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セクハラ99件認定で辞職の前町長、小島英雄氏が岐南町議選で2位当選 908票の背景と揺れる民意

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セクハラ
PfotoACより

岐阜県岐南町議会議員選挙(定数10)が9月7日に投開票され、かつてセクハラ行為99件を認定されて町長を辞職した小島英雄前町長(75)が再び議席を獲得した。16人が立候補した中で908票を得て2位当選。補欠選挙も含め通算8回目の当選となった。

 

 

セクハラ認定と辞職の経緯

小島氏は2020年11月に町長に初当選した直後から、複数の女性職員に対して尻を触る、背後から抱きつくなどの行為を繰り返していたとされる。町が設置した第三者委員会は2024年2月、少なくとも99件の行為をセクハラまたは不適切行為と認定。翌3月、小島氏は議会の不信任決議可決を見据えて辞職した。

 

「民意だと思っている」

当選直後の取材に、小島氏は「今まで一生懸命やっていた努力を住民の方々が認めてくれた。民意だと思っている。新しい岐南町を作っていきたい」と語った。町民に対しては「ありがとうと言いたい」と述べた一方で、セクハラ問題については言及を避けた。

 

投票結果の内訳と有権者の判断

開票結果によると、小島氏はトップ当選者との差が257票の2位。投票率は約40%にとどまった。投票者8627人のうち、約1割にあたる908人が小島氏に票を投じた計算になる。固定的な支持層や地縁・血縁に支えられた結果とみられる一方、低投票率によって世代間の民意が十分に反映されなかったとの指摘もある。

 

世論の反応 批判の声が相次ぐ

ネット上やコメント欄では、当選に強い批判や驚きが寄せられた。

  • 「この程度のセクハラは容認されたのか。被害者の気持ちを考えていない」
  • 「昔からのなあなあの関係で選ばれた。若い世代はますます町を離れるだろう」
  • 「投票率が低すぎる。ネット投票などで若者の声を反映すべきだ」

一方で、長年の町政経験や人脈を評価する声も一部で見られた。

 

背景にある構造的課題

岐南町は人口減少と高齢化が進む地方自治体。選挙でも高齢層を中心とした固定票が強い影響力を持つ。小島氏は地域に根強い支持者を抱えており、その支援により再び議席を得たと考えられる。

ただし、セクハラ行為を理由に辞職した人物が短期間で議会に復帰することは、被害職員や町のイメージに深刻な影響を与える可能性がある。倫理観の欠如が容認されるような結果は、若い世代の政治不信や町の魅力低下につながりかねない。

 

今後の影響と課題

小島氏は当選後、「精いっぱいやっていく」と意欲を示した。しかし、町民の間では「人としての資質に疑問がある」との声も根強い。被害者への配慮や再発防止策を欠いたままの復帰は、町政の信頼を揺るがしかねない。

岐南町が今後、過去の問題をどう受け止め、町政運営に反映させるのか。今回の結果は、地方政治における「民意」の在り方を改めて問いかけている。

 

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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