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Google新機能が突きつけるSaaS淘汰とお伺い文化の終焉 「候補日を3つ挙げよ」は過去の遺物に? 

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Googleカレンダー

米Googleは現地時間1月26日、Googleカレンダーに生成AI「Gemini」を活用した日程調整機能を追加した。会議の参加者全員が空いている時間帯をAIが自動で提示するこの新機能は、Google Workspaceユーザーを中心に順次展開される。

プラットフォーマーであるGoogle自身が「調整」の自動化に本腰を入れたことは、日程調整系SaaSアプリの生存競争を激化させるだけでなく、日本企業に根付く「日程調整マナー」をも根底から覆す可能性を秘めている。

 

「全員空いてます」をAIが瞬時に判断

新機能は、ユーザーがスケジュールを作成する際、Geminiが参加予定者全員のカレンダーをスキャンし、最適な候補日時をリストアップするというものだ。特筆すべきは、欠席者が出た場合の再調整機能だ。複数の参加者が辞退した場合、AIが自動的に代わりのスケジュール案を主催者に提示する。これまで人間がメールやチャットで行っていた「リスケ」の往復作業を、AIが肩代わりする形となる。

本機能は、Google Workspaceの「Business Standard」以上のプランなどで利用でき、2月2日以降、約15日間かけて広く実装される予定だ。

 

外部SaaSツールの「死滅」は始まるか

このアップデートは、ビジネスツール市場の勢力図を塗り替える可能性がある。これまで、Googleカレンダーの標準機能では不十分だった「空き時間の可視化」や「候補日の抽出」を補うため、CalendlyやSpirals、Timerexといったサードパーティ製の日程調整ツール(SaaS)が数多く利用されてきた。

しかし、カレンダーの基盤を持つGoogle自身が、Geminiという強力なAIを用いて「内部から」調整機能を最適化し始めた今、単純な日程調整機能しか持たない外部ツールの優位性は急速に失われつつある。

得に社内メンバーや、互いにアクセス権限を持つパートナー企業間での調整においては、外部アプリのURLを発行して共有する手間自体が「無駄」と見なされるようになるだろう。日程調整系SaaSが生き残るには、単なる「空き枠の提示」ではなく、Google標準機能にはない高度なCRM連携や、複雑な承認フローへの対応など、ニッチな付加価値の提供が急務となるのではないか。

 

「お伺いメール」という日本的マナーの終焉

さらにこの機能は、日本のビジネスシーン特有の「お伺い文化」に終止符を打つかもしれない。日本のビジネス慣習では、会議を打診する際、主催者が「相手の都合を配慮して、候補日を3つ程度複数提示する」ことが礼儀(マナー)とされてきた。メールで候補日を書き連ね、相手からの返信を待つという非効率なやりとりが、丁寧さの証としてまかり通ってきたのだ。

しかし、Geminiが「全員この時間が空いています」と客観的な正解(事実)を提示できる環境下では、わざわざ人間が候補日をひねり出し、相手にお伺いを立てる行為そのものが「時間の浪費」として再定義される。

 

AIが提示した最適解を「ポチる」だけで予定を確定させることが、失礼ではなく「互いの時間を奪わないための最高のマナー」となるパラダイムシフトが目前に迫っている。かつて電話がメールやチャットに置き換わったように、「候補日はいつがよろしいでしょうか」という定型句もまた、過去の遺物となろうとしている。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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