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宮崎県名門企業・有名企業売上ランキング〈2025年版解説〉

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宮崎県名門企業・有名企業売上ランキング〈2025年版解説〉
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畜産食品と半導体関連素材が二大成長エンジンとなる宮崎県。児湯食鳥、ミネベアAS、旭有機材など主要15社の最新売上高と競争力を解説する。

 

15 位 九南〈都城市〉 売上 193 億円〈2024/6〉


建設資材卸を母体に設備工事、住宅リフォーム、LPガス、食品スーパー「エーコープ九南」まで抱える地域密着コングロマリット。創業1948年、都城と鹿児島の二拠点物流網を活かし再エネ設備工事とZEB改修需要を取り込む。倉庫にIoTセンサーを導入して在庫回転率を高め、配送車両にバイオ燃料を試験導入するなどCO₂排出を前年比10%削減。DXとGXの両輪で連結売上200億円突破を射程に入れた。

14 位 植松商事〈宮崎市〉 売上 200 億円〈2023/8〉


石油販売を源流に、住宅・LPガス・通信・自動車整備・保険へと業容を多角化し、2014年には直営ホテル「ホテルJALシティ宮崎」を開業。エネルギーと生活関連サービスを一体で提供する地域密着型コングロマリットとして、県内約4万世帯のガス・電力契約を支え、災害時には自社 SS の非常用発電機と LP ガスバルクを活用した給電・炊き出し拠点を提供するレジリエンス体制を構築している。「品質第一・地域貢献」を掲げ、再生可能エネルギー設備の設計施工や省エネ住宅リフォームにも注力し、売上200億円で過去最高を更新した。

13 位 OPUS〈宮崎市〉 売上 273 億円〈2023/5〉

 


パチンコホール「OPUS」と居酒屋ブランドを九州南部で多角展開。1986年設立、本部は宮崎市。遊技機の省電力化と店舗屋上ソーラーで電力コストを20%圧縮し、カーボンニュートラル店舗モデルを推進する。女性専用席やキッズコーナーを備え、娯楽+地域コミュニティの融合を志向。023年5月期に売上273億円を計上し過去最高を更新した。

12 位 宮崎くみあいチキンフーズ〈宮崎市〉 売上 337 億円〈2024/3〉


JA全農グループに属するブロイラー処理・加工の中核企業。県内に複数の最新衛生ラインを備え、農場から加工・流通までを一貫管理する体制を確立している。国産鶏肉ブランドの品質保証を強みに、国内の外食・中食産業だけでなくアジア圏へのチルド製品輸出を拡大。HACCP上位認証を背景に環境配慮包装や再エネ設備の導入も進め、循環型畜産のモデル企業として評価される。

11 位 ハンズマン〈都城市〉 売上 341 億円〈2024/6〉


「体験型ホームセンター」を掲げ、実演販売とワークショップで熱心なDIY客を囲い込む。店舗平均1万㎡超の品ぞろえに加え、会員アプリとポイント連動の顧客分析でリピーター率を高水準に維持。サービス収益の拡大が売上更新を支えた。

10 位 南日本酪農協同〈都城市〉 売上 351 億円〈2024/2〉

 


乳飲料「スコール」を中核に、機能性ヨーグルトやデザートへ領域拡張。新プロセスセンターの自動化と再エネボイラー導入で生産効率と環境性能を向上させ、九州の協同組合ネットワークを活かした安定供給が食品メーカーとの取引を広げる。PETボトル100%再生材採用を掲げるESG経営が進む。

9 位 エビス商事〈都城市〉 売上 400 億円〈不明〉


食肉副産物をペットフードや医薬素材に高付加価値化する循環型ビジネスの先駆者。畜産県の調達網と海外の販路を融合し、廃棄物削減とSXを同時に実現。自社トラックのバイオ燃料化や社内カーボンオフセット制度で従業員の環境意識も高める。

8 位 ソラシドエア〈宮崎市〉 売上 499 億円〈2024/3〉


地域航空会社。羽田線を軸に沖縄・九州路線を運航。観光復調と貨物需要を捉え2024年3月期売上499億円で過去最高を計上した。地域プロモーション機体や空港連携のMaaSで広告・物販収入を拡充し、地元採用と航空教習提携で若手人材を確保。地方航空の成功モデルと評される。次期は547億円計画。

7 位 宮崎トヨタ自動車〈宮崎市〉 売上 529 億円〈2025/3〉

 


県内シェア4割超。EV・ハイブリッド中心の販売モデルを構築し、KINTOや中古車サブスクでストック収益を拡大。太陽光2.4MWと蓄電池を備えた防災拠点店舗を整備し、自治体と協定。SDGs対応の次世代店舗戦略が顧客と地域から支持を得る。

6 位 霧島酒造〈都城市〉 売上 531 億円〈2023/3〉


本格芋焼酎「黒霧島」で国内トップブランドを確立。契約農家との共創で安定原料を確保し、焼酎粕リサイクルのバイオガス発電で蒸留エネルギーを自給。ブランドサイトやバー業態で若年層との接点を増やし、輸出も着実に拡大する。

5 位 ミヤチク〈都城市〉 売上 590 億円〈2023/3〉


宮崎牛を核に肥育から加工・販売まで一貫体制を敷くJA系食肉企業。最新衛生基準とICT個体管理で高い品質を保証し、EU・中東向け輸出を強化。冷蔵チルド物流と高級カットの提案力が外食・リテールの付加価値需要を取り込み成長を牽引。

4 位 宮崎銀行〈宮崎市〉 経常収益 738億円〈2025/3〉

 


預貸率の高さを武器に地域産業を金融面で支援。スマホ完結の「みやぎんアプリ」や無人店舗型ブランチで若年層を取り込み、手数料ビジネス比率が3割超へ拡大。地方創生ファンドとスタートアップ融資でGX・DX投資を呼び込み、収益力を高めた。

3 位 旭有機材〈延岡市〉 売上 874 億円〈2024/3〉

 


塩ビ・フッ素樹脂配管とバルブのパイオニアとして化学・水処理・半導体製造ラインで高い国内シェアを確保。延岡工場を核に超純水向け高耐薬グレードを開発し、北米や台湾の半導体投資需要に対応する。カーボンニュートラル戦略の一環で植物由来樹脂やリサイクル配合材の商品化を推進し、資源循環と市場拡大を両立。連続押出から組立まで一貫生産で品質を追究し、国内外クリーンルーム建設案件への採用が広がる。2024年3月期は連続増収を達成し、財務体質も健全。

2 位 ミネベア アクセスソリューションズ〈宮崎市〉 売上 1,257 億円〈2023/12〉

 


旧ホンダロック。スマートドアハンドルと車載セキュリティECUで世界シェアを伸ばし、EV時代のキーデバイス企業に。親会社ミネベアミツミの調達網と宮崎第2工場の5G対応ラインを活かし、超精密加工とソフト融合で高収益を確保する。

1 位 児湯食鳥〈川南町〉 売上 1,639 億円〈2024/3〉

 


ブロイラー一貫体制で国内最大規模。飼料から処理・加工までグループ内完結し、高いトレーサビリティと安定供給を実現。AI検品や再エネ設備を導入し、食の安全と環境配慮を両立。外食・コンビニ向けの高付加価値商品で市場を広げる。

総評

 

宮崎県の企業地図は、畜産食品と機能化学を軸に、輸送機器部品・金融・観光航空が補完する“五重奏”型へ進化している。川南―都城に連なる畜産クラスターは、児湯食鳥とミヤチクが高度なトレーサビリティと加工機能を備え、国内需給ひっ迫に対応しつつ輸出を拡大。延岡の化学コンビナートでは旭有機材が半導体向け高耐薬樹脂配管で世界市場に食い込み、県北の製造基盤を活性化させた。EV化の波を捉えたミネベア ASはスマートドアハンドルで過去最高益を計上し、雇用創出と先端技術の集積を牽引。コロナ禍で痛手を受けたソラシドエアも旅客・貨物需要の急回復で売上を倍増させ、観光と地域ブランド発信の要となっている。

一方、100億円規模の中堅企業が22社まで増えたことで競争は激化し、人材確保とエネルギーコストの吸収が共通課題として浮上。銀行・流通各社はデジタルチャネル強化と地方創生ファンドを駆使し、域内のGX・DX投資を底支えしている。2026年に向けた展望としては、①半導体関連波及による県北部の製造投資、②畜産業のカーボンフットプリント削減、③観光・航空が連動したインバウンド需要の再拡大、が成長ドライバーとなる見通しだ。加えて、再生可能エネルギーの地産地消と人材リスキリングが地域経済の持続性を左右する。県内各社が「輸出高度化・再エネ導入・デジタル生産性向上」を同時に進められるかが、次のランキング地図を書き換える鍵となる。

名門企業について他の企業を推薦したい方は教えてください。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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