
――医師として、母として、そして一人の女性としてASPに挑戦した理由
「美しくありたい」
この願いは、多くの女性にとって自然なものです。しかし医師として日々診療に携わる中で、私は確信するようになりました。美しさの根源は、健康であることに他ならないということを。
私は開業医として医療に携わる一方、4人の子どもを育てる母でもあります。大学病院に勤務していたころ、40代・50代で進行がんと向き合う女性患者さんと向き合う中で、強い違和感を覚えてきました。
それは、「もっと早く出会えていれば、結果は違ったかもしれない」という場面が、あまりにも多いことです。
特に大腸がんは、その象徴です。
女性の大腸がん検診受診率の低さという現実
厚生労働省のデータによると、日本における女性の大腸がん検診受診率は約40%前後にとどまっています。一方で、大腸がんは女性のがん死亡原因の第一位に位置し、40代後半から罹患率が急増します。
本来、大腸がんは予防可能ながんです。便潜血検査による一次検診、必要に応じた大腸内視鏡検査(二次検査)を適切に行えば、がんになる前の段階(腺腫)で発見・切除することが可能です。
実際、大腸内視鏡によるポリープ切除は、その後の大腸がん死亡率を有意に低下させることが、国内外の研究で示されています。
それにもかかわらず、多くの女性が「忙しい」「怖い」「自分は大丈夫」と受診を先送りにし、結果として進行がんとして見つかる。
治療には手術、抗がん剤、長期の体力消耗が伴い、家庭や仕事、人生そのものに大きな影響を及ぼします。
私は医師として、この現実を変えたいと強く思ってきました。
なぜASP Japanに挑戦したのか
そんな中で出会ったのが、ASP Japanでした。
ASPは、単なるビューティーコンテストではありません。年齢や職業を問わず、女性が自分自身と向き合い、学び、社会とどう関わっていくかを考えるプラットフォームです。
私は、「医師が白衣の中で語る健康情報」だけでは届かない層が確実に存在することを、長年の診療で痛感していました。
『本来検診を受けるべきなのに、医療情報に触れず、行動に至らない“潜在層”』に、どうアプローチするか。
その一つの答えが、「憧れ」や「関心」を入り口にすることでした。
ASPという舞台に立ち、世界大会に出場し、結果として最高位グランドチャンピオンに次ぐ『ツアリズム チャンピオン』というグランプリタイトルを受賞したことは、私自身の人生においても大きな転機となりました。
同時に、「美」から「健康」へとメッセージをつなぐ、新しい導線が生まれたと感じています。
美から健康へ、そして社会へ

ASPを通じて出会った女性たちは、実に多様でした。専業主婦、会社員、経営者、60代・70代の女性たち。共通していたのは、「これからの人生を、よりよく生きたい」という思いです。
私は医師として、その思いに健康という土台を提供したい。
検診を受けることは、自分を大切にする行為であり、家族や社会を守る行動でもあります。
来年はASPJapan京都大会の主催を予定しています。
女性が自分自身に投資し、新たな一歩を踏み出す場として、そしてその先に「健康への行動変容」が自然につながる仕組みをつくっていきたいと考えています。
『美しさは、健康の上に成り立つ。』
そのシンプルで確かな事実を、医療の枠を超えて伝え続けること。
それが、医師として、母として、そして一人の女性としての、私のライフワークです。
船越真木子(ふなこし・まきこ)
まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック(京都)院長
2005年神戸大学医学部卒。京都大学医学部附属病院等の勤務を経て、2021年に京都市伏見区に「まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック」を開院。女性のがん死亡数で 1位の大腸がん および胃がんの早期発見に尽力し、苦痛の少ない高精度な内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を提供。ミッションは「人生を最高に楽しめる体と心を支える」。総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医。
まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック(https://www.makikoclinic.com/)。



