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東京23区で急増する中古「億ション」、10年で16倍に急増

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東京23区の中古マンションのうち、価格が1億円を超える“億ション”の割合が過去10年間で16倍に膨らんだ。不動産情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」を運営するLIFULLの調査によると、2015年には1%にすぎなかったが、2020年には3%に上昇。そして2025年上半期には16%に達し、7戸に1戸が億ションという状況となった。

かつては限られた高級物件の代名詞だった億ションが、いまや中古市場でも一般的な存在に変わりつつある。

 

港区・千代田区では中古の半数以上が億ション

区別の分析では、港区が55%、千代田区が51%と、いずれも中古の半数以上が億ションに該当。中央区も45%に達し、いわゆる都心3区が突出している。

一方、杉並区や大田区など下位10区は5%以下、足立区は0%と、都心と郊外の価格格差が鮮明になっている。中古マンションの価格上昇は東京にとどまらない。首都圏全体でも平均価格は上昇を続けている。

アットホームの調査によれば、2025年6月時点で首都圏の中古マンション1戸当たり平均価格は 4,659万円

同年8月には 4,712万円と12カ月連続で上昇した。東日本レインズによると、2025年3月の首都圏平均成約価格は 4,945万円、㎡単価は 79.01万円で前年同月比+2.6%の上昇を示した。

㎡単価で比較すると、首都圏全体は 84.06万円/㎡(2025年5月時点)だが、都心3区(千代田・中央・港区)は **240.93万円/㎡**と突出。多摩地域の 54万円/㎡ と比べれば、その格差は歴然だ。

 

新築高騰が中古市場を押し上げる

不動産経済研究所の統計では、2025年7月に東京23区で販売された新築マンションの平均価格は1億3532万円。前年同月比で24.4%の急騰となり、資材費や人件費の高騰、投資需要が重なった結果とされる。

この新築の高騰が中古市場へ波及し、「中古でも億ション」が当たり前の時代を生んでいる。

LIFULL HOME’S総研の中山登志朗副所長は「新築価格は今後も上昇する前提であり、中古の億ション割合もさらに拡大する」と予測している。

 

住みたい家が買えない──庶民の嘆き

価格高騰を前に、多くの一般家庭や若年層から悲鳴にも似た声が上がっている。神戸新聞によれば、ネットでは次のような切実なつぶやきが目立つ。

「都心は常人が住める域を超えてきている感」

「メーカー勤務者はもう東京なんて住めないからな」

首都圏外から投稿したあるSNSユーザーは、共働きでも購入は難しく、「給与に見合った住居価格」との感覚との乖離に深い失望を抱いている。これらの声は、価格高騰が単なる数字上の現象でなく、生活の選択肢を奪う現実として受け止められていることを示している。

 

転売規制をめぐる論議が過熱

価格高騰の要因のひとつとされるのが「短期転売」。人気物件を購入後すぐに転売し、差益を狙う投資行為が価格を押し上げているとの指摘がある。

こうした背景から、港区など一部自治体では「新築購入から5年間の転売禁止」を事業者に要請する動きが広がっている。

しかし、この規制をめぐっては賛否両論が噴出している。不動産協会の吉田理事長は「個人の財産権や私権の制限につながる可能性があり、法律的にどこまで有効なのか疑わしい」と指摘。

5年間の転売制限が本当に価格抑制に結びつくのかは不透明で、「合理的な制約なのかどうか疑問だ」と述べた。

業界内部でも「資材費や人件費の上昇、住宅需要の高まりこそが根本原因で、転売規制は本質的な解決策にはならない」との声が根強い。

一方で、短期転売そのものが市場を歪めるとの認識も共有されており、「投機的な取引を抑制する仕組みは必要」とする意見もある。

行政側は市場の安定を重視するが、業界団体は「過度な規制は供給の停滞や価格上昇をむしろ招く」と懸念しており、両者の溝は深い。現状では「強制力のない要請」にとどまっているが、制度化を巡って国政レベルに議論が波及する可能性もある。

 

都市の二極化と住宅政策の課題

今後も港区や中央区などで再開発が進む一方、郊外の手頃な価格帯は維持される見通しだ。こうした状況は、住居選択の二極化をさらに加速させる恐れがある。

億ションが当たり前となる時代において、都市全体のバランスや「適正な住宅価格」をどのように確保していくのか。東京だけでなく首都圏全体を巻き込んだ課題として、住宅政策の在り方が問われている。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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