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嵐ラストツアーは誰のための舞台か 二宮和也の行動が招いた賛否の本質

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嵐
嵐 公式Instagramより

026年5月末で活動を終了する嵐。その最後の全国ツアーを巡り、二宮和也(42歳)の行動が「神対応」と称賛される一方で、強い違和感と批判も広がっている。受験シーズンと真正面から衝突した札幌公演は、善意だけでは覆い隠せない問題を露呈させた。

 

二宮和也が明かした舞台裏と露呈した準備の甘さ

2025年12月27日放送の『情報7days ニュースキャスター』(TBS系)にVTR出演した二宮は、嵐のラストツアー準備の舞台裏を語った。月に数回、メンバー5人が集まり、演出や衣装について話し合ってきたこと、細部へのこだわりから意見が衝突する場面もあったことを率直に明かしている。

だが、視聴者に衝撃を与えたのは、インタビュー時点で「会場の座席数すら確定していなかった」という事実だ。日程が決まっただけでも「本当によかった」と語る姿は、努力の証しとして受け取られる一方で、「そこまで不確定な状態で発表を急いだのはなぜか」という疑問も残した。

全国5都市15公演、延べ70万人以上の動員が見込まれるツアーは、約5年ぶりに5人が揃う最後の舞台だ。だからこそ、準備段階での詰めの甘さが、後になって大きな歪みとして表面化している。

 

受験シーズン直撃という致命的判断ミス

最大の問題は、札幌公演の日程設定そのものにある。3月13日から3日間という開催時期は、北海道大学の後期日程入試と完全に重なっている。後期日程は、難関国立大学を目指す受験生にとって、事実上の「最後の一手」だ。ここで失敗すれば、進路が大きく変わる可能性もある。

にもかかわらず、ツアー日程はこの時期に組まれた。3月が受験シーズンであることは、特別な知識を要する話ではない。開催地が札幌である以上、宿泊施設の絶対数が限られていること、雪や寒さが移動の障害になることも容易に想像できたはずだ。

実際、チケット当選発表前から札幌市内や周辺地域のホテルは急速に埋まり、価格も高騰した。ファンが悪いわけではない。だが結果として、受験生が宿泊先を確保できなくなる事態が現実味を帯びている。

受験は一度きりであり、再試合はない。遠方から受験に訪れる生徒にとっては、前日入りして体調を整えることが重要だ。にもかかわらず、ホテルが取れない、移動に不安が残るという状況は、受験生に過度なストレスを強いる。

「なぜこの日程だったのか」という根本的な疑問は、最後まで解消されていない。嵐ほどの国民的グループであれば、イベントが地域社会に与える影響を事前に精査し、回避策を講じる責任があったのではないか。後になって対応を模索する姿勢が、かえって判断ミスを浮き彫りにしている。

 

行政も動いた異常事態 それでも解決しない現実

事態を重く見た松本洋平文部科学相は、「大学などの公表情報に注意を払ってほしい」と異例の言及を行い、自治体や大学と対策を話し合う考えを示した。芸能イベントが大学入試と競合し、行政が調整に乗り出すという構図自体、異常と言わざるを得ない。

3月の北海道は、移動そのものがリスクを伴う。東北地方ですら4月上旬までスタッドレスタイヤが必要な現実を考えれば、慣れない寒冷地での受験は、受験生の体調や集中力を大きく削ぐ。

受験は一発勝負だ。前泊して体調を整えたい受験生が多い中で、宿泊施設が確保できない状況は、単なる不便では済まされない。

 

増便打診という「焼け石に水」

こうした批判の中で報じられたのが、二宮和也による航空会社への増便打診や、政治家への働きかけだ。表面的には「できる限りのことをしている」ように映るが、その実効性を疑問視する声は少なくない。

航空機の増便は、短期間で簡単に実現できるものではない。機材や乗務員の確保、ダイヤ調整など、航空会社側に大きな負担が生じる。増便に伴う追加コストを誰が負担するのかも明確ではなく、現実的な解決策とは言い難い。

仮に増便が実現したとしても、根本的な問題は解決しない。宿泊施設の部屋数が増えるわけではないからだ。ホテルが確保できなければ、受験生は空港で夜を明かすか、無理な日程での移動を強いられることになる。

さらに、3月の北海道は天候が不安定だ。朝一番の便に乗れたとしても、雪や強風による遅延、欠航のリスクは常につきまとう。試験当日に間に合わなければ、それまでの努力はすべて水泡に帰す。

こうした現実を踏まえれば、増便打診は象徴的な対応に過ぎず、「焼け石に水」と受け取られても仕方がない。問題の本質は交通手段ではなく、日程設定そのものにあったという指摘は重い。

後手に回った対応を「神対応」と称賛する声がある一方で、「なぜ最初から避けなかったのか」という疑問は消えない。結果として、善意の行動が判断ミスを覆い隠す役割を果たしてしまっている点に、多くの批判が集まっている。

 

日程変更を避けた理由と残された不信

批判の多くは、より現実的な選択肢が取られなかった点に向けられている。札幌公演の日程を変更する、あるいは地元在住者を優先して当選させるなど、影響を最小限に抑える方法はあったはずだ。

「二宮にそれだけの影響力があるなら、なぜ日程を動かせなかったのか」という声は重い。後手に回った対応を、後から美談として語ることへの反発は根強い。

嵐のラストツアー実現に向け、誰よりも動いてきたのが二宮であることは事実だ。大野智(45歳)を説得したとも伝えられ、功績が大きいことも否定できない。

しかし、努力と結果は別問題だ。善意や熱意があれば、社会的影響への配慮が後回しになっても許されるのか。今回の札幌公演を巡る混乱は、人気グループによる大規模イベントの在り方そのものを問い直している。

JR北海道の臨時特急対応 問われる「帰れること」と「泊まれること」の違い

札幌公演を巡る混乱の中で、新たに打ち出されたのがJR北海道による臨時特急列車の運行だ。JR北海道は、札幌市内で開催される大型コンサートにあわせ、札幌駅から旭川駅までを結ぶ臨時特急を運転すると発表した。

臨時特急が運行されるのは2026年3月13日、14日、15日、28日の4日間で、13日から15日は札幌の大和ハウスプレミストドームで開催される嵐のラストツアー、28日はVaundyのコンサートに対応する形だ。

列車は「カムイ95号」「ライラック97号」の2本で、いずれも深夜帯に札幌を出発し、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川を経由して旭川に至る。

JR北海道は「札幌以外に宿泊される予定の方や、沿線にお住まいの方の帰宅に便利」と利用を呼びかけている。しかし、この対応に対しても、冷静な疑問が投げかけられている。

最大の問題は、臨時特急が「帰れる手段」であっても、「泊まれる場所」を生み出すものではないという点だ。深夜に旭川へ移動できたとしても、そこに十分な宿泊施設が確保できる保証はない。ましてや受験生にとって、試験前夜に深夜移動を強いられる状況は、決して望ましいものではない。

また、臨時特急の運行時間は午後10時以降から深夜にかけてだ。コンサート終演後の混雑、雪や寒さの中での移動、指定席確保の問題などを考えれば、すべての利用者にとって「現実的な選択肢」とは言い難い。3月14日、15日、28日は全車指定席となり、13日のみ一部自由席が設けられるが、需要に対して十分とは言えない。

この対応は、混乱を抑えようとする努力である一方、根本的な解決策とは程遠い。宿泊施設不足という核心的な問題には手が付けられておらず、「帰宅手段の確保」がいつの間にか「配慮の象徴」として語られている点に、違和感を覚える声も多い。

結果として、臨時特急の運行は、問題を軽減するどころか、「本来問われるべき日程設定の妥当性」から議論を逸らす役割を果たしているようにも見える。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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