
12月26日、Xのタイムラインに衝撃が走った。インフルエンサー・ちょめ子氏が、同じく、令和の虎出演などでインフルエンサー社長として知られる株式会社スキルハックス代表・迫佑樹氏および株式会社Intermezzo代表・門口拓也氏に関する「重要なお知らせ」を公開。
そこには、企業のトップから送られたとは信じがたい、生々しいDMの画面が添付されていた。
「晒されたいの?」深夜に届いた戦慄のメッセージ
迫社長といえば、プログラミングや動画編集等を学べるオンラインスクールの運営社長として有名な人物。令和の虎などの出演を通して認知を拡大させてきた若手経営者だ。
事の発端は10月23日に遡る。ちょめ子氏によれば、迫氏の投稿を引用リポストした直後、迫氏から次のようなDMが届いたという。
「シンプルに疑問なんだけど、界隈に本名とかバレてるのわかってるよね??」 「去年開示請求通されててまだやるの…?」 「晒されたいの、、、?」 「みんな優しいからそこまでしないけど、人生詰むよ…?」
「人生詰むよ」──。この言葉を、ちょめ子氏は明確な「脅迫」と受け止めた。「私の生活の平穏を害し、恐怖を与える意図があったことは明らか」とし、約2ヶ月もの間、恐怖で声を上げられなかったと告白している。
しかし、このDMには単なる「脅し」以上の、法的な疑惑が潜んでいた。迫氏が言及した「去年開示請求通されてて」という事実だ。ちょめ子氏は、自身に対して開示請求を行ったのは、迫氏と親交の深い株式会社Intermezzo代表・門口拓也氏だけであると明言している。
ちょめ子氏曰く、当時、この事実は門口氏とその代理人弁護士しか知り得ない極めて高度なプライバシー情報だった。なぜ無関係な第三者である迫氏がその詳細を知っていたのか。ちょめ子氏は、門口氏が法的手続きで入手した個人情報を、迫氏に違法に漏洩したのではないかという重大な疑念を抱いだようだ。
迫社長の反論:「あれは友人としての優しさだった」
ところが、事態はこれだけでは終わらなかった。 告発が行われた同日20時、沈黙を破った迫佑樹氏が「【VSちょめ子】脅迫といわれた件について、事実だけ整理しておきます」と題したNoteを公開。そこで語られたのは、ちょめ子氏の主張とは180度異なる、「二人の意外な関係性」だった。
迫氏の主張によれば、両者は敵対関係どころか、「3年以上にわたってだいぶ仲良くしてきた」間柄だったという。「年末には炎上案件について語り合い、コーヒーをご馳走した」「ちょめ子氏の情報商材を、応援のつもりで僕が一番最初に購入した」──迫氏はそう明かし、自身がちょめ子氏を「アンチアカウントの中では賢い部類」として認め、一人の人間として大切にしてきたと訴えた。
では、なぜ“友人”に「人生詰むよ」などと送ったのか。迫氏はその真意について、こう説明する。実は今年の6月、ちょめ子氏は一度、迫氏に対して「全面降伏」とも取れる謝罪を行っていたようなのだ。
公開された当時のDM画像(2024年6月27日)によると、ちょめ子氏は迫氏に対し、こう送信している。
「ごめんフォロー解除しといたよ、インプ稼ぎエスカレートするの良くないと思ったから。昨日も言った通りこちらからはもうリプとか引用では絡まないしスクショもしないよ」
これに対し、当時の迫氏は「おけ!ありがとね!またなんかあったらまた連絡して!気軽にね!」と明るく応じ、和解が成立していた。迫氏はNoteで「相手が反省して終わったかと思っていた」と振り返っている。
ところが、迫氏の主張では、その後もちょめ子氏からの干渉は止まらなかったという。「無限に絡んでくる」状態が続き、約束が反故にされたと感じた迫氏は、再び彼への連絡を試みる。それが、あの10月23日の「警告DM」だったというわけだ。
ちょめ子氏は技術力のあるエンジニアだが、過激な活動が職場にバレればキャリアが終わる。「界隈に名前が知れ渡っている以上、いずれ誰かに本名を晒されてもおかしくない」「人生が詰む方向に自分から歩いていく必要はない」──。 つまり、あれは脅しではなく、「エンジニアとしての将来を案じた警告(アドバイス)」だったというのが迫氏の言い分だ。
また、疑惑の核心である情報の入手ルートについても、迫氏は「門口社長より聞いたものではございません。まったく別の第三者からのタレコミ」であるとし、情報漏洩への関与を真っ向から否定した。
どちらの言い分が正しいのか?
両者の主張が出揃った今、この騒動は単純な善悪で裁けない複雑さを帯びている。
迫氏からすれば、過去に親交があり、商材まで買って応援していた相手に対し、本当に忠告しただけという認識なのかもしれない。ただ、相手の実名が開示されうるという内容はどうしても脅しの要素が覗けるし、第三者から見れば、正直かなりアウト気味だし、仮に忠告としても、これ以上ないレベルで強めな忠告とは言える。それでも、noteからは、「3年以上向き合ってきたのに、善意を『脅迫』と切り取られ、裏切られた」という無念さや苛立ちが読み取れることは確かだろうし、実際にそういったやりとりを重ねてきたのであれば、そういった心境になるのは同情できる。
アンチを上手くいなして、ほどよい距離感を保ってきたと思っていたところに、えげつない爆弾を落とされたという徒労感とでも言えるような心情がnoteにはつづられていたが、これは実際に迫氏の立場に立てば納得できるものだ。
一方で、受け手であるちょめ子氏の恐怖は極めて現実的だ。勢いあるベンチャー経営者から「晒されたいの?」と問われ、「開示請求」という秘匿性の高い情報を突きつけられれば、確かに誰でも萎縮する。「友人としての忠告」という文脈があったとしても、その表現は捉え方によっては威圧的であり、門口氏とのトラブルというタイミングも相まって、「報復」と受け取らざるを得ない状況証拠が揃いすぎていた。
「愛のある忠告」か、「地位を利用した恫喝」か。 送信者の意図と、受信者の受け取り方が致命的に食い違ってしまった今回の騒動。ちょめ子氏は「今後、個人情報の悪用があれば厳正に対処する」としており、かつてコーヒーを飲み交わした二人の関係は、もしかしたら、法廷という冷徹な場で決着を迎えることになるかもしれない。
まぁ、二人のこれまでのやりとりを見るに、そんなことにならなそうだけど……



