号なのである。AI、クラウド、サーバー、半導体といった、いかにも合理の極みに見える領域の奥に、こうした人間的な習俗が息づいている。その落差が強い。

 

ネットの反応は“かわいい”だけではなかった

ネット上では、「こういう因習は好き」「IT業界にお守り文化があるのがいい」といった好意的な声が広がった一方で、「不具合には必ず原因があるのだから、信仰のように扱うのは違う」という冷静な意見も見られた。だが、その賛否を含めて話題が伸びたのは、誰もがどこかで“壊れてほしくないものの前で祈った経験”を持っているからだろう。論理と再現性が支配するはずのIT現場にも、最後に残るのは人間の緊張である。その緊張を、緑の袋が可視化してしまった。

なぜ「乖乖」がここまで話題になったのか

この話題には、台湾の珍しい習慣としての面白さだけではない引力があった。Yahoo!リアルタイム検索などでは、「日本にもお守りやゲン担ぎはある」「技術者ほど最後は祈りたくなる」といった受け止め方が目立ち、異国の奇習としてではなく、トラブルを避けたい現場の感覚として共感が広がっていた。とくに、機械のそばに置かれた乖乖を誤って食べてしまうと周囲が凍る、という文脈は、理屈では説明しきれない職場の禁忌を思わせ、笑いと緊張を同時に呼び込んだ。

話題の本質は、現代の不安である

人はどれだけ技術を信じていても、止まっては困るシステムや機械の前では、最後に少しだけ非合理へ寄りかかりたくなる。その姿が、あまりに滑稽で、あまりに切実だから、多くの人が反応した。台湾のサーバー室に置かれた一袋のスナックは、いまや異文化紹介の域を超え、現代の労働現場に残る“祈りの形”として日本でも共有され始めている。

 

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ライター:

東京都出身の音楽家。こちらはライターとしての世を忍ぶ仮のペンネーム。平易な言葉で情緒的な文章を書く。対象の思いを汲み取り、寄り添うことを重視。少年期より難病を持ち、弱者への眼差しが裏テーマ。自分の頭や心を使って、形のない美しさや優しさを世の中にひとつずつ増やしたい。書きもののほか、BGM、テーマソング、賑やかし、癒やしなど、音楽全般も承り〼。

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