
「50周年ロゴ」作者を探せ 公式がナイトスクープにSOS
弁当チェーン「ほっかほっか亭」が、来年迎える創業50周年を前に“初代ロゴの作者を探す”異例のキャンペーンを展開すると、10月8日に公式X(旧Twitter)にて投稿。
あの、温かみのある筆文字調の「ほっかほっか亭」ロゴ。その生みの親が長年不明だったのだ。
10月24日、同社公式Xアカウントはこう投稿した。
「実は先日 ABCテレビ(テレビ朝日系列)「探偵!ナイトスクープ」への依頼が採用されロゴデザイナー捜索のお手伝いをしていただきました🕵✨
探偵さんをはじめ、スタッフの皆さまには心から感謝申し上げます😢
放送日や続報があればお知らせいたします✨ ぜひお楽しみに📺」
また、11月5日には続報として「ほっかほっか亭ロゴデザイナー特別捜査本部」の垂れ幕がかかった会議室の写真を添付して、以下のように投稿。
「本日は「探偵!ナイトスクープ」の撮影時の様子をお届けします🕵📹
とある場所を訪れるとなんと捜査本部が立ち上がっていました💦
本格的すぎてとても緊張…💦
放送日は近日中を予定しています!また改めてご報告させていただきます📺」
ファンからは「ナイトスクープ案件にピッタリ!」と期待の声が殺到。
探偵が“ほか弁のロゴの謎”を解き明かす日は近い、そう思われていた。
だが放送前に事件は起きた――Nスタが“先に報道”
ところが11月7日、事態は思わぬ方向に転がる。
TBS系ニュース番組「Nスタ」が、長野県在住の85歳男性・大西利光(かがみ)さんをほっかほっか亭のロゴ作者として報じたのだ。
報道によると、大西さんは学生時代に知人の依頼でデザインを担当したと語り、当時のスケッチや新聞資料まで提示。ほっかほっか亭の創業者・田淵道行氏も「記憶と一致する」と証言し、ほぼ間違いないと太鼓判を押した。
X上でも瞬く間に炎上。
「企画の横取りwしかも過去には同じ系列局だったのに」
「探偵ナイトスクープの放送日発表を楽しみにしてたのにNスタは何してくれたんじゃ!映画のネタバレじゃねーか」
「これええの?放送とか芸能の世界の仁義として」
などと、怒りと失望の声が広がった。
テレビ業界の“暗黙ルール”に抵触?「先出し報道」はモラル違反か
テレビ朝日系列のABCテレビの「探偵!ナイトスクープ」のネタをTBS系の「Nスタ」が先行報道した今回の件。
ナイトスクープのような依頼型番組は、依頼者(今回ならほっかほっか亭)と番組の信頼関係で成り立っている。依頼内容を事前に他局が報道してしまうのは、業界的には“やってはいけない”領域と思われる。
特に今回は、ほっかほっか亭公式Xアカウントにて「ナイトスクープ採用」を公表していただけに、“ネタが進行中である”ことをメディア全体が把握していたはず。
それでもNスタが報じた背景には、ニュース報道としての「独自確認」が優先された可能性がある。
「ナイトスクープ」放送お蔵入りの危機、視聴者からも心配の声
TBS報道が先に出たことで、ABCテレビ側の番組構成は完全に狂っているだろう。
他局が先に事実を報道してしまった場合、同じ内容を放送しても“既視感”が強く、視聴率は望めないだろう。結果的に“お蔵入り”になるパターンはよくある。
また「探偵!ナイトスクープ」は長年、「人探し・物探し」をドラマチックに描く番組構成で人気を博してきた。
しかし“見つかってしまった後”ではドラマが成立しない。
SNSでは、ほっかほっか亭公式Xアカウントに「Nスタに横取りされてます」「TBSに抗議した方がいいですよ」と、視聴者から心配の声が送られている。
先行報道に擁護派の意見も
一方で、Nスタ擁護派の意見も。
「Nスタ批判されてるけど、別にナイトスクープ独占企画でも無く、それ以前にほっかほっか亭がSNSで公募しているのだから問題無いのでは?」
「昔はこういう各番組で同じネタの取り合いみたいなのが当たり前にあった」
議論は、メディア倫理と“ネタの共有ライン”というセンシティブな問題にまで発展している。
ネタ横取りか、報道の自由か?ほっかほっか亭公式からの声明が待たれる
たとえば社会的にインパクトのある事件の解決に迫る情報など、一刻も早い報道で社会的利益がある場合は、先行報道する意味もあるだろう。
ただ、あまり緊急性が高くない企画において先行報道をする場合、「ネタの横取り」「企画潰し」と捉えられても仕方ないのではないだろうか。
「探偵!ナイトスクープ」の放送が実現するか、あるいは“幻の回”として封印されるのか。
そして、企業公式がどのタイミングで“ロゴ作者”を正式発表するのか。
今後の動向から目が離せない。



