
34年ぶりに東京で開催された『世界陸上』。感動のフィナーレを迎えるはずが、視聴者の怒りと失望が爆発する結果となった。30年にわたり大会を支え続けてきた織田裕二の“卒業宣言”を、TBSのエース・安住紳一郎アナが軽口で茶化したからだ。SNSは瞬く間に炎上し、《最低》《不快すぎる》と安住への嫌悪が殺到。さらに局の演出にも「織田外し」の疑念が広がり、功労者を軽んじたTBSの体質そのものに批判が向けられている。
織田裕二、世界陸上の“代名詞”
9月13日から21日にかけて開催された『東京2025 世界陸上』。34年ぶりに東京で行われたこの大会は、連日の熱戦で大いに盛り上がった。その中でひときわ輝きを放ったのが、スペシャルアンバサダーとして復帰した俳優・織田裕二(57)である。
織田が『世界陸上』のキャスターに起用されたのは1997年のアテネ大会。以来2022年のオレゴン大会まで13大会連続でキャスターを務め、30年近く大会の象徴であり続けた。
その姿は、単なる番組進行者を超え、もはや「世界陸上の代名詞」と呼ぶにふさわしいものだった。
当初は「暑苦しい」「知識不足」と叩かれたが、織田は徹底的に勉強し、誰よりも真剣に競技に向き合った。海外取材にも積極的に飛び込み、片言の英語でも選手に敬意を込めてインタビュー。
大会前には厚さ数百ページに及ぶ資料を読み込み、出場選手の経歴や記録を暗記したという。
放送中に声が枯れるまで叫ぶ熱量も、単なる勢いではなく「選手を全力で応援したい」という誠実さの表れだった。批判を浴びても逃げず、毎回全力でアスリートに向き合い続けたその姿に、多くの視聴者が心を打たれてきたのだ。
「老兵は去ります!」に拍手が送られるはずが…
そんな織田が9月20日、『情報7daysニュースキャスター』で「これで本当に卒業」「老兵は去ります!」と口にした。長年の功績を振り返りつつ、有終の美を飾る言葉だった。
本来であれば、拍手と称賛で送り出されるべき瞬間だった。
だが、この感動的な場面を台無しにしたのが、番組MCの安住紳一郎(52)である。
「織田さん、熱量がすごいから今田さんも持て余し気味じゃないですか?」
安住が笑いながら放った一言は、織田の30年を茶化すかのような響きを持っていた。共演の三谷幸喜が「疲れたでしょ?」と畳みかけ、織田は苦笑いを浮かべるしかなかった。
視聴者にとっては、英雄が去る瞬間を“おもしろ半分”に処理されたように見えた。空気を和ませるつもりだったのかもしれない。しかし、30年間の功労と真剣さを知る人々には、あまりに無神経な軽口として突き刺さった。
視聴者総ブーイング「最低」「不快すぎる」
SNSには瞬く間に怒りの声があふれた。
《織田さんがどれだけ大会に尽くしてきたと思ってるんだ》
《安住、最低。人の真剣さを笑いにするなんて不快すぎる》
《30年の功労を踏みにじった。大嫌いになった》
《あれを見て一気に冷めた。TBSの感覚はズレている》
長年の功労者を笑いのネタにしたことで、安住に対する嫌悪感は決定的となった。視聴者は織田の努力を知っている。だからこそ、その卒業を軽口で矮小化した態度に、裏切られた思いを抱いたのだ。
TBSの“織田外し”演出に広がる不信感
炎上は安住個人にとどまらなかった。大会最終日の振り返り番組に突如登場したのは、お笑いコンビ・バナナマンだった。織田とアスリートの語らいが作り上げた緊張感を、バラエティ色で中和するような演出だった。
SNSではこうした声が相次いだ。
《バナナマンは悪くない。悪いのはTBSの演出》
《織田と選手の対話だけで十分だった》
《お笑いに頼らないと締められないのか》
視聴者には、TBSが意図的に「織田色」を薄めようとしているのではないか、という疑念が広がった。功労者を軽んじ、新しい演出路線に切り替えようとする局の姿勢が見え隠れしたのだ。
世界陸上を守ってきた功労者を軽んじる罪
織田裕二が『世界陸上』で果たしてきた役割は計り知れない。
日本人選手が注目されにくかった時代から、国籍に関わらずアスリートをリスペクトし、全力で応援し続けてきた。視聴者の「誰を応援すればいいのかわからない」という戸惑いを払拭し、競技そのものの魅力を伝え続けてきた功労者である。
織田が残した最終日の言葉は、それを雄弁に物語っていた。
「当初は日本人選手が少なく、誰を応援すればいいかわからなかった。ただ、選手たちの能力に圧倒され、国籍は関係なく応援するようになった。人類はどこまで速く、遠く、跳べるのか。選手の数だけ人間ドラマがある」
この哲学こそ、織田が30年をかけて体現してきた姿勢だった。
彼がいたからこそ『世界陸上』は単なるスポーツ中継を超え、国民的イベントへと成長したのである。
織田裕二は英雄、安住は“不快なノイズ”
それだけに、安住紳一郎の軽率な一言とTBSの安直な演出は、功労者を軽んじた「罪」として受け止められた。SNSには《世界陸上は織田裕二じゃなきゃダメ》《安住はいらない》という声が溢れている。
本来なら織田が称賛と拍手で送り出されるはずだった東京大会。しかし残ったのは感動ではなく、安住紳一郎とTBSへの嫌悪感だった。
30年にわたり大会を支え続けてきた功労者を軽んじた罪は重い。視聴者の記憶には、英雄の去り際を踏みにじった“不快なノイズ”として、安住紳一郎の名前が刻まれることになるだろう。