
愛知県をはじめ全国各地でインフルエンザの流行が再び強まっている。厚生労働省が公表した直近週の感染症発生動向調査では、全国の定点医療機関あたりの報告数が警報レベルの目安である30を上回り、広域で流行が拡大している。現在の主流はインフルエンザB型で、高熱に加えて下痢やおう吐などの消化器症状がみられる点が特徴だ。
インフルエンザB型の特徴とは
藤田医科大学病院小児科の吉川哲史医師によると、B型は従来のインフルエンザ症状である高熱、せき、鼻水といった呼吸器症状に加え、消化器症状を伴うことがある。特に子どもでは、発熱と同時に下痢やおう吐が出る例もあるという。
ただし症状には個人差があり、必ずしも全てがそろうわけではない。呼吸器症状が軽いケースや、胃腸症状が目立たないケースもあるため、自己判断は避けたい。
インフルエンザと胃腸炎の見分け方
同時期にはウイルス性胃腸炎も流行しやすく、症状が重なるため判別が難しい。目安として整理すると次の通りである。
| 項目 | インフルエンザ(B型を含む) | 胃腸炎(ウイルス性など) |
|---|---|---|
| 発熱 | 38℃以上の高熱が多い | 微熱~中等度が多い(高熱例もある) |
| 呼吸器症状 | せき・鼻水・のどの痛みが出やすい | 基本的に少ない |
| 消化器症状 | 下痢・おう吐を伴うことがある | 下痢・おう吐が主症状 |
| 全身症状 | 強い倦怠感、関節痛、筋肉痛が出やすい | 比較的軽いことが多いが脱水に注意 |
| 診断 | 抗原検査で判定可能 | 症状と流行状況から判断 |
見分ける際のポイントは、呼吸器症状の有無と、学校や家庭でどちらが流行しているかという周囲の状況である。受診時には流行情報を医師に伝えることが診断の助けになる。
家庭でできる予防対策
柊みみはなのどクリニックの内藤孝司院長は、特別な対策よりも基本の徹底が重要だと指摘する。
・石けんを使った丁寧な手洗いを行う
・外出後や食事前の手洗いを習慣化する
・室内湿度を50~60%に保つ
・十分な睡眠を確保する
・バランスの良い食事をとる
・麦茶やコーン茶などノンカフェイン飲料でこまめに水分補給する
・日常のうがいは水で行う
・流行期の人混みではマスクを着用する
・発熱時は無理をせず休養する
緑茶などのカフェインを含む飲料は利尿作用があるため、水分補給を目的とする場合はカフェインを含まない飲み物が向くという。うがい薬は使い過ぎると粘膜を傷める可能性があり、日常的な予防としては水うがいで十分とされる。
予防につながる食事の工夫
流行期は体力と免疫機能を維持する食事が土台になる。
・鶏肉、魚、卵、豆腐、納豆などのたんぱく質
・にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど緑黄色野菜
・みかん、キウイなどビタミンCを含む果物
・ヨーグルトや味噌などの発酵食品
・しょうがやねぎなど体を温める食材
体調がすぐれないときは、おかゆやうどん、具だくさんの味噌汁など消化に優しい食事が適している。
家族や友人が感染した場合の対応
インフルエンザの潜伏期間は1~3日程度とされる。感染者と接触した場合は、数日間は体調変化に注意する。
・1日2回程度の体温測定
・のどの痛みや倦怠感の確認
・人混みを避ける
・外出時のマスク着用
・十分な休養と水分補給
同居家族が感染した場合は、部屋を分ける、タオルを共用しない、換気や消毒を徹底するなど家庭内感染対策が重要である。
全国的に警報レベルの流行が続く中、過度に恐れるのではなく、正しい知識と基本的な生活習慣を積み重ねることが最大の防御策となる。



