
「パパ活」の取り締まりなどを担当する大阪府警の幹部警察官が、自ら「パパ活」で知り合った10代の少女にわいせつな行為をしたとして、逮捕されるという前代未聞の事態が発生した。
大阪府警は27日、府警本部生活安全特別捜査隊の警視、辻本浩嗣容疑者(53)=大阪府八尾市=を不同意わいせつの容疑で逮捕したと発表した。辻本容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。取り締まる側の幹部が犯した罪に、府警内外に衝撃が広がっている。
行方不明の少女が明かした「パパ活」被害
府警監察室によると、辻本容疑者は6月下旬、大阪府内のカラオケボックスの個室で、16歳未満の少女の体を無理やり触るなど、わいせつな行為をした疑いが持たれている。
少女は7月上旬に家族から行方不明届が出されており、府警が行方を捜していた。捜索中の警察官が少女を発見し事情を聴いたところ、「パパ活相手の男性に体を触られた」と証言。少女はSNSを通じて辻本容疑者と知り合い、現金を受け取っていたと話しているという。
その後の防犯カメラ映像の解析などから、府警の幹部である辻本容疑者の関与が浮上し、逮捕に至った。
女性や子供を守る部署のNo.3
逮捕された辻本容疑者が所属する「生活安全特別捜査隊」は、女性や子供を犯罪から守る対策や、風俗営業の取り締まり、そして近年問題となっている「パパ活」に絡むわいせつ事件などを専門に担当する部署だ。
辻本容疑者は、約40人の隊員が所属するこの部隊で、隊長と副隊長に次ぐ「特別捜査官」というナンバー3のポストに就いており、事件捜査において隊員を指揮監督する立場にあった。
警察への信頼揺るがす異常事態
警察官、とりわけ少年少女の保護を任務とする部署の幹部が、保護対象であるはずの少女を性的な搾取の対象としていた事実は、府警にとって深刻な事態だ。
国井栄次・監察室長は「警察官としてあるまじき行為で言語道断。今後の捜査結果を踏まえ厳正に対処する」とコメントを発表したが、組織の信頼失墜は免れない。市民の安全を守るべき警察組織の在り方が、厳しく問われることになる。