
世界的な人気を誇るIP(知的財産)である「ポケモン」の名を冠した不可解なアプリケーションが、AppleのApp Storeに登場し、波紋を広げている。「ポケモンワールド」という直球のタイトルが付けられたこのアプリに対し、SNS上では著作権侵害を疑う声が相次いでいる。公式の供給元である株式会社ポケモンや、関連するNianticなどの正規開発者からのリリースとは認められず、ユーザーに対しては安易なダウンロードを控えるよう注意が必要だ。
公式ラインナップに存在しない「ポケモンワールド」
問題となっているのは、App Storeで公開されている「ポケモンワールド」なるアプリだ。タイトルだけを見れば、あたかも公式の新作ゲームかのように錯覚しかねない。しかし、株式会社ポケモンの公式サイトや公式リリースを確認しても、現時点で同名のアプリが配信されたという情報は一切存在しない。
現在、正規に展開されているスマートフォン向けアプリには、『Pokémon GO』をはじめ、『Pokémon Sleep』、『Pokémon Trading Card Game Pocket』、『Pokémon UNITE』などが名を連ねている。これらはいずれも、株式会社ポケモン、あるいはNianticやDeNAといった提携企業が明記されている。「ポケモンワールド」の開発元情報はこれらと一致せず、第三者が無断で公開している可能性が極めて高い。
Xで広がる動揺と疑問の声
この事態に対し、いち早く反応したのはXのユーザーたちだった。検索機能で「ポケモンワールド」と入力すると、多くの疑問や警告のポストが確認できる。
Xでの投稿によると、「公式かと思って見たけど明らかに違う」「画像が本家の流用に見える」「完全なパクリではないか」といった指摘が続々と上がっている。中には、興味本位で検索したユーザーが、あまりの堂々とした権利侵害の疑いに呆れる様子も見受けられた。ファンコミュニティの自浄作用が機能しており、現時点では警戒感が優勢だが、情報の浸透していないライト層が誤ってダウンロードしてしまうリスクは拭えない。
プラットフォーマーの審査体制問う声も
今回の件は、単なる「偽アプリ」の出現という点にとどまらず、巨大プラットフォーマーであるAppleの審査体制に対する問いも投げかけている。
App Storeは厳格な審査で知られ、それがAndroidのエコシステムと比較した際の安全性の担保となっていたはずだ。しかし、「ポケモン」という世界屈指の著名IPを冠し、権利関係が不明瞭なアプリが審査をすり抜けて公開に至った事実は重い。近年、画像生成AIの普及などでアセット(素材)の模倣や生成が容易になる中、ストア側のチェック機能が追いついていない可能性も示唆している。
ユーザーの自衛としては、アプリをダウンロードする前に必ず「開発者名」を確認すること、そして公式サイトで情報の裏付けを取ることが鉄則となる。現段階で本アプリに関する公式発表はなく、個人情報の抜き取りや不正な広告表示などのリスクも否定できないため、静観するのが賢明だ。



