
ドジャースを2年連続で世界一へ導いた大谷翔平(31)。その超人的な活躍の最も近くにいたのが、今年4月に第一子を出産した妻・大谷真美子さん(28)だ。公に姿を見せる機会は多くない。
それでも、わずかな登場が米国ファンの熱狂を呼び、球団関係者の間では「大谷の躍進は夫人の支えがあってこそ」と語られる。静かに、確実にチームを強くした“MVP妻”の実像に迫る。
絶大な注目を集める“家族で歩く姿”
優勝パレード後、ドジャースタジアム内のスイートエリアに向かう大谷が、ベビーカーを押しながら歩く姿がSNSに投稿された。数歩後ろには、長袖Tシャツにパンツルックというごく自然体の装いの真美子さん。だがその自然さとは裏腹に、現地ファンの反応は異様な熱気に包まれた。
スマホを構えた男性が接近しすぎ、警備員に制止されるほどだった。
投稿動画には数百万回単位の再生がつき、ベビーカーのブランドを巡る“特定合戦”まで勃発した。米国の観客が、野球選手ではなくその家族の細部を分析するほどの注目度を獲得した妻は、メジャーでは極めて異例である。
メジャー流の“表に出ない夫人像”を貫く強さ
大谷夫妻は、パレードやレッドカーペットといった公式イベント以外は極力姿を見せない。それは「メジャー流」とされる独自の文化だ。スター選手の妻が前面に出るケースもあるなか、大谷は一貫して家庭を守る姿勢を貫いている。
結婚前、真美子さんはバスケットボール選手として海外遠征も経験し、メディア対応にも慣れた存在だった。しかし、メジャーリーガーの妻となってからは表舞台から完全に退き、夫の食事面・健康面を支える役割に徹している。
大谷が取材で「妊娠中も支えてくれた」と明かしたように、食事内容の管理や生活リズムづくりの柱は真美子さんにある。
独身時代、試合後も練習に打ち込んでいた大谷が、結婚後はすぐ帰宅するようになったという変化は象徴的だ。安心して戻れる場所をつくることこそ、トップアスリートを支える最大の“戦略”であり、その担い手が真美子さんだ。
長女誕生でいっそう深まった家族の絆
4月に長女が誕生した際、大谷は「父親リスト」で2日間試合を離脱した。短さが話題となったが、大谷は会見で「付き添えず心配だった」と語り、家族への思いを隠さなかった。
さらに、大谷は「自宅では子どもの面倒は自分が見る」と明言し、健診の送り迎えも車を運転して行うという。10時間睡眠を確保してきた大谷が、今では「子どもの世話が疲れを癒す」と語るほどで、生活の中心が変わったことは明らかだ。
雑誌インタビューで「家に帰って娘をプールに入れてあげたい」と語った場面では、真美子さんも一緒に入ると明かしており、家族時間が確実に生活の支えになっている。
成績が示す家庭との“相乗効果”
昨季は結婚して迎えたドジャース移籍1年目で50・50を達成し、3度目のMVPを獲得。今季は長女誕生を経て二刀流を完全復活させ、自己最多の55本塁打を記録した。この成績を「家庭の安定が生んだ成果」と報じる米地元紙もある。
優勝パレードでは、フリーマン夫人のチェルシーさんと並び笑顔を見せる姿が球団公式SNSに掲載された。モデルやタレント経験者が多いドジャースの奥様会のなかでも、自然に溶け込みながら確かな存在感を放っている。
東京開幕シリーズに帯同できなかった際は、奥様会メンバーへ代々木上原の有名店の1万5000円ケーキを手配したというエピソードもある。妊娠中でも周囲を気遣う姿勢は、選手・関係者の間でも“気遣いの人”として知られるようになった。
控えめな所作の裏にある品格と意志
優勝パレードで真美子さんが手にしていた“古いiPhone”が話題となった。派手なブランド品を持たず、必要以上に飾らない姿勢が米メディアで「好感度が高い」と報じられた。
さらに、大谷がアンバサダーを務める伊藤園「お~いお茶」のペットボトルを持っていたこともファンの注目を集めた。スポンサーへの自然な配慮を感じさせる行動は、チームや企業にとっても信頼感につながる。
夫婦共演のCMオファーは結婚直後から多数舞い込んでいるが、第一子誕生を機に子供用品メーカーも参戦し“争奪戦”の様相を呈している。大谷は家族を表に出しすぎない姿勢を堅持しているため出演は慎重だが、今オフに“夫婦初共演CM”が決まる可能性は高いという。
過酷な舞台で戦う夫の「最後の砦」
ワールドシリーズでは、ブルージェイズ本拠地で「We don’t need you」の大合唱が起きた。大谷は会見で「家庭では言われないようにしたい」と笑いを誘い、会場を和ませた。
その言葉の裏には、どれほど厳しい環境にあっても、家庭には絶対的な安心があるという信頼がある。
家族水入らずのオフを経て迎える来季、大谷は3年連続世界一を目指す。大谷が世界最高の選手でいられる背景には、静かに寄り添い、過剰に語らず、ただ誠実に家庭を支える真美子さんの存在がある。



