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宜野湾市のマンホールから白い泡噴出 PFASが国指針値の5倍超、普天間飛行場周辺で何が起きているのか

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PFAS
DALLーEで作成

沖縄県宜野湾市伊佐の交差点近くで1月29日、マンホールの隙間から白い泡が噴き出す事案が確認された。路面には泡が広がり、通行人が足を止める様子も見られた。この泡を巡り、成分分析の結果、有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されていたことが2月5日、分かった。PFOSとPFOAの合計値は1リットル当たり268ナノグラムに達し、国の暫定指針値(同50ナノグラム)を大きく上回った。

 

白い泡を持ち帰り分析、PFOS・PFOAが高濃度

白い泡は、市民団体が現場で採取し、専門家が成分分析を実施した。分析結果では、PFASの代表的物質であるPFOSとPFOAが合計で高い値を示した。泡の見た目は軽く、いかにも洗剤のようにも見える一方、検出された数値は「偶発的な生活排水」として片づけにくい水準となった。

専門家は、過去に米軍普天間飛行場で漏出した消火剤の泡とは組成が異なる可能性があると指摘している。見た目が似ていても、由来や混入経路が同一とは限らない。現時点で発生源の断定はできず、下水系統や周辺環境を含めた冷静な切り分けが必要になる。

 

PFASとは何か 「白い泡」が示す数値の意味

PFASは「有機フッ素化合物」の総称で、自然界ではほとんど分解されない特性から「永遠の化学物質」とも呼ばれている。撥水性や耐熱性に優れ、泡消火剤や工業製品、日用品などに使用されてきたが、体内に蓄積しやすく、長期的な健康影響が指摘されていることから、PFOSやPFOAについては国際的に規制が進められている。

日本では水道水について暫定的な指針値が定められているが、法的な規制基準には至っていない。

 

普天間飛行場近く、同地点で過去にも泡の流出

今回の地点は、米軍普天間飛行場近くの伊佐地区に位置する。現場周辺では過去にも泡の流出が確認されており、繰り返し起きている現象なのか、たまたま重なった事象なのかが焦点となる。

泡は当日、複数のマンホールからあふれたとされ、一定時間が経つと消えた一方、路面には白い痕跡が残った。市は現場で採水し、PFASの調査を専門機関に依頼している。米側も採水を行い、原因の調査を続けているという。

 

「含まない消火剤」でも残る懸念 代替物質の議論も

基地側は、泡消火剤についてPFOS・PFOAを含まないものへ交換したとの説明がある。ただ、PFASはPFOS・PFOAだけの問題ではない。規制対象外の代替物質を含め、健康影響や環境残留性の議論は国際的にも続く。仮にPFOS・PFOAを含まない製品へ切り替えていたとしても、周辺環境に残存するPFAS、別ルートで流入するPFASを排除できるとは限らない。

今回、検出されたのはPFOS・PFOAであり、少なくとも「旧来型の汚染シグナル」が出た形になる。いつ、どこから、どの経路で混入したのか。地表の泡だけを見て結論を急げば、対策が空回りする恐れがある。

 

住民の不安を解く鍵は「系統追跡」と「迅速な公開」

PFASは分解されにくく、地下水や河川へ入り込めば長期的な影響が懸念される。一般的な浄水工程で除去しにくいとされる点も、不安を増幅させる。いま求められるのは、発生源を巡る印象論ではなく、配管・排水経路の系統追跡と、複数地点での濃度比較だ。

たとえば、マンホールがどのラインにつながり、上流側・下流側で数値がどう変化するのか。雨天時と晴天時で差が出るのか。泡が出るタイミングに共通項はあるのか。こうしたデータが積み上がって初めて、原因の輪郭が浮かび上がる。

行政には、調査の設計、検査項目、採水地点、結果の公開時期を明確に示し、住民が自分ごととして判断できる材料を提示する姿勢が欠かせない。対策は「不安の沈静化」ではなく、「不安の根拠を見える化して減らす」ことにある。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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