
88件の被害申告が一瞬で「なかったこと」に
元部員が訴えた内容は衝撃的だった。
2023年頃、寮の風呂場で下半身を触られる、熱湯や冷水を無理やり浴びせられるといった凄惨なイジメ・暴行が複数回にわたって行われたという。さらに、当時の中井哲之監督(現在は退任)が他の部員に対して暴力を振るう場面を目撃したとも主張。
こうした被害申告は合計88件に達したが、第三者委員会(弁護士や医師らで構成)は元部員・保護者・現役部員への聞き取り調査、同級生アンケートなどを徹底的に行った結果、「いずれの申告についても裏付けが取れなかった」と断言。
88件すべてが「事実を認めることは困難」という判断で、被害者の訴えは公式記録上、完全に抹消された形となった。この結論に、多くの人が「本当に何もなかったのか?」と疑問を投げかけている。証拠や証言がなかったとはいえ、88件という数字の多さは尋常ではない。
学校側が「事実無根」としたことで、逆に「被害者が集団で嘘をついた」という印象を与えてしまい、かえって火に油を注ぐ結果になっている。
「学校設置の第三者委だから当然の結論」との冷笑が殺到
最大のツッコミどころは、この第三者委員会が広陵高校自身が設置したものである点だ。
ネット上では「第三者って名ばかりの身内委員会」「中立性ゼロの出来レース」「白を黒に塗り替えるための報告書」との批判が殺到。過去にも学校側が設置した第三者委が「問題なし」と結論づけて炎上した事例が相次いでいるだけに、「最初から結論ありきだったろ」「被害者を嘘つき扱いして終わりかよ」との怒りが爆発している。
一部の投稿では「弁護士が入ってるんだから中立のはず」と擁護する声もあったが、ほとんど埋もれてしまうほど少数派。むしろ「弁護士も学校の味方をするしかない状況だったんだろう」「金で雇われた委員会に期待する方がおかしい」との冷笑が主流を占め、学校・野球部への不信感は頂点に達している。
別の暴行事件も抱えながら「閉鎖的体質」を指摘される皮肉
実は広陵野球部は2025年にも別の暴行事件を起こしている。
1年生部員が寮でカップラーメンを食べたことを理由に上級生から暴行を受け、広島県警が当時の部員2人を暴行容疑で書類送検、広島家裁が少年審判不開始としたケースだ。
この件は暴行事実を認めざるを得なかったため、学校側も対応を迫られた。ところが今回の2023年事案は「なかったこと」にされてしまう。
第三者委は報告書の中で「野球部が閉鎖的で、問題を部内で処理する傾向があった」「相談窓口の拡充など環境整備を」と学校側を珍しく批判しているのだが、これが逆にブーメランに。「閉鎖的体質を自分で認めてるのに、なぜ暴行は認めないんだ」「体質が悪いのは学校が証明してるじゃん」との矛盾指摘が続出。対応の二枚舌ぶりに、呆れと怒りが交錯している。
「もうSNSにしか頼れない」被害者側の絶望と未来への警告
今回の結論で最も深刻なのは、「学校や第三者委に相談しても守ってもらえない」という現実を突きつけられたことだ。
ネットでは「録音・録画して最初からSNSに晒すしかない」「内部告発しても揉み消されるだけ」「これでまた被害者が黙らされる」との諦めと怒りの声が溢れている。
高校野球界の閉鎖性・体罰体質は、何年経っても根本的に改善されていない。甲子園常連校である広陵だからこそ、こうした問題が明るみに出ると注目度も高いが、結果として「白」判定で終われば、被害を訴えた元部員の声はさらに孤立する。
名門のイメージは地に落ち、SNSでの拡散が唯一の手段となる悪循環が加速している。高校スポーツの闇は、今回もまた深く掘り下げられた。第三者委の報告書が「解決」ではなく「新たな火種」になったこの一件は、今後の体罰問題や内部告発の在り方に大きな影響を与えるだろう。広陵野球部、そして高校野球全体が、真剣に体質を見直さなければ、同じ悲劇が繰り返されるだけだ。



