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遠藤健慎逮捕は序章か?清水尋也事件から広がる“芋づる式摘発”の現実

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遠藤健慎
遠藤健慎 公式インスタグラムより

俳優・清水尋也被告(26)の大麻所持事件は、共犯とされた遠藤健慎容疑者(24)の逮捕によって新たな局面を迎えた。押収されたのはわずか0.39グラムの乾燥大麻にすぎない。だが警視庁は8カ月にわたり内偵を続け、交友関係や出入りの記録を丹念に積み重ねてきた。今回の逮捕は単なる若手俳優の転落劇ではなく、“芋づる式摘発”の始まりにすぎないのかもしれない。芸能界に根を張る薬物問題の実態と、今後広がりかねない余波に迫る。

 

原宿署のフラッシュ

9月24日午前10時過ぎ。原宿署の正面玄関に現れた遠藤健慎容疑者の姿を、数十人の報道陣が一斉に切り取った。
背を丸め、顔を伏せ、声を発することなく警察車両に乗り込む。
かつて大河ドラマで渋沢秀雄を演じた新鋭俳優の姿とは、あまりに対照的だった。

「これで終わりじゃない」
カメラの後方で、ある記者が小声でつぶやいた。警視庁の捜査は、遠藤容疑者の逮捕だけで幕を閉じるものではない。

 

芋づる式の構図

今回の事件で押収された大麻は0.39グラム。数字だけを見れば“微量”だ。だが、警視庁はこの一袋に至るまでの経路を徹底的に洗い出している。

清水被告の自宅を8カ月にわたって張り込み、出入りする人物の記録を積み重ねた。そこに何度も姿を見せたのが遠藤容疑者だった。

「交友関係を追っていけば、どこかで名前が出てくるだろうと思っていた」
捜査関係者はそう漏らす。つまり遠藤容疑者は“最初からマークされていた”のだ。

この構図は過去の芸能人薬物事件と同じだ。ひとりの逮捕がきっかけとなり、次々と関係者が摘発されていく。まさに“芋づる式”である。

 

清水尋也の供述と入手ルート

清水被告は取り調べに対し、「20歳の頃、アメリカ留学中に初めて吸った」と語っている。
以来、日本でも習慣的に吸引を続け、「月に数回のペース」で使用していたと供述した。

さらに「毎回、友人に現金を渡し、大麻を買ってきてもらった」とも話している。
その“友人”として逮捕されたのが、20代の清掃アルバイトの男だ。警視庁はこの人物を調達役とみており、売人との接点を探っている。

遠藤容疑者は「清水のものを見ただけで自分は関与していない」と否認を続けている。
しかし、複数回にわたり清水宅を訪れていた事実、そして現場に大麻と器具が存在した事実が、疑念を強めている。

 

若手俳優の連帯感が裏目に

遠藤容疑者と清水被告は2018年公開の映画『ミスミソウ』やドラマ『チア☆ダン』で共演した。過酷な現場を共にしたことで、同世代の俳優として深い連帯感を築いたという。

その関係はSNSでも示されていた。遠藤容疑者は8月、自身のInstagramに清水被告との笑顔の2ショットを投稿。舞台挨拶で清水が遠藤の肩に顎をのせる写真も残っている。

「若手俳優は仲間意識が強い。それが成長を後押しすることもあるが、間違った方向に作用すると一気に転落する」
ある芸能関係者はこう指摘する。

友情や信頼といった絆が、薬物という禁断の領域にも及んでしまったのだ。

 

SNSに広がる不信と怒り

逮捕の報が流れると、SNSには怒りと失望が渦巻いた。
「才能を自ら潰した」「共演者やスタッフが気の毒」「スポンサーが許すはずがない」。

中には「24歳だから更生を願いたい」との声もあるが、圧倒的多数は厳しい意見だ。芸能人は“イメージがすべて”といわれるだけに、微量であっても復帰は困難だという見方が支配的だ。

 

芸能界に突きつけられた課題

遠藤容疑者の逮捕は、芸能界に再び重い問いを投げかけている。
「契約時に薬物検査を義務化すべきだ」という議論は過去にも浮上したが、強制力を持つ制度として定着していない。

「売人を捕まえない限り、同じことの繰り返しだ」
ネット上にはそんな声も上がる。買い手である俳優を摘発しても、供給網を断ち切らない限り事件は終わらない。

警察が本気で狙うのは末端ではなく、その背後にいる“上”だ。捜査の矛先が今後どこへ向かうのか、業界全体が固唾を飲んで見守っている。

 

芋づる式逮捕の行方

過去の芸能人薬物事件を振り返れば、一件の逮捕で終わることはほとんどなかった。音楽界、映画界、バラエティの世界。誰かが摘発されれば、交友関係をたどって次々と名前が浮かび上がった。

今回も同じだろう。清水被告と遠藤容疑者の事件は“始まり”に過ぎない。
「この世代の俳優は大麻を軽く考えている。昭和のタバコ感覚だ」という指摘もある。入手もネットや友人経由で敷居が低く、罪の意識が希薄なのだ。

もし今後さらに逮捕者が出れば、作品の放送中止や広告契約の解除など、業界への打撃は計り知れない。

 

序章にすぎない…

遠藤健慎容疑者の逮捕は、世間には「若手俳優の転落」と映る。
だが捜査当局にとって、それは一連の“芋づる式摘発”の入り口にすぎない。微量でも失墜する芸能人のキャリア、揺れる作品制作現場、そして何より供給網を追う警察の視線。
物語はまだ終わっていない。むしろ本当の幕開けはこれからだ。

 

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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